−陣ずきん−


蔵「いやー、ではそろそろ行きましょうか♪」

飛「どこへ行こうと言うんだどこへ・・・」

凍「そんなこれから『ピクニック行くぞ』みたいな言い方されてもな。」

陣「ピクニックいいだな〜。弁当たーくさん持ってさ♪」

蔵「それはまた今度と言うことで。今回は『赤ずきんちゃん』ですvv」

飛「・・・はぁ?」

鈴駒「それはオイラ達にとてつもなく似合わなくない?」

蔵「何故です?」

鈴駒「だって赤ずきんちゃんて言ったら可愛い女の子が必要なんだよ?いないっしょ?うちらの中にさ。」

死「割合で行くとむっさい奴の方が多いしな。」

鈴木「お前の事だぞ酎。」

死「貴様の事を言ってるんだ。」

躯「いいじゃないか、蔵馬、お前がやればいいだろ?髪赤いから赤ずきんみたいだぜ?」

「肝心の可愛さが米粒程も無いがな・・・」

蔵「何ですって?飛影、俺が可愛すぎるって?」

黄「誰もそんな事言ってないだろ・・・」

蔵「ああ、黄泉、あなた狼ですからね。」

黄「何故だ!?私はもううんざりする程悪役をやって来たんだぞ!?そろそろ私にも主役をよこせ!!」

蔵「あげません。あなたの顔は悪役になるために産まれてきたような顔なんですから。」

酎「どんな顔だっつーの・・・」

鈴駒「お前みたいな顔だよ。」

死「ここにもいるぞ。」

鈴木「何だって?私の顔が美しくてしょうがないって?全く、そんな分かりきった事をvv」

死「俺はバカ過ぎてしょうがないと言ってるんだ。」

幽「何でもいいけど話進めようぜ?」

躯「そうだな。黄泉のツラになんて語ってたって何の得にもなるわけない。」

蔵「全くです。髪が赤いと言う理由なら陣でどうです?」

死「賛成だな。この中で一番純粋だしな。」

鈴木「死々若!!私はお前の純潔が・・・!!」

死「貴様は黙って排水溝掃除をしていろー!!」

凍「俺は黙ってくれてるだけでも嬉しいがな・・・」

陣「と言うことはオラが主役だべか?緊張するだな〜。」

幽「陣初主役だな。」

蔵「じゃあ他の役を決めましょうか。今回は人数が少いですし、クジで決めましょうか。赤ずきんと狼を抜かして。」

黄「待て!!狼役も平等に決めろ!!それが民主主義と言うものだ!!」

躯「民主主義で言ったらお前の悪役確定だぜ?満場一致でな。」

蔵「その前にこんな事に民主主義持ち出す方がアホらしいですって。」

黄「・・・・・」

飛「何でもいいからさっさと決めるぞ。」


***役決めのクジ引き中***

蔵「さー、みんな役決まりました?何も書いてないのは役無しってことです。」

死「鈴木はろくでなし・・・」

凍「我が家は貯蓄なし・・・」

黄「私の通帳も残高なし・・・」

躯「お前にはもう一つ甲斐性なしってのもあるだろ。」

蔵「威厳も皆無ですよ。」

黄「うっさい!!」

飛「俺のは何も書いていない。」

酎「俺もねぇや。」

凍「俺は母親役だ。」

死「俺は狩人。」

鈴木「私の愛を狩るvv?」

死「お前の命ならかっさばいてやる。」

黄「・・・・・蔵馬細工しただろ?」

蔵「するわけないでしょう。あなたじゃあるまいし。」

黄「じゃあ何故私が狼役なんだっ!?」

蔵「おや?見事に狼役を引いたんですか?すごいくじ運ですね〜。」

鈴駒「やっぱり適役なんだよ。敵役なだけに。」

凍「ほぉ、鈴駒なかなかうまい事言うな。」

陣「?」

躯「お前が悪役になるのはもう天命なんだ。あきらめて狼役に徹しろ。」

黄「嫌だ!!私だって主役をやりたい!!」

死「やめとけ似合わん。」

飛「コイツがカゴ持って花畑で花と戯れる場面なんて誰も見たいなんて思わん。」

躯「放映した瞬間から『しばらくお待ち下さい』の画面になるだろうな。」

鈴駒「JAROに苦情殺到するんじゃない?」

躯「オレなら速攻で電話するな。」

黄「もういい・・・悪役でも何でもやってやる!!」

蔵「だから貴方は悪役しか出来ませんて。他の人はどうでした?」

幽「俺今回観客〜。」

鈴駒「オイラも〜。」

鈴木「私はセレブなおばあさん役だ。」

凍「セレブはいらん。」

蔵「ではコレが今回の配役ですvv」

赤ずきん:陣

卑(いや)しい狼:黄泉

狩人:死々若丸

おばあさん:鈴木

お母さん:凍矢


蔵「それでは赤ずきん改め『陣ずきん』を上演致します。」


修「わーいvv今日はどんなお話?」

飛「お前の親父が退治される話だ。」

躯「違うだろ。黄泉に制裁をくれてやる話だろ?」

幽「おいおい・・・」


蔵『昔々、ある所陣ずきんちゃんと言う女の子がいました。』

陣「今日もいい天気だべ〜。」

凍「おーい、陣ずきーん。」

陣「ん?母ちゃんが呼んでるだ。」

凍「陣ずきん、森の中にいるおばあさんの所にパンとブドウ酒を持ってっておくれ。」

陣「ばあちゃんどうかしただか?」

凍「まぁ、どこが変じゃないかを聞かれても困るが何故か風邪を引いたらしい。」

陣「ふーん・・・じゃあオラがそれを届ければいいんだな?」

凍「そうだ。寄り道や買い食いや変な狼に会わない様にするんだぞ?」

陣「はーいvvじゃあ行ってくるだ!!」


蔵『こうして>陣ずきんちゃんは元気良くお返事をし、勢いよく森の方へぶっ飛んで行きました。すると・・・』

陣「ん?わぁー・・・キレーな花畑だな。」


蔵『陣ずきんちゃんは眼下に綺麗な花畑を見つけました。でもお母さんに寄り道をしてはいけないと言われています。」

するとそこに・・・』」


黄「おーい、そこのと言うか上空1000メートルにいるおじょうさーん!!」

陣「ん?誰か呼んでるだな。」

黄「と言うか飛ぶ距離じゃないだろうが・・・」

陣「狼のおっちゃん何か用だか?」

黄「おじょうちゃん、そんなに勢いよくぶっ飛んで火星にでも行く気かい?」

陣「う〜うん。森の中にいるおばあちゃんにコレ届けに行くんだべ。お見舞いなんだ♪」

黄「ほぉー、お見舞いねぇ・・・」


蔵『この時ずる賢く卑しくいやらしい狼はある事を思いついたのです。』

黄(ふっふっふ・・・うまく行けばこの娘と森に居るというおばあさん二人とも食えるな・・・」

よーし、ここは先回りして・・・)」


黄「陣ずきんちゃん、ここのお花をおばあさんに摘んで行ってあげたらどうだい?おばあさん喜ぶよ?」

陣「そうだか?おばあちゃんどっちかって言うと変な薬とかの方が喜ぶべ。」

黄「・・・四の五の言わずに摘んでいきなさい。こんなにキレイなんだ、それにこの花達はこの辺にしか生えないのだ。

絶対喜ぶ。」

陣「そうだなvvじゃあ摘んでいくだ♪狼さん教えてくれてありがとうだべv」

黄「どういたしまして。ではゆっくり摘んでいくといい。」

(ゆっくりと・・・ゆっくりとな・・・)

陣「ところで何でオラの名前知ってるだ?オラ言ったっけ?」

黄「妙なトコを気にするんじゃない・・・普段は全然気づかないくせに・・・」


蔵『陣ずきんちゃんは寄り道をしてはいけないと言われたのに寄り道をしてしまいました。一方その頃・・・』


鈴木「陣ずきんはまだかな。久々に美しい我が孫の顔が見たいぞvv」

死「狼覚悟―!!」

(ズドドドドド)

鈴木「こらこらこらこらこらこらああああああ!!まだ狼は来てないぞ!!」

死「構わん!!」

(ズドドドドド)

鈴木「構えっちゅーねん!!」

死「ちっ・・・・しくじったか・・・」

鈴木「私は狼じゃないぞ!!」

死「似たようなもんだ。」

鈴木「どこがっ!!」


蔵『・・・えー、森の中も大変な事になってるみたいですね。さて本物より本物っぽい狼は

おばあさんの家に向かっていました。』

黄「ここか・・・」


蔵『おばあさんの家に着いた狼はドアをノックしました。』

コンコン

鈴木「むっ・・・またもや襲撃か・・・」

黄「(声音を変えて)おばあさん?私よ、陣ずきんよ。」

鈴木「おお、陣ずきんか、入っておいで。」


蔵『ところが入ってきたのは狼でした!』

鈴木「何だ貴様は!?私の貞操を奪いに来た輩(やから)か!!」

黄「いるかそんなもん!!お前を食べるために来ただけだ!!」

鈴木「そんな!!いくら私が美しいからって!!おやめになってー!!」


鈴駒「大丈夫。絶対大丈夫。」

幽「現実の世界じゃ誰も食おうなんてしねーから。」

酎「胃腸薬用意しておくか?」


蔵『抵抗空しくおばあさんはぺろりと食べられてしまいました。』

黄「うっ・・・胃がもたれる・・・ゲロリと吐きたくなってきた・・・さて、次は間もなくやってくる

陣ずきんを迎え撃たねば・・・」


蔵『狼はおばあさんの服を着てベッドで陣ずきんがやってくるのを待ちました。』

黄「さ〜て、そろそろかな〜・・・」


10分後・・・

黄「まだ花を摘んでいるのか・・・?」


20分後・・・

黄「・・・・・トイレ?」


1時間後・・・

「どこ行った!?あいつ!!探しに行かないと・・・!」

陣「やっほー、ばあちゃんvv」

黄「げほっげほっ!!(あわててベッドに戻る)・・・何をしていたんだね?陣ずきん・・・」

陣「へへ、道間違えちゃった。ばあちゃん具合どうだ?」

黄「うん・・・ちょっと胃がムカムカ・・じゃなくてごほっごほっ・・!」

陣「ばあちゃん大丈夫だか?」

黄「ああ・・・」

陣「むー?なんでばあちゃんそんなに目がでかいだ?」

黄「お前がよく見える様にだよ・・・」

躯「澱みまくっているがな。」

黄「貴様出番ないだろうが!!」

陣「じゃあなんでそんなに耳が大きいだ?」

黄「それは私がマギー審司のファンだからだよ。」


鈴駒「そんな理由なの!?」

躯「オレはてっきり盗聴をするためだと思っていた。」


黄「何故それ・・・そんな事するわけないだろ!!」

陣「じゃあなんで部屋中穴だらけなんだ?」

黄「さぁ・・・私が来た時にはすでにこうだったぞ・・・」

鈴木「それは死々若がやったのだ!!」

「ばあちゃん!?ばあちゃんの口の中からばあちゃん!?」

黄「コラ!!出てくるな!!」

陣「(目をゴシゴシ)ばあちゃん、なんかオラ今見てはいけないものを見てしまった気が・・・!!」

黄「忘れろ!!私もびびった!!」

陣「ショックでセリフ忘れちまっただ・・・えーと・・・あっ、ばあちゃんはなんでそんな口がでかいんだ?」

躯「意地汚いからだ。」

黄「だから貴様は引っ込んでろ!!・・・・・・それはお前を食べるためだ!!」

陣「へっ!?ぎゃああああ!!!」


蔵『なんと陣ずきんちゃんまで食べられてしまいました・・・』


修「あ〜、陣ずきん食べられちゃった・・・」

飛「ふん、節操のない食い方だ。」

鈴木「全くだ。私なら死々若か凍矢を食べるぞ。」

鈴駒「お前狼の胃袋の中でしょ!?」

酎「どーいう移動してんだよオメェは・・・」


蔵『狼はお腹がいっぱいになり、そのままベッドで眠ってしまいました。そこへ・・・』

死「さっきは散弾銃だったが今度はバズーカ砲を持ってきた。これなら・・・ん?」


蔵『狩人はおばあさんの家のベッドで図々しく寝ている狼を見つけました。』

死「あの腹のふくらみは・・・まさか・・・!!」


蔵『部屋を見回すと陣ずきんちゃんが持ってきたかごや家具が散らかっていました。』

死「これは狼の仕業か・・・そしてあの腹には・・・」


酎「部屋を荒らしたのは自分なんだけどな・・・」


死「食われたのがさっきならまだ生きているはずだ。狼の腹をかっさばいて二人を・・・

いや、陣ずきんだけを取り出さねば・・・」

躯「待て、オレも協力しよう。」

飛「なら俺もだ。」

鈴駒「じゃあオイラも。」

酎「なら俺も。」

「お前らここぞとばかりに参戦するな!!」

躯「お前こそ起きるな馬鹿。」

酎「日頃のアンタに伝えたい思いがあってな。」

死「確か前回はチェンソーで・・・じゃあ今回はシンプルにのこぎりでいくか。」

黄「何がシンプルだ!!切り口がぎざぎざになるだろうが!!」

死「案ずるな。やすりで削ってやる。」

「そう言う問題か!!」

躯「そう言う問題だ。そんな事も分からんのか。」

飛「全くだ。」

黄「・・・・・」

死「覚悟はいいな?」

「いいわけないだろ!!どこの世界に「はい、これから斬りまーすv」と言われて「はーいvv」

と答える奴がいる!?」

飛「なら貴様が記念すべき第一号になるがいい。」

酎「ホラ、さっさとしねーと時間が無くなるぞ♪」

凍「早くしないと陣が消化される。」

幽「鈴木は無視なんだな・・・」

死「あいつはこいつごときの消化器官で溶けるほど普通の構造じゃない。」

酎「どないボディや。」

躯「何でもいいから行くぞ。」

凍「教育上という事を考慮してたちばさみを使おう。」

鈴駒「じゃあチョッキンしますか♪」

飛「レッツクッキング!!みたいなノリだな。」


蔵『こうして狼の腹はばっさり斬られ、中から・・・』

陣「ぷはー!!腹減っただ〜!!」

死「大丈夫か?陣ずきん。」

陣「あっ、狩人さん。オラ確かばあちゃんに食われて・・・」

死「それは狼が変装しきれていない変装でお前を騙していたのだ。さっ、お前も無事に出てきたことだし

石詰めて腹をふさぐぞ。」

鈴木「待て待て待て待て待てー!!私を救出せんか!!」

死「断る。」

鈴木「断るな!!」

死「だったらさっさと出て来い。」

鈴木「もっとこう王子サマ的に助けて欲しいものだな・・・(ぶつぶつ)」

死「お前みたいなヒロインを誰が助けるか。」

鈴駒「ヒロインて言うかヘロインより物騒な人物だけどね。」

死「さっ、コイツの腹に石を突っ込め。」

陣「それじゃあ狼さんかわそいうだべ〜。」

黄「陣ずきん・・・なんて良い子なんだ・・・(ぐすっ)」

陣「せめて砂に・・・」

死「それもいいな。」

凍「いや、てっとり早く俺達の給料30%増しで手を打とうじゃないか。」

躯「それは画期的だな。」

「そんな金あるか!!」

躯「一国の王ともあろう者が何を言う。可愛い部下に小遣いあげると思えばいいだろ。」

黄「可愛い部下だったらな・・・・」

酎「可愛いだろ?」

黄「給料をせがまなかったらな・・・」


蔵『こうして平和的に物事は解決し、狼も真面目に働くようになりましたとさ♪めでたしめでたしvv』

黄「ちょっと待て!!どこが平和的解決なんだ!!」

蔵「何言ってんです?陣達の給料は増えて貴方の身の安全も保証されてどこが平和的じゃないって言うんです?」

黄「教育的に最悪だろうが!!」

躯「最悪なのは貴様だろ。」

飛「わがままな男だ。」

修「パパー、コレを春闘って言うの?」

蔵「そうです。勉強になりましたね、修羅。」

修「うんv」





何なんでしょうね・・・このブラック赤ずきんは・・・