キーンコーンフレーク食べる時は牛乳も忘れずに!
凍「起立!礼!!着メロ配信!!!」
陣「着メロ?」
死「さすがに六時間目になると号令のネタが尽きたか・・・」
鈴駒「一番言うべき『起立!礼!着席!』を言ってないんだけどね。」
蔵「それでははりきって描画してください。遠近法とか一点透視図法とかPL法とかは使えなくとも心を込めて一生懸命描く事が大事です。」
凍「美術の時間でPL法は使わない・・・」
幽「美術かー。美術って寝る時間なんだよなー。」
凍「なら数学は起きているのか?」
幽「アレは気失ってる。」
蔵「なら英語は?」
幽「必要ねぇべ?だって俺バイリオンギャルだぜ?日本語出来るし、魔界の奴らとも会話できるし、霊界もOKだし、あっ、冥界も通じたな。」
飛「ふっ、ネガティブスピーカーと言うヤツだな。」
蔵「ネガティブなのは貴方達のボキャブラリーでしょ。」
凍「なら歴史は?」
幽「ふっ・・・男は過去を振り返らないモンだぜ・・・前だけ見て生きて行くんだよ・・・」
飛「ふっ・・・お前にしてはなかなか良い事言うじゃないか幽助。」
幽「だろ?」
凍「今の発言を訳すと『復習・見直し』はしないって事だろ・・・」
飛「勘違いするな。予習もしない。」
幽「宿題もな!」
黄「堂々と宣言する事じゃないだろ・・・」
蔵「前だけ見てって、貴方達前方にある黒板も見てないでしょ。」
飛「教科書もな。」
鈴駒「おたくら鞄も持ってきてないからね。」
蔵「あっ、もう、無駄な会話で5分も過ぎちゃったじゃないですか。とにかく美術にしますので、お題は問いませんから自由に描いて下さい。」
修「じゃあ僕はパパを描こうっと。」
蔵「頑張って下さいねvタイトルは『この顔にピンと来たら110番』って感じでv」
躯「受話器は準備万端だ。」
黄「お前らを侮辱罪で警察に突き出したいわ。」
陣「むー、何描くべかなー?凍矢は決めただか?」
凍「まぁな。死々若は?」
死「ぼちぼちだな。」
鈴木「私ほど違いの分かる男はそうはいない!」
鈴駒「違いの分かる男って言うより間違いだらけの男だと思うけど。」
死「いや間違いしか無い。」
幽「んー、お題自由とは言っても、何描きゃあいいんだか。こういうのって少し制限がある方が決めやすいんだよなー。」
飛「心配いらん。貴様なら何描いても同じだ。」
幽「オメェもだろうがよ。飛影は躯描くんだべさー?」
飛「誰が描くか。貴様こそ題材に悩んでないでさっさと貴様の幼馴染みの顔でも描けばいいだろ。」
幽「昔あいつの似顔絵描いたらその絵八つ裂きにされたぜ。ちょっといたずら心にひげとか描いただけなのによ。俺はきっと
風景画とかの方が性に合ってるんだろうな。」
飛「ただでさえ下手くそなのに余計な事するからだ。」
幽「子供心に一生懸命描いたのに命懸けで逃げなきゃなんねぇとは実に嘆かわしかったな。」
蔵「壮絶な幼少時代ですね。」
鈴駒「普通描くのに一生懸命になっても描いた後に命懸けになる事は無いよね。」
陣「女心はフクザツだべ。」
幽「こういうの何て言うんだっけかな。本末バク転だっけ?」
蔵「何最後だけは格好良く決めようとしてんですか。いいからちゃんと時間までに提出してくださいねー。」
一同『はーい。』
蔵「・・・・・なーんてやりとりが先週あったんですよ。思い出したでしょ?」
幽「思い出したって言うか思い出させられたって言うか・・・」
飛「無理矢理そういう事にさせられている様な・・・」
陣「この時の記憶っていつだべ?」
蔵「先週の金曜日の零時間目の事です♪」
鈴駒(零時間目って何!?)
死(言うか先週の金曜は祝日で学校休みだったはず・・・!!)
陣「つまり描いた事も忘れるくらい集中してたって事だべ!」
凍「・・・そうだな・・・それが前向きな考え方の現実逃避だな・・・」
飛「そして何故また貴様がいる・・・」
躯「暇だし退屈だし昆布だし。」
陣「昆布?」
凍「嘘でもいいから『授業が無い』とか『今後の授業の参考に』とか言えないのか・・・」
躯「オレ根が正直だから。」
死「と言うか何だこの教室は・・・」
鈴駒「えー、この文章をご覧になってくださっている皆様へ。文字では伝わらないと思いますがこの教室なんか
結界とか魔法陣とかで完全に外界と隔離された世界になってる気がします。」
蔵「何言ってるんですか、ここさっきと同じ美術室ですよ?さっきと違うのは皆さんの絵を壁に貼った事だけですよ?
まだお披露目前なんで、皆さんの絵は暗幕で隠してありますが。」
鈴駒「何?オイラ達の絵って次元をも超越するの?」
死「これは何かを召喚する儀式か?それとも何かを封じる儀式か?」
幽「この絵から出てる禍々しいオーラなら『通行止め』の立て看板の頂点に君臨できるわな。」
蔵「その前に誰も寄りつかないでしょv」
鈴駒「その笑顔でこの空白の記憶の謎を闇に彼方に消して良いのかな・・・?」
凍「消すんだ。そうしないと俺達が消されそうだ。」
陣「じゃあこの空白の記憶は『チョココロネは頭とケツのどちらから食うのが最適か』と言う討論をしてた事に・・・」
死「好きな方から食べればいいだろ・・・」
飛「いや、ここは意表を突いて真ん中からと言う手も・・・」
鈴駒「何でコロネ食べるのに意表突かなきゃなんないの。」
蔵「さてと、時間も無い事だしさくさく行きますか。じゃあどの絵にしますかね・・・んー、じゃあの一番右端から。よっと。」
幽「何だよ、もうどっかの異次元に繋がってたのか?あれ画板サイズのブラックホールじゃねぇの?」
飛「失礼な奴だ。」
陣「あれ飛影の絵だべか。」
幽「アレ何描いたんだよ?飛影。」
飛「見て分からんのか。」
蔵「・・・・・・・地球が出来る瞬間?」
鈴駒「ビッグバン!?」
飛「何で俺がそんなものを描かねばならん。と言うか何だその"びっぐばん"と言うのは。」
幽「まぁどっちかと言うと飛影の場合地球の創造に興味があるって言うより地球壊す方が性に合ってるし?」
凍「いや、コレは心象風景を描いているんじゃないか?」
陣「複雑な心境っぽいべ。」
修「昼ドラ並にドロドロしてるね。」
飛「・・・コレは近所の公園を描いたものだ。」
鈴駒「この近所にこんな禍々しい公園あったっけ?」
死「あまりにも公園らしいものが無くて殺風景な感じがするが・・・」
蔵「殺風景と言うか風景殺しって感じですね。」
幽「憩いの場が荒野と化してるぜ。」
躯「そうか?オレはよく描けてると思うぜ?この地獄絵図。特にこのケルベロスと散歩してるサタンが活き活きとしてて。」
飛「それは犬のぬいぐるみを抱えていた幼稚園児だ。」
死「どこが・・・」
鈴駒「顕微鏡で見ても見えないよね。」
幽「"邪眼の力をなめるよ"って言う割には邪眼使っても絵って上手く描けないんだな。」
蔵「邪眼と画力は関係無いですけどね。それに幽助も人の絵の事ばかり言ってられませんよ?何ですかコレは、いくら美術が好きじゃないからと言って
文科省が乗り出すような絵を描く事ないじゃないですか。美術を時間割から排除しろって訴えてるんですか?」幽「他を寄せ付けない芸術っぷりだろ?コレはもう額縁に入れて床の間行きだろ。」
蔵「そうですね、家に取り憑こうとした悪霊が『すみません!!間違えましたっ!!』って言いながら自ら退散する程ですよ。」
凍「防犯にうってつけだな。」
蔵「何ですかね、この『毒を持って毒を制す』みたいな絵は。」
飛「あの何でも鑑定してくれる一団が鑑定拒否する様な一品だな。」
修「いい仕事してないって事だね。」
幽「わっかんねぇ奴らだな、コレは印象派を意識して描いたんだぜ?」
凍「確かに印象は残るな・・・」
蔵「トラウマと言う名の・・・」
飛「フン・・・俺達はプロじゃないんだ。これくらい描ければ上々だろう。」
蔵「いやいや、プロになれますよ。暗殺とかの。」
死「上々と言うか情状酌量の余地が無い・・・」
修「てかコレ何描いたの?」
幽「ズバリ!!やられた借りはきっちり返すぜ!『螢子リターンマッチ2009』だ!!」
バキャ
螢「魔界で何を修行して来たのよ・・・」
死「浦飯の顔が暗黒武術会準決勝最終試合で幻海にボコボコにされた鈴木の顔の様に・・・」
飛「女程怒らせると怖いものはない・・・」
鈴駒「オイラ・・・絶対流石ちゃんの似顔絵描かない・・・」
躯「いい勉強になったろ?間違えた問題はもう一度トライだ。」
死「と言うかその問題に立ち向かおうとした事自体間違いなのでは・・・」
蔵「さて、この暗雲立ちこめる美術室に救いの手が差し伸べられるのか!?このサイトでの空気清浄機陣&凍矢です!」
陣「ほいっ!描いた時は雲一つ無い空だったから青で一生懸命塗っただべ!!」
凍「俺は雪原を描いてみたんだが・・・白い画用紙に白い絵の具を塗ったら真っ白になってしまった。」
幽「今春だぜ?」
蔵「実に二人らしい裏表も汚れも無い澄んだ絵ですね。実にすっきり喉越し爽やかです。」
鈴駒「上手くまとめちゃったよこの人。」
幽「蔵馬ちょっとひいきじゃねぇの?」
蔵「ひいきじゃありませんよ。えこひいきですよ。」
修「管理人の好み丸出しだね。」
飛「ただ一色で画用紙塗りつぶしただけだろ。だったら俺達の方が努力賞ものだ。」
蔵「貴方達はもっと力を抜くべきでしたよ。色んな意味で。」
幽「陣と凍矢には悪いが、俺達のコレは学校の美術室だけに留めておけるレベルじゃねぇよ。人に見せるべきだ。」
蔵「そうですね。祈祷師とかエクソシストの方とか。」
死「いや、むしろ魔除けになるだろ。」
鈴駒「もうオイラ何かエクトプラズム出せそうな気がするんだけど。」
蔵「幽助もさっき螢子ちゃんに右のストレート喰らってエクトプラズム出かけてましたね。」
陣「えくとぷらずむ?」
鈴駒「口からもわ〜って出る奴。」
陣「ああ、酎がよく出してる。」
鈴駒「アレはゲップ。」
死「で?鈴駒はどんなのを描いたんだ?」
幽「ふっ、どんな絵だろうと俺の一枚には敵うまい。」
蔵「勝っても嬉しくないでしょ。」
鈴駒「ベタだけど校庭にある花壇一帯を描きました。今色んな植物が咲く頃だし。」
修「わぁ、さっきまでの絵とは劇的に違うね!」
凍「・・・すごい・・・!」
死「さすがは鈴駒、手先が器用だな・・・」
蔵「気取らない教室の壁に貼られるに相応しい調和のとれた作品です。」
陣「よく描けてるだな〜。色んな花が描いてあってカラフルだべ。」
凍「これは何という花だ?」
鈴駒「さぁ・・・プレートとか無かったから分かんない。」
蔵「ああ、その花まだ名前無いんです。」
死「まだって・・・?」
蔵「俺が勤務時間内にコツコツ栽培した花ですから。」
飛「せめて勤務時間外に作れ・・・」
躯「学校の憩いの場に物騒な植物植えるなよ。」
凍「アンタも百足で通勤してくるのはちょっと・・・」
幽「大丈夫なのか?蔵馬が扱うような花を学校の花壇に植えて・・・」
死「毒性とか生態系への影響とか栽培してる人物とか。」
蔵「そんな警戒しなくていいですよ。コレ食用でも大丈夫ですから。生き証人にもちゃんといます。」
凍「生き証人って・・・」
蔵「えっと、俺の日記によれば皆さんの修行13日目のお昼ご飯に出したのが最初ですね。」
鈴駒「金曜日だったあああ!!」
酎「おいおい、鈴駒『ムンクの叫び』みたいな顔になってるぞ。題して『鈴駒の叫び』。」
鈴木「何だ何だお前達の絵は。いくら美に縁がないからってここまで惨たらしい絵を描くとは。」
飛「また面倒な奴らが乱入してきやがった・・・」
酎「やっぱりここはオトナの男の作品が必要だな。子供に芸術の何たるかはまだ早いぜ。」
死「お前等は手遅れだと思うが?」
鈴木「私の絵に心振るわせて感動の涙を流すがいい!」
死「誰か洗面器。」
鈴駒「保健室のベッド空いてるか聞いてくる。」
鈴木「見もしないで吐いて横になる用意とは失敬な。」
死「どうせお前の自画像だろ。」
鈴木「ノン!勿論最初はこの美貌をキャンパスに描かずして何を描くと思い筆を取ったのだが、いざ描こうと思うと
美しすぎて私の画力では力不足なのだ。」
鈴駒「アンタ保健室で視力検査してきなよ。」
凍「それで結局何を・・・」
鈴木「うむ!刺繍にしてみたのだ!どうだ!」
幽「無駄にすげっ!」
陣「ミシンで縫っただか?」
鈴木「全て手縫いだ!まさに家内制手工業!」
蔵「コレ美術の授業なんですけどね。」
鈴木「何も紙に絵の具で描くだけが美術ではない。世界の全てがキャンバスだ!」
幽「言ってるスケールはでけぇけどやってる事は結構ファンシーだな。」
蔵「ファンシーですかね?」
凍「画材何も使ってないだろ・・・」
鈴木「失敬な!チャコペンを使っている!ちなみにアイロンで消えるタイプだ!」
鈴駒「完璧に家庭科じゃんよ。チャコペンって懐かしいよ。」
死「いいじゃないか、鈴木の言うとおりだ。壁に飾るだけが美術ではない。見事じゃないか、実にいい。」
鈴木「死々若・・・!初めて私の作品を褒めてくれたな・・・!!今度はお前のも作るから楽しみに・・・!!」
死「学期末の大掃除のクレンザーで床の汚れを磨いた後拭くのに最適じゃないか。お前の顔かと思うとゴシゴシ磨きたくなる。」
修「教室の床って消しゴムのカスとかで見た目以上に汚れてるもんね。」
鈴木「私の傑作を掃除に使うな!使うなら死々若の体を拭く時だけだ!!」
斬!!
鈴駒「あーあ、また床が・・・」
凍「ウチの教室はどちらかと言うと赤いシミが目に付くんだが・・・」
陣「学期末の大掃除が超掃除にグレードアップだべ。」
飛「全く・・・誰が掃除をすると思ってるんだ。」
蔵「貴方達以外のクラスメートですよ。」
死「全く、珍しく役に立たせてやろうと思う物を作ったと思ったら・・・」
陣「さっそく今使うだべ。雑巾だべ?コレ。」
鈴木「ハンカチーフだ!時に死々若!人の作品はさておきちゃんと私が身悶えする自分の裸体を描いたのだろうな!?着衣はNo!!」
バシャッ(墨を付ける音) バンッ(紙に顔を押しつける音) パッ(紙から顔を離す音)
死「お前の顔拓完成。良かったな、お前が描けなかった正面図が一発で完成だ。」
鈴木「す、墨絵風の私も美しい・・・」
鈴駒「墨絵って言うより『飾るなら隅っこに貼った方がいい絵』だね。」
酎「だったらホレ、俺の自画像(裸体)の方がいいだろ。琴線に触れる名画だろ?惚れるなよ?」
鈴駒「法に触れるわ。」
陣「酎ちょっと美化入ってるべ。」
死「ちょっとどころじゃないだろ。完全に別物だろ。」
凍「酔っ払ったまま描くから・・・」
酎「俺は酔拳使いだ。酔えば酔うほどカッコよくなる!」
飛「酔えば酔うほど酒臭くなるだけだろ。」
鈴木「大体貴様はもっと描くべき重要なテーマがあるだろう!自分の頭部を描き『酸性雨による森林が枯れてしまうから緑を大切に』とな!」
酎「俺のこの髪型は自分の意志だっつーの!!自分の決めた道なんだよ!」
陣「自滅?」
蔵「因果関係は無いかもですがお酒控えた方が・・・」
酎「俺がよもやの状態になったらテメェ等の髪でエクステ作ってやるからな・・・」
蔵「はいはい、一通り皆さんの力作を見せていただきましたが何とも評価を付けるのが難しいですね。
言うなればたこ焼き食べて歯に一片の欠片も青のりを付けずに食べるくらい難しいです。」
酎「神の領域じゃねぇか!!」
陣「神様たこ焼き食うべか?」
黄「待て待て、まだ私達親子の作品が残っているぞ。」
蔵「あれ?黄泉いたんですか?」
黄「いたわ!!最新式の頭伝針が仇になって見るに耐えない惨劇だったから絶句していたのだ!口直しに見ろ!私の素晴らしき自画像を!」
蔵「指名手配犯を描いて指名手配されてどうするんですか。」
黄「誰が指名手配犯だ。ちゃんと凝視しろ。私の渋さとダンディズムを感じさせつつ、表現技法を取り入れた独創的な絵だろ?」
躯「独創と言うより独走って感じだが?」
黄「人とは違った絵だろ?」
蔵「確かに人間業とは思えない絵です。」
鈴駒「まぁ妖怪なんだけどね。」
黄「これだから美的センスの無い者は困るのだ。若造にはこの魅力が分かるまい。」
躯「オレにはきっぱりさっぱり分からん。」
飛「堂々の七不思議入りだ。」
凍「随分後になって名画と呼ばれる作品もあるが・・・」
死「コレは永遠に呼ばれないな。」
蔵「回転寿司に行って自分の食べたいネタが回ってこない時の様な虚無感を覚えますね。」
黄「注文すればいいだろうが。いなりだろ。」
蔵「不思議な事にあなたと食べに行くと大トロとかうにとかを食べたくなるんです。あと裏メニュー。」
鈴木「みそ汁もな!!」
黄「知るか!」
蔵「もっと言えば血吸われた後に蚊を仕留めた時の様なやるせなさを感じますね。」
黄「まだ言うか。」
蔵「・・・スーパーで晩のおかずにとカゴに入れたお総菜がもう一周して来てみたら割引シールが貼られていた時に似た
やるせなさを感じさせる絵ですね。」
鈴駒「いっその事『下手』とか『描き直し』って言われた方が清々しいね。」
躯「ン千年生きてこの程度か・・・」
黄「貴様も大した画力なぞ持ち合わせていないだろうが!人のこと言えんだろうが!」
躯「オレの実力を見てから言うんだな。まずその辺の壁に適当に黄泉を押しつけて・・・」 ボンッ!!
黄「ごふっ!!」
躯「そこに額縁をあてはめれば額からはみ出して見えるトリックアートの完成だ。」
黄「芸術の域からはみ出てるわ!トリック
幽「おお、立体的だ。」
黄「立体じゃなくて立件ものだ!」
蔵「修羅は何を描きましたかー?」
黄「無視かあああ!!」
修「あのね、パパ描こうとしたらちょうどテレビで『牛乳パックで作るはがき』って言うのをやってたから作ってみたの!」
黄「え・・・?修羅・・・?パパ・・・描いてくれたんじゃないの・・・?結構ポーズ取るの頑張ったのに・・・?」
陣「あっ!黄泉がハガキのようにペラペラに・・・!!」
凍「修羅の年齢だと『美術』と言うより『図工』だからな・・・」
修「でね、サンタさんに今年のプレゼントのお願いを描いて出そうと思って。」
躯「そうだな、サンタも年末年始は何かと忙しいだろうから早めにお願いしておくといいかもな・・・?」
修「でもサンタさんの住所ってどこなの?」
蔵「サンタさんの住所は秘密にさています。だから癌陀羅の郵便局の私書箱宛に送ればいいんですよ。」
修「ししょばこ?」
蔵「修羅はお願いだけ書いて下さい。住所は俺が書いて出してきてあげますよ。」
躯「じゃあオレも書こう。『来年もお年玉いっぱい奪います。』と。」
黄「子供が作ったいたけなハガキを脅迫状にするな!」
酎「いいじゃねぇか。昨今メールが普及して手紙とかハガキ出す機会あんまねぇからよ。」
黄「年賀状一枚寄越した事ないくせに・・・」
飛「便りがないのは元気な証拠だ。と言うわけで俺も出す。」
黄「せめて切手くらい貼れ!!」
蔵「と言うわけで、今回の優秀賞は修羅と鈴駒という事で。」
黄「くっ・・・!!お前等なんか牛乳飲んでる時にくだらないギャグで鼻から牛乳吹き出せばいいんだあああ!!」
幽「あっ、黄泉が泣きながら明後日の方向へ・・・」
酎「親父がグレてどうするよ。」
修「パパー!明日の朝飲む牛乳ないから買ってきてねー!」
陣「あ、方向転換したべ。」
凍「スーパーの方に向かって行ったな・・・」
蔵「コレで明日の朝食もバッチリです。」
鈴駒「誰も黄泉の心配しないんだね。」
死「朝食は大事だ。一日の原動力だからな。」
蔵「いやしかしホント、このやりとりが字で良かったですね。これが絵だったらモザイクだらけですから・・・
ある芸術家が二人いました。一人は『芸術は後々にまで続く永久の美』と言い、もう一人は『芸術は儚く散る一瞬の美』と・・・ 」
鈴駒「先生、逃避しないでください。目逸らさないで下さい。」
蔵「まぁ総括して言えるのは自分の教え子の中から世界を支配する子がいたって事ですかね・・・」
陣「それって褒めてるだか?」
凍「流せ、陣・・・」
蔵「兎にも角にも豚の角煮もコレで今日の授業は終わりですね。」
陣「角煮?」
凍「だから流せ、陣・・・」
幽「コレで一日分かよ?どんだけ時間経過してると思ってんだよ。」
飛「まったく・・・誰のせいでこんな事になったと思っている。」
幽「オメェだろうが。」
蔵「ダブルの効果六時間ですよ。」
蔵「と言うか・・・コレが最後の授業の産物かと思うと名残惜しいものですね・・・」
陣「最後?」
蔵「皆さん今日で卒業です。」
一同『えっ?』
・・・次回、感動(するワケは無い)の卒業へ・・・!!