『−43 −−ICE CREAM−−』

蔵「いやー、今年の夏は観測史記録塗り替えまくりの暑すぎる夏でしたねー。皆さん夏バテしませんでしたかー?」

陣「暑くても元気はつらつオロナミン○だべ!」

酎「俺はとりあえず酒がたんまりあれば猛暑も極寒も乗り切るわ。」

鈴木「やれやれ、今年の暑さは本当に厳しくてUVが大変だったぞ。私の肌は赤ちゃんよりデリケートなのだぞ。」

蔵「ほんと、地球温暖化対策をもっと真剣に考えないといけないですよね。」

凍「・・・・・で?」

鈴駒「何で・・・」

死「アイス屋なんぞやらねばならんのだ・・・」

蔵「いやー、この夏暑かったから出費いろいろかさんじゃいまして。」

鈴駒「別に蔵馬出費してないじゃん。出費させられてるの黄泉じゃん。」

死「しかも黄泉の知らない所でな。」

蔵「隠してるワケじゃないですよ。そっとしておいてあげてるんです。『言わぬが華』とも言うでしょ?」

凍「闇よりも深い闇取引だな・・・」

蔵「失敬な。たまにはちゃんと黄泉に恩返しもしてるんですよ?先日も特上うなぎおごったんですよ?しかも高級梅干しもセットで。」

鈴駒「組み合わせが嫌がらせじゃんよ。」

蔵「嫌だなー、医学的にはなんら問題ないそうですよ?先人の知恵ではありますが。」

死「黄泉の胃腸の状態なんぞどうでもいいが、何故俺達がこんな事をせねばならんのだと聞いている。」

蔵「だって冷やしたり凍らせたりするのは凍矢がいればタダだし、原材料は俺が半分以上自前で出せるし、人件費は・・・ねぇ?」

死「ねぇ?じゃないだろ、ねぇ?じゃ。」

鈴駒「何でまたアイスなのよ?」

蔵「夏だからです。」

凍・死「とっくに終わったぞ。」

蔵「それは管理人がちんたらしてるからですよ。この構想自体は夏に出来てたのに、暑さで倒れるわ、絵描くの遅いわで

あれよあれよと言う間に秋になってしまっていたんですね。」

鈴木「情けない奴だな、全く。」

凍「鍛え方がなっとらんのだ。」

鈴駒「待たせすぎにも程があるよね。」

蔵「まぁ、それはそれとして。フレーバーは俺に任せてください。43アイスの名に恥じない様に品揃え豊富ですよv」

陣「ふぇー、いっぱいあんだなー。バニラにストロベリーにチョコチップ・・・」

蔵「ええ、スタンダードなものから季節モノ、それに俺の秘蔵の植物とか・・・」

鈴駒「アンタの植物禁止!!」

蔵「え?どうしてです?ソフトクリームだってラベンダーとかあるし、アイスだってミントとかあるじゃないですか。」

鈴駒「それは食用!アンタのはショック死用!!」

蔵「やだな、ちゃんと食用ですよ。人間頑張れば大抵の物は喉を通す事ができる筈です。」

鈴駒「やめて。そんな物騒すぎるフレーバーは。」

死「永久に門外不出にしとけ・・・」

蔵「えー?全国にはいろんな変わり種のアイスとかソフトクリームとかあるじゃないですか。」

凍「お前のは変わり種じゃなくて変わった種が入ってるんだろ・・・」

酎「変わってるだけで済めばいいけどな。」

鈴駒「半分以上が食べてはいけないフレーバー・・・」

凍「一番任せてはいけない事を一番任せてはいけない人物に・・・」

蔵「はいっ!弱音泣き言戯れ言言っていてもきりは無し!ビシバシ売ってくださいねv」

鈴駒「誰かこのスパルタよりスパルタな人何とかして・・・」

凍「出来るものならとっくに何とかしている・・・」













鈴駒「ありがとうございましたー。」

凍「はぁ・・・何故こんな事を・・・」

陣「でも凍矢何気にぴったりだべv」

死「しかしアイスもそうだがこのソフトクリームをねじりながらと言おうか巻くというか、案外難しいものだな。」

陣「だべな。一歩間違えたら取り返しのつかないフォルムになるだからな。」

酎「とぐ・・・」

凍・死・鈴駒「絶対言うなよ。」

鈴木「私に任せろ!こういうのは大得意だ!見ろ!ほっほっほ!」

死「ほぉー、珍しくまともになかなかな事をするじゃないか。」

鈴木「コツさえ掴めばOKだぞ!死々若の着物の帯で『あ〜れ〜お代官様〜』をやる時の要領だ!」

斬!!

陣「なるほどー。死々若ちょっと帯くるくるやっていいだか?練習したいだ。」

「斬るぞ?」

鈴木「むー、死々若と凍矢は接客より呼び込みがいいのでは無いか?」

陣「そうだべか?」

鈴駒「てか最近復活早くない?」

鈴木「死々若と凍矢がそれっぽくアイスとか舐めてたらもう・・・vv」

斬!!

鈴駒「人間諦めない事が肝心だけど諦める事も人生には大事だよね。」

鈴木「くっ・・・鈴駒、そんな若い身空で何を悟った様な事を言っている。諦めるなんて簡単に使う言葉ではないぞ。」

鈴駒「アンタは死々若の事諦めなよ。じゃあこういう場合何て言えばいいの?」

鈴木「受け止めると言うのだ。試練も死々若の愛もな!!」

鈴駒「アンタの場合受け止めてるって言うより直撃だよ。てか貫通?」

蔵「コラコラ、皆さん私語が多いですよ。」

ドドドドドド!!

「蔵馬っ!!」

蔵「何です?見せかけだけの店長の黄泉。」

黄「何だあのメニュー表は!!何故私だけアイス一つに四万三千円も払わなければならんのだ!」

蔵「だって黄泉だから・・・」

黄「だったらせいぜい430円だろ!!極めに極めれば43円だ!!」

蔵「嫌です!そんなインパクトの無い値段設定なんか!!」

黄「私の財布にビックバンインパクトだろうが!!滅ぼす気か!?」

蔵「失敬な!最初は『黄泉さま〜ん』って事で43万円にしようとしたんですけどさすがにそれは暴利だと思って桁下げたんですよ!?

感心される覚えはあっても苦情言われる筋合いはありません!」

黄「まだまだ果てしなく暴利だろうが!店長なんだからタダにしろ!」

蔵「店長が先陣を切らないでどうするんですか!」

黄「先に私の堪忍袋がぶち切れるわ!」

蔵「分かりましたよ!アイス食べた後に天ぷらごちそうしてあげますよ!」

黄「お前のせいで弱ってる胃をさらに悲しませる気か!?」

陣「うーん、黄泉が4万3千円なら凍矢は108円だべ♪」

鈴駒「あっ、いいね。お得じゃん。」

「お得・・・!!」

螢「蔵馬君、アイス屋さん始めたんだって?食べに来たよーv」

ぼ「おーおー、どれも美味しそうやね〜。」

雪「いっぱい種類があってどれを選んで良いか迷ってしまいますね。」

蔵「おっと、うるさいオジサンはおいといて。いらっしゃいvどれも冷たくて美味しいですよv」

陣「凍矢の冷気でヒヤヒヤだべv」

ぼ「どれにしよ・・・ん?何だい?この危険マークのヤツは。」

鈴駒「食した人物がいないので安全性が分からないのと、本場韓国キムチより辛くて火を吹く事も夢じゃないような辛いのと、

原産地が不明と言うか果たして地球上の物なのかさえ内緒にされている所から調達した植物のモノなど、

いずれにしても食後の安全、保証、責任は出来かねますのでご了承下さい。」

死「得られるのはせいぜい第一号と言う称号くらいなものだ。」

鈴駒「モノによっては第二号が出る事も無いかもしれないっす。」

ぼ「物騒なフレーバーやね。」

凍「副店長が物騒な者でな。」

鈴木「死々若ーv見ろ見ろ可愛いエプロン作ったぞフリルが可愛いだろvさ、いそいそと脱いで脱いでv」

斬!!

死「店員の一部も物騒でな。」

蔵「螢子ちゃん達は特別ですからシングル料金でダブルにしてあげますよvその代わり、宣伝お願いしますね。」

螢「わぁ、ありがと蔵馬君v」

ぼ「気前がいいさねv」

螢「後で静流さんや温子さんにも言っておくね♪」

雪「私も和真さんにご報告しておきます。」

ぼ「そんじゃああたしはチョコクッキーとキャラメルにしようかね。」

螢「ならあたしはストロベリーとオレンジシャーベットにしよっと。」

雪「バニラとラムレーズンお願いできますか?」

陣「かしこまりましただべ!」

黄「・・・・・・・」

蔵「・・・・・・・」

「差別反対!!」

蔵「特別サービスですよ。女の子の包囲網に当たれば売れますって。」

黄「私から四万三千円も取るなら躯が来たら六万九千六百円取るんだろうな!」

蔵「そんな大それた事出来る人魔界にもいませんよ。」

黄「私からぼったくれるなら躯からも取ってみろ!」

躯「やれるモンならやってみな?」

鈴駒「出来ません。」

躯「修羅への土産と百足の乗組員分に適当に見繕ってくれ。もちろん勉強してくれるんだろ?オレは抹茶な。」

陣「あいよっ。飛影はどれにするだ?」

蔵「すみませんね、飛影。もんじゃアイスは置いて無いんです。八景島にあるとは聞きましたが。」

飛「アイスまでもんじゃにするか。ソフトクリームよこせ。ジャージー乳牛のな。」

鈴駒「はい、おまちどうさん。しめて税込み21262円になります。」

躯「支払いは黄泉にツケておいてくれ。」

「ふざけるな!何で私が貴様等の分まで払わなければならんのだ!?」

躯「ふざけてねぇよ、本気だし。三竦みの仲って事で。よく言うだろ?『金と天下はオレのもの』って。それじゃ。」

黄「・・・・・・・」

酎「あらー、有無言わせなかったな。」

陣「何かジャイアンみたいだったべ。」

死「だが息子の土産代を父親が払うのは至極当然だ。」

黄「よい子の諸君!!正しくは『金は天下の回り物』だからな!日本語は正しくな!!」

鈴駒「でも躯の場合アレで正しいと思うけどね。」

黄「貴様、金稼ぎしてまたろくでもない事する気か?」

蔵「いやー、年末の事考えると今のうちから準備しとこうかなと思いまして。」

黄「まさかまたクリスマスに何かやらかそうとか思ってるんじゃないだろうな・・・」

蔵「やらかしまっしょい!!」

「自分の金で一人でやらかせ!!大体たった二日ぽっち公開するだけ小説にそんな金がかかるんだ!?」

蔵「ほらほら、凍矢達もお年玉が欲しかったら頑張ってくださいね。」

黄「少しは人の嘆願に耳を貸せと言うに・・・」

死「どうでもいいがさっきの料金払え。30000円な。」

「何故増える!?」

鈴駒「税と嫌がらせが込みになっておりまして。」

鈴木「小銭探す手間を省いてやったぞ!三枚福沢さんを出せばOKだ!楽ではないか!」

「一円玉で21262枚きっちり払ってやるわ!」

凍「分かった分かった。真面目にやるから黙るか消えるか消滅するかしてくれ。商売の邪魔だ。」

鈴駒「そだね。コレもボランティアと思えば多少頑張れる気がしてきたよ。」

陣「いっぱい売ったら早く終われるべv」(ペロ)

酎「よしっ。俺はお前等の接客の邪魔にならないようにあっちで酒飲んでるからな!」

鈴駒「ントにこの生涯酔っ払いのオッサンは・・・」

陣「店の前で酔いつぶれていびきかかれるよりはマシだべ。」(ペロ)

凍「陣・・・さっきから何食べてる・・・?」

陣「へ?アイスだけど?ああ、今食ってるのはミントとソーダのダブルだべ。凍矢の髪の色に合わせてみただよv」

凍「・・・・・ほぉ・・・」

陣「いっぱい食べて早く在庫減らすべ!」

凍「陣・・・在庫が減っても売上が出なければ何にもならんのだぞ・・・」

陣「へ?」

凍「・・・鈴木と死々若はどこ行った・・・?」

陣「鈴木と死々若ならほれ、あっちで。」

鈴木「し・し・わ・か〜v見ろこの特製お手製ビューティフルウルトラサンダー鈴木パフェを!」

死「不味い。」

鈴木「一口も食べないで感想先に言うな!てかそのかき氷はどこから持ってきた!?」

死「凍矢に作ってもらった。俺はあっちの木陰でかき氷食べてくる。世界が終わるまで邪魔するなよ鈴木。」

鈴木「そんな!せっかくお前のために作ったのに!!」

陣「あっ、いいなぁ、オラもかき氷食いたいだ。」

酎「凍矢ー、このビールキンキンに冷やしてくれや。ぬるいビールなんてゴムゆるゆるのパンツみてぇなモンだからな。」

鈴駒「酎なんかの尻にあてがわれてる下着を思うと不憫でならないよ。」

鈴木「私は死々若の下着にならなってやってもいいぞv」

死「貴様をはくぐらいならノーパンの方がマシだ。」

凍「・・・・・・」

幽「やっほー。さっきそこで螢子達に会ってさー。何、アイス屋やってんだって?」

桑「何かまけてくれんだって?」

蔵「ダメですよ、アレは女の子特別サービスなんですから。」

桑「桑原和子でーす!」

幽「あたし浦飯幽子でーす!凍矢子ちゃんおまけしてーんv」」

凍「うっ・・・・・・!」

蔵「二人とも果てしなく不気味過ぎですからよしてください。」

死「まったくだ。」

桑「そんなー、秀子ちゃんも若子ちゃんもケチケチしないでさー。」

死「冷やかしなら地獄へ堕ちろ。」

鈴木「そうだそうだ!女装なら死々若にお任せしとけ!!」

「貴様も墜ちろ。」





凍「陣・・・そろそろキレそうなんだが・・・」

陣「おっ?どれだべ?補充してくるだよ♪」

(俺の堪忍袋の緒だよ・・・!!)

陣「凍矢いっぱい頑張ってるだからコレおごりだべvんまいだよこのソフトクリームv」

凍「陣・・・」





(それよりさっきまで食ってた分の金払え・・・・・?)





凍「お前等、ここが正念場なんだぞ?ここで稼いで年末に・・・」

流「やっほーv鈴駒君遊びに来ちゃったv」

鈴駒「あっ、流石ちゃ〜ん!おごるから食べて食べてv何にする?」

流「えっ、いいの?んー、いろいろあって迷っちゃうなぁ。そっちのも美味しそうだし、こっちのも食べてみたいし・・・」

鈴駒「じゃあオイラこれ食べるから流石ちゃんそっち食べなよ。」

流「じゃあそうしよっかvでも鈴駒君仕事中じゃないの?」

鈴駒「いいのいいの、どうせ時給も日給もミジンコの涙程しか出ないんだから♪じゃいってきまーすv」

凍「まだ誰も行っていいなんて言ってないだろ・・・」

陣「まぁまぁ、ちょっとくらいいいべv」

酎「やれやれ、お子様はこれだから・・・あっ!あちらに見えるは棗さん!!棗さーん!!一杯ひっかけに行きませんかー!?」

陣「ありゃありゃ、酎も行っちゃったべ。」

死「いなくなっても問題は無いだろ。」

鈴木「左様!景観的にはむしろいない方が良い!」

死「お前もどっか行ってろ。俺が喜ぶ。」

鈴木「むっ!凍矢、シャツの肩ひもが落ちてるではないか。どれ、私が直して・・・」

斬!!

「何余計に下げてるんだ。」

陣「あっ、死々若ダメだべここで刀振り回しちゃ、ショーケースが血だらけになっちまったべ。

さっき凍矢ガラスピカピカに拭いたばっかりなのに。」

死「セクハラを止める方が鮮血だろ?いや、先決だろ?」

陣「コレとれるだかなー。なぁ、凍矢?」

凍「・・・・・人は何故アイスを喰らう・・・?」

陣「凍矢・・・?」

凍「・・・暑いから?・・・夏だから?・・・そこにアイスがあるから?・・・そんなに体が涼を求めているのか・・・?」

陣「と、凍矢?何か恐いって言うか寒いんだけど・・・」

凍「・・・・・そんなに涼が欲しいなら体ごと冷やしてくれるわ・・・」

陣「何か・・・鼻水垂れてきたんだけど・・・」

凍「お前等全員・・・」













凍れ。







凍「ふぅ・・・今日も一日よく働いたな・・・自分への褒美にハーゲ○ダッツ買って帰るか・・・

そうだ・・・今月は31でハロウィンの限定アイスが出るんだったな・・・

いや、へそくりで沖縄行くか・・・ブルー○ールのアイス食べに・・・」

陣「ありゃ・・・この辺一帯札幌雪祭り会場みたいになってるべ・・・」







-おしまいっ☆-







風羽利様へ捧げる小説がやっと出来ました!

ごめんなさい・・・ひくっ・・・遅くて・・・遅すぎて・・・ヒック・・・

アイスやソフトクリームより焼き芋とか肉まんとかの方がベストマッチな季節になってまで

遅れて・・・うっ・・・肉まんよりあんまんが好きだな・・・ひくっ・・・(←アホ

最初店名は『43ICE CREAM』ではなくて『癌陀羅貢賭亜胃酢』にしようと思ってましたが、

店長は黄泉様だよねと思ったら前者が思い浮かんだのであります・・・

(絵に付随する小説にしようと思ったら限りなく繋がってない気がしますが・・・)

この小説は風羽利様に捧げさせていただきます!お召し上がり下さいませ!!

お残しはバリバリOKです!