蔵馬の『癌陀羅日記』



○月○日(月)天気 癌陀羅晴れ

今日から日記を付けてみる事にした。みんなに見られるのはちょっと恥ずかしいけど。

俺が黄泉の軍事参謀になった頃かな、修羅を紹介されたのは。

黄泉にあまり似ないで可愛いなぁ、良かったなぁと思った。

ただ一つ問題が。

修羅が黄泉の事を"パパ"って呼んでる事だと思うんですよね。

修羅が"父上"とか"お父様"って言うのは不自然だからいいけど、

問題は修羅が"パパ"と呼んでいるのか、黄泉が"パパ"と言わせているのか、それが問題だ。

そのうちエスカレートして"ダディ"とか呼ばせる気じゃないだろうな。

あんな血の気の多かった奴が果たして子育てなんか出来るのかと思ったけど、これが意外と熱心だった。

修羅がまだ生まれたてで、ちょっとした事で泣いちゃった時も、

「いないいないばぁ〜♪」をやって笑わせていた。

黙ってても笑える顔だけれど。

ご飯食べさせる時も、

「あ〜んvv」って食べさせていた。

黄泉の「あ〜んvv」は食欲が減退するけど。

修羅が夜泣きした時も、

「ねんねんころ〜り〜よ〜♪」と、子守歌を歌っていた。

不気味極まりなくて夜泣きがエスカレートしたけど。

何だかんだでちゃんと子育てしてたと思うんだ。

黄泉も息子を持った事でいろいろ変化があったんだと思う。

変化って言うか親バカになっただけだけど。

雷禅はこんな感じじゃないだろうしな・・・

普通に全面戦争してたら癌陀羅が勝つ要素無かったと思うな。国王がこんな親バカじゃね・・・

修羅と会話してる時「でちゅよーvv」とか「でちゅかー?」が時折混じってたしね・・・

あの頃は本当に癌陀羅に未来は無いと思っちゃったよ。

それにあんな親バカに支配される魔界も人間界もゴメンでしょ?

そうそう、昨日修羅が黄泉に

「もうパパとは一緒にお風呂に入らない」宣言をした。

その瞬間癌陀羅が崩壊するんじゃないかと思うような絶叫が国中にこだました。








★月☆日(火)天気 晴れ時々黄泉の涙 

今日は陣達について一人一人俺の感想みたいな物を語ろうと思う。

まずは鈴駒から。

あの六人の中でぱっと見一番子供だけど、意外と大人な陣達よりは大人だと思う。

最近はちょくちょく流石ちゃんとデートしに行ってるみたいだし。

でもやっぱりまだまだ子供だから、環境次第でどんどん変わって行くと思う。

人の人格形成は自分を取り巻く人によって大きく変わるものだからね。

出来れば、陣の純粋さと、凍矢の真面目さと、死々若の優美さと俺の繊細さを見習って、

酎の酒癖の悪さと鈴木の変態実験魂は決して影響を受けず、すくすく成長していって欲しいと思う。

お次は酎。

一言で言って酒臭いと言うか酎臭い。

血管の中も酒が流れてるんじゃないかと思うよ。

酒臭いと言えば酎、酎と言えば酒臭いと言った感じ?何かの公式みたいだけど

絶対テストには出ないから心配ご無用。

たまに

「酎、もう少し酒控えた方がいいんじゃないか?」と諭すんだけど、

「心配いらねぇ!!こんくらいじゃ飲んだウチにも入らねーよ!!」

・・・いや、君の肝臓の心配をしてるんじゃなくて、酒の匂いが部屋に充満しすぎて

困ってるから言ってるんだけどね。

次は凍矢。

敵ながらあんなに嫌悪感を抱かせない相手は珍しい。

戦ってみたい相手と言うより、じっくり話してみたいって感じだったな。

実際に戦ってみても、純粋で真っ直ぐで自分自身の戦いにおいては一切汚れが無いって

言うのかな?そういうトコは陣にも共通して言える事なんだけどね。

正直、学生やってたら幽助達より真面目に生活してると思うんだけど・・・

絶対制服のホックは外さないと思うんだ。

うーん、ブレザーもいいけどどっちかと言うと学ランの方が似合うと思うんだけど

みんなはどうかな?

誰だい?セーラー服の方がいいと思ってるのは?凍矢に魔笛散弾射くらっちゃうよ?

続いて陣。

性格的には凍矢に似る所が多いけど根本的に違う気がする。

陣は底なしに明るいからね。凍矢も陣の影響をもっと受ければ・・・

いや、ほどほどの方がいいね。その方がバランスがいい。

爽やかさだったら俺の知ってる奴の中では一番かもね。

本当に魔忍なのかがとっても気になるくらいだけど。

卑怯な事は絶対にしないトコが好きなんだよね。誰かさんと違って。

ちなみにまた話は戻る様な感じだけど、陣にはブレザーが似合うと思うんだよね。

ちゃんと締められないネクタイを凍矢に直してもらう姿想像しちゃいません?

次は死々若だね。

やはり着物着て剣士だから立ち居振る舞いが綺麗だね。

暗黒武術会いいイケメンアンケートなんてやったら間違いなくベスト3に入るね。

一位が俺、二位が死々若、三位が凍矢・・・と言った感じに・・・

はいvここで『それは女顔アンケートの結果でしょう!!』と思った貴女に華厳裂斬肢vv

はは、冗談ですよ冗談vvちなみにそこに黄泉が倒れてますけどお気になさらずスルーしてくださいねv

なかなか素直な性格じゃないみたいだから彼と親しくなるのは時間がかかるだろうね。

でも特訓中はよく鈴木の肩にのっかってる姿をよく見たけど、何だかんだで鈴木がお気に入り・・・

斬!

・・・死々若、人の日記に刀を突き刺してはいけませんよ?まだ書いて二日目の日記帳を。

最後は鈴木だね。

彼についてはノーコメントで行きたいと言うか、語ったら語ったでとてもこのページには

収まりきらない位書かなきゃいけないってぐらい言いたい事があるし・・・

あ、鈴木に後であの薬の材料もらわなきゃ。この薬草も渡しておかないと・・・

あっ!コラ、みんな人の日記を覗くなんてプライバシーの侵害ですよ!

あーあ、今日は鈴駒達が妨害するからここまでにしておくね。また明日☆








?月!日(水)天気 修羅の雷、ところにより黄泉の涙

今日は何を書こうかな・・・

また変な事書くとみんなに妨害されちゃうし・・・

じゃあリクエストにお答えしてまた過去話でもしちゃおうかな?

えっ?誰もリクエストしてない?またまた〜vv

そんな変な過去話はしませんよ、黄泉以外のは。



あの日、修羅がお腹減ったーと言うのでおやつを作ってあげる事にした。(陣もだけど)

たまたまホットケーキミックスがあったのでホットケーキを作ってあげる事にした。

問題は誰が作るかと言う事だ。

運が悪いと言うかタイミングが悪いと言うか、悲しくもその場に凍矢がいなくてね・・・

誰が作るかって問題になったんだよね・・・




「誰が作る?オイラあんまり写真みたいにきれーに焼く自信は無いよ。」

「ならば!そのイメージのホットケーキより圧倒的に美しいこの私が!!」

「ホットケーキに変態を入れるな。ちなみに俺は作った事はない。」

「オラは凍矢が焼いてくれるのいつも見てたべ。」

「俺はどっちかっつーとホットケーキよりどらやきの方がいいな。」

「ねぇ早く作ってよ〜。」

「分かりました。ここは一人一枚ずつ焼きましょう。そして無事に焼けたものを修羅にあげましょう。」

「無事って・・・」

-10数分後-

・CASET 陣

「ほいっ!できたべ!」

「あらー。ずいぶんしっかり焦げましたね。」

「ちょっと焼きすぎちまったべ。」

「うん。コレがレバーだったら丁度いい焼き具合だったね。」


・CASEU 死々若

「作った事も食べた事も無いのでこんな風に出来た。」

「ホットケーキにフルーツってのは分かるんだけどさ。」

「何でホットケーキに野菜がのってんだよ!?」

「お好み焼きの要領で作ってみたんだが・・・」

「作ってみるべきじゃなかったね・・・」

「コレソース付けて食えねーだかな?」


・CASEV 酎

「てぃっ!!コレが俺の傑作でぃ!!」

「まぁ、材料的にはホットケーキなんだろうけどさ、見た目的にスクランブルエッグなのは何故?」

「ああ、ひっくり返すときに失敗してよ。まぁ、味は問題無いぜ。」

「問題無いと言うが・・・なんかすごい酒臭いぞ・・・?」

「ん?ああ、ブランデーケーキってあるだろ?だからそれをヒントに牛乳の代わりにブランデー突っ込んだのよ。」

「・・・もう・・・何も突っ込むまい・・・」


・CASEW 鈴駒

「ほい。コレがオイラの作ったホットケーキだよ〜ん。」

「うん。可もなく不可もなく素晴らしく美味いとも言える代物でも拒絶する様な代物でも無い絶妙なホットケーキですね。」

「これなら僕食べられるかもvv」

「と言うかそれにした方がいいですね。」

「ちょっと待ったぁ!!まだ私の披露してないではないか!!」

「お前のが食べられるワケないだろう。」

「失敬な!こう見えても薬の調合は大の得意だ!!」

「大迷惑な!!」

「えーい!ならば私の特製メープルシロップおまけだ!!」

「ああ!!食べられなくなっちゃった〜・・・」

「心配いらん!しっかり美味いぞ!ほら!こんなに綺麗に焼けてるだろ!!」

「ちょっと!台所中にあるビンだの箱だの何!?」

「ちょっとウフフvvな薬に決まってるだろ!!」

「ウフフってどんな事になるだ?」

「舐めてみれば分かるさ。」

「んじゃちょっと・・・」

「舐めるな!!」

果たして。

ホットケーキを作ろうとした事が間違いだったのか・・・

鈴木に作らせたのが間違いだったのか・・・

俺が作らなかったのが間違いだったのか・・・

とにかく、その日のおやつは凍矢が作ってくれたシャーベットになりましたとさ。








@月∇日(木)天気 黄泉の涙

何かふと思ったんだけど、自分の日記に自分の事あんまり書いてない気が・・・

今日は普段お世話になってるパパのためにって修羅がみんなで食事をしたいと言った。

さすがの教育の賜だね。

そんな修羅の気持ち汲んで、俺も最高級のホテルを予約した。黄泉の貯金名義で。

それはそれは黄泉は感涙の嵐でしたよvv

よかったですねvv父親想いの息子と、上司想いの部下と、同僚想いの俺がいて。

おいしかったなぁ、キャビアにフォアグラ・・・

子牛のソテーも最高でしたね。

毎月一回はこういった『パパ孝行パーティ』があってもいいですねvv黄泉のお金でvv

幽助は中華がいいって言ってたな・・・上海ガニとか?

螢子ちゃん達はケーキバイキング・・・

陣達は時間無制限バイキング行きたいって言ってたし・・・

予約は早めにやっておかないとね☆








÷月±日(金)天気 俺の心はスカイブルー

すっかり過去トークになっちゃったけどまぁ結果オーライ?

副業で童話書いてるんだけど、最近スランプ気味なんですよねー・・・

やっぱり俺をモデルにして書かないとダメなのかなー・・・



以前、全面戦争に向けて癌陀羅国内の士気を高めようと戦隊を結成しようとした時も、あまりいい

戦隊思いつかなかったしなー・・・

幽助が半分冗談、半分本気で結成しようとした『雷禅戦隊 ハゲてんジャー』に対抗するつもりで

発足させようとした『癌陀羅戦隊 黄泉レンジャー』もいまいち不発だったし・・・

団結するどころか崩壊すれすれだったし・・・

確かにコスチュームに問題があったからな・・・

鈴駒はアメリカンスタイルだし、死々若は和装だし、鈴木は無国籍って言うか無節操だし・・・

あの六人に共通する服なんてあるのかなって、いろいろ考えてみたんだけど・・・

新選組とか、アニマル系とか、戦隊ものの基本のピッチピチスーツとか・・・

あんまり六人一致するものが無いからとは言え、服装を統一しないのは団結力に欠けるし・・・

と言うわけで。スパイを放って、他の二国を調査したんだけどね、

雷禅のトコは服も髪型(髪型と言うかつるつる)も完全一致でまさに団結と言う言葉を

形にしたと言う感じだね。

躯のトコは飛影がリーダーらしいけど、飛影は素直にそういうのやらないだろうし、

77人をまとめるのも大変だし、77人分の服用意するのも大変だろうな・・・

77色分だもの・・・

百足ワイルドキャナリーとか百足アイシーラセットとか百足ファイティングレッドとか・・・

↑どんな色か調べてみよう!

あっ、ちなみに戦隊名は『躯戦隊 百足ンジャー』って言うのね。

でもリーダーはやっぱり情熱溢れるレッドだよね。でも飛影は下から上、中も黒だろうし・・・

えっ?中って何って?腹黒いって意味じゃないよ?

結局、どの国も解散しちゃったワケだけどね。

うーん、やっぱり組織をまとめるのって難しいね☆








×月−日(土)天気 父と子の触れ合い日和

やっぱり休みは家族サービス。

今日は休みだから親子水入らずで黄泉と修羅と遊ぶ事になった。

いつも組み手とかじゃ芸が無いから人間界の知識の吸収と言う事で、いくつか

スポーツを教える事にした。

やっぱり親と息子の触れ合いと言えばキャッチボールだよね。

「パパ行くよー!!」

「はっはっは!!シュートでもカーブでもどんと来いだ!!」

「修羅ー、デッドボール投げちゃいなさーい!!」

お互い大リーグピッチャーをはるかに凌ぐ球速で見ていて爽快だね☆

特殊強化の窓ガラスもバリンバリン割れていくよ。

あんまり被害が広がるからちょっと種目変更。

コレも定番、休日の父と子の触れ合いと言えばサッカー。

「パパ蹴るよー!」

「ははは!どこからでも来なさい!ただし!直接パパを蹴っちゃいけないよ!!」

「何だ、そうなの?」

「修羅、このボールを蹴るんですよ。」

「うん!じゃあ、いっくよー!!えいっ!!

「はっはっは!魔界のカルロス・ゴーンの後ろを取ってみ・・・ぐおっ!?」

「あれ?ボールが二つ?」

「お?入ったか?オレのドライブシュート。」

「躯すごーい!魔界のジダン!!」

「見事に修羅と躯のボールが黄泉の股間に直撃・・・」

「む・・・むく・・躯・・・貴様・・・反則だぞ・・・」

「ん?ああ、すまん。オフサイドだったか。」

「ダメですよ躯。ちゃんとルール守らないと。」

「PKに・・・オフサイドが・・・あるか・・・」

「あーあ、パパ倒れちゃった。パパー、もっと遊ぼうよ〜。」

「じゃあ、修羅オレが遊んでやろうか?」

「わーいvv遊んで遊んでvv」




あらあら・・・また父親の威厳取られちゃって・・・

本当に仕方がないパパですね・・・








?月!日(日)天気 ゲレンデが溶ける程恋したくなる雪


修羅にクリスマスと言う行事がばれてしまった。(バラしたのは俺なんだけどねv)

ばれちゃったのは仕方ないって事で、早速修羅に何が欲しいか聞いてみた。

「修羅、明日はクリスマスだ。パパが何でも欲しいモノを買ってあげるぞ。何がいい?」

※あんまり、家計とかを攻撃しない程度のモノだぞ修羅!←黄泉の心の叫び

「何がいい?ゲームか?お菓子か?」

「それともパパの貯金通帳がいいかな?」

「蔵馬・・・どこの世界に息子に父親の貯金通帳をあげる親がいる・・・?」

「んとねー、僕ゲームがいい!グリードアイランド!!」

「高いからダメ!!」

「黄泉、言葉は正しく使わないと。"ダメ"なんじゃなくて、"無理"でしょ?」

「ちぇー、僕あれやってみたかったのに〜。」

「おとなしくマリオとかポケモンとか言いなさい。」

「んー、じゃあお菓子!ゴディバチョコレートグランプラスGPL115百人分!!」

「修羅、そういうのでは無くて、こう『パパと一緒にお風呂に入れる券』とか『パパと一緒に遊ぼう券』とか

駄菓子詰め合わせ長靴とか純粋なプレゼントを欲しがってくれないかい?」







「ふぅ・・・育児と言うのはこんなにも壮絶なものだったとはな・・・お前の母親もさぞ苦労しただろうに。」

「失礼な。俺は聞き分けの良い子でしたよ。」

「どうだか。」

「修羅の寝顔可愛いですね。あなたに似てなくて。」

「何を言う。そっくりだろうが。」

「そうですね、やりたい放題のトコとか、人の言う事聞かないトコとか。」

「そうじゃなくて。さらさらな黒髪なトコとか、端正な顔立ちだとか。」

「あっ。枝毛発見。おっ。白髪も結構豊作な事で・・・」

「見るな見つけるな抜き取るな!!」

「じゃあ俺からのプレゼントは育毛剤と白髪染めあげますよ。」

「あのな・・・お前だって息子を持てば白髪の一本や二本・・・ああ、妖狐だからもともと白いか。」

「白じゃなくて銀ですよ、銀。」

で、結局修羅にあげたのはチョコレートの詰め合わせ☆(質より量タイプね)



え?俺は何をもらったかって?(通帳は奪ってないよ?)


それは


内緒です☆






ホント、昔も今もこれからもどうしようもない男ですね、黄泉は。

以上 報告 蔵馬







日記編第三弾と言うか三人目は蔵馬でした!ちなみに、何故躯様・凍矢・死々若・蔵馬の四人の日記なのか?

と言いますと、私が選んだのでは無く、ネタのご意見をいただいた時に書いていたのがこの四名だったので、

日記編の主人公と言いますか、主要キャラは彼らになったんですね。だから飛影・鈴木・黄泉なんて

組み合わせだったかもしれないし、いっそ全員分!なんて事もあったかもなんですねー。

書く側の人間としては四人程度でとどめておいてもらって良かったと内心ほっと・・・