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魔界・・・
この世界に、また新たな戦いの火蓋が斬って落とされようとしていた・・・
in 癌陀羅
蔵「今年もこの季節がやって参りましたね・・・マッチ売りの年末商戦が!!
マッチは我が癌陀羅カンパニーの目玉商品!」
鈴駒「我が社はマッチ以外作ってないの?」
蔵「いえいえ。いろいろ作ってますが一般の方が買える商品はマッチがメインと言う事で。」
死「一体何を扱ってるんだこの会社は・・・」
蔵「さ、それはおいといて。今年も癌陀羅カンパニー、百足株式会社、この二つの
企業の睨み合い状態です。どうすればこの均衡状態から抜け出して一気にトップに躍り出られるか・・・」
鈴駒「躯のトコはどんな作戦でくるの?」
凍「調べによると、去年売上NO.1の百足株式会社は社長の躯を筆頭に、飛影、奇淋、時雨と言った、
買えと言われればNOと言えない販売員が脅威だ。奴らに目を付けられたら買うしか逃れる術は無い。」
鈴駒「あれはもう押し売り通り越して脅し売りの域だよね。」
蔵「社長の躯のカリスマ性は手強いですからね。それに比べてウチの社長ときたら・・・」
酎「社長親バカだからな。」
蔵「全くもってその通りだから困るんですよね。さっ、お給料がマッチの現物支給にならない様に、
全身全霊でマッチを売らないと。」
陣「マッチって近藤マッチ?」
凍「陣、基本的なボケはもう止せ・・・」
鈴木「確かに酎は見た目的に鈴駒を年齢的に外せばこのメンバーはジャニーズすら凌駕できる!!」
蔵「どっちかと言うとあなたは吉本かと・・・」
死「おい、不毛な言い合いはそこまでにしろ。さっさと会議を進めよう。」
鈴木「死々若!コレはマッチの売り込みに必要なPRになるかもしれないのだぞ!」
死「マッチの性能を売り込めと言ってるんだ!!お前を売り込んでどうする!?」
鈴木「心配するな!私とお前のコンビならオリコン一位だ!!」
凍「鈴木、真面目に話し合え。下手すると晩飯のおかずがマッチになってしまうんだぞ!」
陣「マッチってどうやったら美味いんだべ・・・刺身的にしょう油付けてとか?」
鈴駒「食べる気なの!?」
酎「マッチなんか酒の肴になんねーよ。」
凍「お前等どこまで本気だその発言・・・」
鈴駒「まぁこういうのは無視してさ、こんなのはどうかな?マッチにおまけ付けるの。一種類だけじゃなくて、
何種類か作ってコンプリートを目指そうって感じでさ。」
死「じゃあ買ってくれたお客にはもれなく鈴木を贈呈と言うのはどうだ?在庫も鈴木もなくなって
一石二鳥だ。」
鈴駒「お客さんにしたらマッチだけで良いって感じだけどね。」
蔵「うーん、それはお客さんのためと言うより自分のためと言った感じがするのでダメですね。」
陣「んだな。鈴木贈呈って言っても一個しか無いべ。」
死「解体なら任せろ。何個にでも切り分けてやる。」
凍「だからもらっても嬉しくないだろ・・・」
鈴木「失礼な!私をおまけにしてみろ!売上がグラフの上で三段跳びをかます位に伸びると言うに!!」
鈴駒「着地したら高さ0だけどね。」
鈴木「もれなくマッチに私が付いた暁(あかつき)には、購入者に薬局では買えないような薬を提供するぞ!」
凍「そんな物騒なおまけなどいるか!!」
鈴駒「商品に『火事に気を付けて下さい』だけじゃなくて『鈴木に厳戒態勢を敷いて最新の注意を払って下さい。
万が一の場合は警察に電話して下さい。』って書かなきゃいけないじゃない。」
死「そんな不吉な注意書きを見て誰が買うか。」
鈴木「死々若、お前にならタダでくれてやるぞ?」
死「国家予算並の金もらってもいらない。」
陣「んー、じゃあ凍矢を付けるってのはどうだべ?」
凍「お前な・・・」
蔵「確かに・・・マッチは火が付き物ですから消火器としていいかもしれませんね。」
凍「俺は消火器か?」
陣「コレで安心安全だべ!でもずっと持って行かれたらご飯作ってもらえなくなるべ・・・」
蔵「じゃあキャンペーンと言う形で一週間だけとか。」
陣「それいいだなvv」
凍「良くない・・・ちっとも良くない・・・」
蔵「でもおまけが凍矢だけじゃ足りないですよね。次は誰にするか・・・」
酎「すでに物じゃなくて人物になってんな、おまけ。」
蔵「俺的には死々若がいいんですけどね。万能スライサーって感じで。みじん切りからさいの目切り、
極めつけはきゅうりの蛇腹切り。大根のかつらむきも何のそのって。」
陣「それなら長く愛用していただけるだ!」
鈴木「ダメだ!死々若は誰にも渡さない!死々若と縁を切るなんて出来ない!!」
死「心配いらん。最初から縁が無い。」
酎「あっ、蔵馬もいけばいいじゃねぇか。」
蔵「俺ですか?まぁ、リビングにいるだけで絵になる俺ですけど・・・」
鈴木「私などここにいるだけで世界遺産だ!!」
死「静かにしていろ。遺体になりたくなかったらな。」
一方、百足株式会社では・・・
躯「やれやれ、今年もこの季節が来たか。」
飛「ふん。去年通りやれば問題など無い。」
躯「この百足で直接現地販売が出来るから小売業者を通さないので低価格で提供が可能だ。
マッチの軸となる木も直接仕入れているしな。」
飛「買わない奴は殺せばいいんだからな。クレームを付けてきた奴も口封じすればいい。」
奇「飛影、あくまでも高品質・低価格をモットーにしている百足マッチの出来はお前にかかっているのだからな。」
飛「ふん、言われるまでもない。今回の品種改良でこのマッチは俺の黒龍にも匹敵する威力を発揮する事が出来る。」
躯「それは・・・少し過激じゃないのか?」
飛「ふん・・・これ位でちょうどいい・・・」
躯(・・・そうか?)
飛「注意書きは『邪眼の力をなめるなよ』、宣伝文句は『スミクズにしてやる』だ・・・」
時「躯様・・・売れますかな?」
躯「さぁな・・・」
飛「心配無用だ。殺し文句で確実に買わせてみせる・・・」
躯「殺し文句とは?」
飛「『買わない奴は殺す・・・』だ。」
躯「これが本当の殺し文句・・・か?まぁいい、オレ達のマッチで魔界を一つの色に塗り替えてやる。」
そして、決戦の日、クリスマスは静かに訪れたが、街では熱い戦いが繰り広げられていた・・・
幽「へいらっしゃいらっしゃい!マッチはいかがっすかー!!」
飛「ふっ・・・幽助、随分気合いが入ってるじゃないか。」
幽「あたぼうよ、給料かかってるんだからな。なぁ、躯?」
躯「ああ、お前の稼ぎ次第でいい値付けてやるさ。」
黄「浦飯、貴様雷禅の会社の者だろ。何故躯側に付く。」
躯「いいだろ別に。オレがスカウトしたまでだ。」
幽「親父の遺言にも付くなら躯にしとけって言われてるし。」
躯「だいたいこっちの方が人手が足りないんだ。うちの事より自分の所を心配したらどうだ?」
黄「貴様に言われる筋合いは無い。」
幽「おーい、雪菜ちゃん、お客だぜー。」
雪「あ、あの、よろしければマッチ買って頂けませんか?」
黄「えっ・・・」
螢「コレ本当に使いやすいんです!」
黄「いや、その・・・」
ぼ「買っとくれよ~。少しくらいならまけたげるからさ。」
黄「うっ・・・」
雪「だめ・・・ですか?」
黄「いや、私も同業者だから・・・」
雪「・・・・・そんな・・・」←涙目
躯「ちょーっとお客さん、ウチの店員泣かすとはいい度胸じゃないか?」
黄「別に私はただ・・・!!」
飛「貴様、大の大人の男のくせにマッチ一つ買ってやる金もないのか?」
螢「お願いおじさん!」
ぼ「雪菜ちゃん、そんな顔すんじゃないよ、世の中にはもっと景気のいい優しいおじさんがいるさね。」
黄「わ、分かった・・・一箱頂こう・・・」
躯「毎度ありがとうございます。浦飯、マッチ77箱!」
幽「うぃーす!」
黄「一箱と言っただろ!」
躯「オレは77と言う数字が好きなんだ。」
黄「あのな!!」
螢・雪・ぼ「ありがとうございますvv」
躯「またのお越しをお待ちしてやるからな。」
黄「二度と来るか!」
一方、癌陀羅カンパニーは集客力を活かし、駅前に陣達を敷いた・・・
陣「いらっしゃいだべー!今日はマッチが安いだよー!」
酎「マッチ・・・マッチはいりませんか?マッチを買ってください・・・あのマッチを・・・」
オラッそこのリーゼント!!マッチ買えって言ってんだろうがよー!!」
桑「押し売りしてんじゃねぇよ変なハゲ!!この現代にマッチはねぇだろ!!駅前で配る物と言ったらティッシュだろ!!」
酎「ティッシュは鼻かんだらゴミになんだろ!!マッチは燃やせばゴミにはなんねぇ!!環境にエコなんだよ!!」
桑「ティッシュだって焼却場で燃やすわ!!同じだろうが!!どのみち二酸化炭素発生で地球温暖化に拍車かけるわ!!」
酎「わーったよ!!もうお前には売ってやんね!!」
桑「最初からいいって言ってんだろ!!」
酎「ったく、最近の若いモンは・・・おっ!そこ行くクール系の兄ちゃん!!ちょっとコイツで熱くなってみない!?
刃「・・・・・・・・(カチャッ)」
酎「おいおいおいおいおい!人に銃むけんなよ!犬のおまわりさんに習わなかったか!?」
刃「・・・・(カチッ)」←銃口から火
酎「はぁ、便利な物お持ちで・・・」
刃「・・・」←スタスタスタ・・・・
酎「何て俺達とは合わないテンションな野郎だ。」
鈴駒「酎が滅茶苦茶すぎるんだよ、売り方も顔も。」
酎「顔は関係ねぇだろ。おっ、そこの軍服のお兄さん!マッチどう?」
大佐「ふん、私は指パッチンで炎錬成可能だ。」←私の茶目っ気(笑)
中尉「大佐、油売ってないで行きますよ。」
鋼「だから無能って言われるんだよ。」
酎「・・・何か違うだろあいつら・・・うちジャンプだし・・」
鈴駒「それはそうと、なかなかお客さん寄ってきてくれないね。凍矢と死々若目当てに来てる客は多いけど。」
鈴木「やはり酎を引っ込めた方がビジュアル的に良いな。」
死「お前も引っ込んだ方が世のためだ。」
凍「しかし、このままでは百足株式会社に負けてしまうぞ。何か打つ手は・・・」
鈴木「仕方ない!こうなったら最後の手段だ!死々若、セーラー服を着ろ!生足で寒そうなお前を見て
世の男が同情、欲情しマッチを買ってくれるだろう!!もちろん私も買う!!」
斬!!!
死「仕事を増やすな。売上を増やせ。」
熾烈を極める仁義無き、容赦無し二社の戦いに決着は付くのか!?
売上NO.1の栄光はどこの会社の手に!?
乞うご期待!
蔵「どうですかー、新ジャンル開拓のマッチ売りの少女でしょー?」
鈴駒「開拓してどーすんの!?」
凍「これは・・・童話を劇にすると言う趣向じゃなかったのか・・・?」
幽「まぁ、最初から劇って感じじゃなかったけどな。」
黄「おい、何だ、この映画の宣伝みたいな終わりは・・・」
蔵「だから新ジャンルなんですってば。ラストは自分で考えるのも楽しいでしょ?」
躯「そうか?」
凍「これじゃ前半の会議だの俺の悲しみだの何だのの意味が無いだろ・・・」
蔵「形式に囚われすぎるのは良くないですよ?」
鈴駒「マッチ売りの少女の原型が無いって。」
死「今までのだって何一つ原型なんて無かっただろ・・・」
陣「オラ凍矢の主役姿見たかったのに~。」
凍「見んでいい!!」
はい!猿の末裔二周年記念企画ラストの小説、予告通りちょっといつもと違う童話シリーズでした!!
今回はマッチ売りの少女と言う事でしたが、実はほんの少しだけマッチ売りの少女を書いてあったのですよ。
(酎が主人公と言う設定だったりする)
書いてる本人が言うのも何なんですが、
『何じゃこりゃ』ですね。
二社の争いの決着は皆様の脳内で付けてやってください。(笑)
これにて猿の末裔二周年記念企画全て終了いたしました!最後までお付き合い下さり、
ありがとうございました!これからも猿の末裔をよろしくお願いいたします!