蔵『こうして桃若丸と名付けられた赤ん坊は二人の盛大な愛によって育てられすくすくと成長して行きました。
あくまでも愛です愛。哀ではありませんよ?』
飛「何だ。今の回りくどい言い方は。」
躯「失礼な奴だ。まるでオレ達が育児放棄したみたいじゃないか。」
死「だからって教育熱心ってワケでもなかったろ。」
躯「まぁ、桃若丸もこんなに大きくなってあの頃の桃からは想像も出来ないな。」
死「いや、俺は桃から出てきたのであって俺の体が桃で構成されているのではないぞ?
桃から手足生えたら不気味だろうが。」
躯「まぁな。」
飛「だがこの世界とこの面子だと何が起きても不思議ではないな。」
躯「そしたら『まる見え特捜部』に出られるな。」
飛「出たいのか?」
蔵『そんなある日、鬼が都で暴れていると言う噂を耳にしました。』
躯「最近都で鬼が暴れてるらしいな。(せんべいバリボリ)」
死「ふーん・・・(みかんを食いつつ)」
飛「ほぉー・・・(のりせんべいバリボリ)」
黄「完全に興味なしだな。」
修「やる気も無しだね。」
躯「飛影、のりせんべいの海苔だけ先にはがして食うのやめろよ。のりせんべいの意味ないだろうが。」
飛「貴様こそせんべい叩き割ってから食うな。だったらおかき食えおかき。」
死「その前にあんたらせんべいにペットボトルのウーロン茶飲むのやめろよ。」
躯「やだよ、茶入れんの面倒くさい。」
飛「貴様こそしつこくみかんの筋取るな。男なら皮ごと食え。」
死「そんな無茶な・・・」
蔵『ちょっと、鬼の話題から離れすぎですよ。』
飛「別にいいだろ。もう我が家に鬼嫁いるし。(ぼそっ)」
躯「飛影、埋めるぞ?」
飛「・・・・・」
死「どうでもいいけどそんな話どこで聞いてきたんだ?近所に他の家もないし新聞も取ってないのに。」
躯「そういう所に疑問を持つな。いわゆる『主婦の情報網』って奴だ。」
死「お前主婦だったのか・・・」
飛「俺も初めて聞いたな。」
死「あんたらの関係って何なんだ?」
躯「と言うわけでお前鬼退治に行ってそいつらの宝物奪ってこい。鬼の生死は問わん。」
死「お前の発言の方が鬼より鬼らしいぞ・・・」
飛「今頃気付いたのか?」
死「あんたすごいの妻にしたんだな・・・」
躯「親孝行と思って行って来い。オレ達の老後のためにな。」
死「あんたらに老後って言葉必要か?」
蔵『こうして無理矢理鬼退治を決心させられた桃若丸は都に鬼退治に行くことになりました。』
躯「さー、鬼退治らしい格好もしたし、いよいよ鬼退治気分だな。」
死「なぁ、あんたが行った方が早く片が付くんじゃないか?」
躯「年寄りに都まで行けと言うのか?」
死「あんた年寄りか?」
飛「何でもいいからさっさと行って来い。」
躯「おっと、肝心のきび団子を忘れていたな。勇気百倍になるきび団子を近所の団子屋で買ってきた。」
死「自分で作れよ・・・」
飛「それより近所に団子屋があったことに驚きだ。」
死「準備はいいんだが・・・」
躯「何だ?」
死「都と言うが正確に言うとどこなんだ?その前にここはどこなんだ?」」
躯「・・・・・・京都?」
飛「・・・・・・ロンドン?」
死「それは国そのものが違う。」
躯「そんなのどこだっていいんだよ。とにかく早く行って都を鬼から救って宝物奪ってオレ達の貯蓄を潤せ。」
死「そんな身も蓋もない・・・」
蔵『こうして桃若丸は二人のあつーい励ましに後押しされて鬼退治に旅立ちました。』
死「あれは追い出したと言う気もしなくはないが・・まあ、行かないと話が進まないワケだしな ・・・」
蔵『道中桃若丸は犬に出会いました。』
陣「オラ犬だべ。その腰に付けたきび団子くれたらお供になるだ♪」
死「いや、一人で平気だから。」
陣「あうっ!オラお供なるだ!きび団子欲しいだ!くーん・・・」
死「うっ・・・!」
蔵『犬はお供を断った桃若丸にアイ○ルのクーちゃんの様な眼差しを向けました。』
幽「どうする?」
修「アイフル〜。」
黄「ご利用は計画的に。」
死「分かった・・・お供になってくれ。ほら、きび団子。」
陣「わんっvv(はぐはぐ)うまいだなコレ!も一個vv」
死「こら、顔なめるな。くすぐったい。」
鈴木「陣!!私を差し置いて死々若の顔をなめなめするとは良い度胸だな!!死々若!!私にもなめなめ・・・」
死「だから貴様は出番じゃないんだから出てくるな!!(鉄拳)」
鈴木「ああああああ・・・・」
死「いいか?これから都に今の変態を倒しに行くんだ。好きなだけ噛んでいいが腹壊すから食うなよ?」
陣「わんvv」
蔵『こうして犬は桃若丸のお供になり、一人と一匹は都に向かいました。そこへキジが現れました。』
凍「腰に付けたきび団子をくれたらお供になって鬼退治に付いていく。」
死「そうか。じゃあ一つ・・・」
陣(じー・・・・・・・・・・)←熱い眼差し
凍「・・・・半分こしようか?」
陣「いいだか?」
凍「そんな目で見られてダメだと言える自信はない・・・」
陣「さんきゅーだべvvあぐあぐvv」
凍「うん、うまい。」
蔵『こうして二匹目のお供が出来ました。さらに・・・』
鈴駒「そのきび団子くれたらお供になるよ〜。」
死「・・・・・日光猿軍団出身か何か?」
鈴駒「いや、いたって普通の森に住むいわゆる日本猿ってモンだけど。」
死「そうか。それではきび団子を・・・」
陣(じー・・・・・・・・・・)←熱い眼差しパートU
死「分かった・・・残りのきび団子もやるから・・・」
陣「桃若丸は優しいだな〜vv」
鈴駒「オイラももう一個欲しい〜。」
陣「じゃあ半分こvv」
死「なんかお供が出来たと言うより保父になった気がする・・・」
凍「否定出来ないな・・・」
陣「わん?」
蔵『こうして犬・キジ・猿をお供に従え都へと向かいました。』
修「ねーねー、犬とキジと猿で鬼に勝てるの?」
幽「俺もそれ疑問だったけど鈴木が鬼なら圧勝だと思うな。」
死「と言うわけで都に到着したが・・・」
陣「鬼ってどんなだべ?」
凍「・・・・・・普段のお前の姿だぞ?今は犬耳だけど。」
鈴駒「何人くらいいるの?」
死「さぁ・・・」
酎「おらぁ、酒持って来いってんだよ酒ー!!」
鈴木「私の私による私のためのファッションショーを開催するぞ!!さっさと準備しろ愚民ども!!」「
死「一番愚かなのは貴様だろうが。」
鈴駒「鬼ならもう少し鬼らしく暴れて欲しいよね。」
凍「まぁ、大量虐殺とかよりは断然いいだろ。」
陣「アレが鬼だべか。」
死「いや、アレはただの馬鹿だ。」
酎「んあ?何だオメーらは?」
鈴木「この美しくない鬼と美しい鬼の私に何か用か?」
死「どこに美しい鬼がいるって?美しくないのが二匹だろ。」
鈴木「目の前にいるではないか!!」
死「見えんものは見えん。」
酎「お前らは何でぃ?」
死「お前達を退治しに来た。」
鈴木「ふん、所詮貴様も正義だとか平和のためだとか言って私達を倒しに来たのだろう!!」
死「いや、貴様がいなくなると俺が非常に嬉しいので自分の平穏と宝を奪って経済的に不安のない人生を送るために退治しに来た。はっきり言って自分の利益になる事以外はしない主義だ。」
鈴駒「すっごい自分本位なんですけど!?いや、この場合OKだけど!」
鈴木「ふっ、まぁいいだろう。だがここは決戦の場としてはふさわしくない!!鬼ヶ島で決着を着けるとしよう!!!それではまた会おう!!はっ!!←煙幕」
死「げほっ、げほっ・・・何なんだアレは・・・」
凍「何か鬼ヶ島に来いみたいな事を言っていたが・・・」
鈴駒「ぶっちゃけ行くのめんどくさくない?」
死「確かにこれ以上あのアホに付き合わなければならないと思うと悲しくなるな・・・」
陣「なぁ、鬼ヶ島ってどこにあるだ?オラ行ってみたいだ♪」
凍「じゃあ明日行ってみるとするか。」
鈴駒「じゃあ明日の船を見つけなきゃ。」
蔵「あっ、それならモーターボート用意してますから。」
陣「サンキューだべ♪なぁなぁ明日弁当持っていくべvv」
鈴駒「ピクニッじゃないんだけどね・・・」
鈴木「何であいつらはモーターボートなのに私達は足漕ぎなのだ!?」
酎「ったく、大人はアヒルさんボートは乗りにくいっつーの!!」
鈴木「どうせなら死々若と二人ラブラブボートに乗りたいのに!!」
酎「叶わねぇ夢見てねーでさっさと漕げや!あいつら先に鬼ヶ島着いちまうぞ!」
鈴木「酎!貴様足と酒臭いぞ!!」
酎「お前だって化粧くせーよ!!」
蔵『そして翌日。』
陣「んー!いい天気だべ!鬼退治にはもってこいだべvv」
凍「鬼退治にふさわしい日とかあるのか?」
鈴駒「でもこんな天気のいい日は昼寝でもしたいね〜。」
死「そうも言ってられないだろ。早く行って鈴木の息の根を止めたい。」
凍「お前の行動は正義だが言ってることは鬼より鬼だぞ。」
陣「ほんじゃ出ー発!!」
蔵『そんなこんなで鬼ヶ島に出発。』
幽「ようやく行ったな。」
修「長かったね。」
黄「全く段取りがなっとらんな。」
躯「お前は人格がなってない。」
黄「やかましいわ!!」
蔵『そんなこんなで一行は鬼ヶ島に上陸しました。そこへ・・・』
鈴木「よく来たな!!待っていたぞ桃若丸一行!!さぁ、決着をつけようか!!」
陣「ダメだべ!!まず昼ゴハン食うんだべ!!」
死「だそうだ。」
凍「じゃあこの辺にピクニックシートを広げてと・・・」
鈴駒「水筒どこだっけ?」
鈴木「・・・・・・・・・・」
酎「・・・・・・・・・・・」
凍「今日は天気がいいからピクニック日和だな。」
鈴駒「だねー。おにぎりが美味いvv」」
鈴木「貴様らやる気あるのか!?」
死「無い!人の飯時に貴様のツラ見せるな。食欲が減退する。」
鈴木「少しは真面目にやれ!!」
陣「よかったらおにぎり一個あげるだ。」
鈴木「そうか、じゃあ一つ・・・あっ。美味い。」
陣「酎にも一個♪」
酎「いや、悪いねぃ〜。」
一時間後
鈴木「さぁ!食後の一休みもしたし始めるとするか!!」
陣「どっからでもかかって来いだべ!!」
鈴木「ふっ!!自信満々だな!だがゴハン粒の付いた顔で言われても真剣みにかけるから早く取れ。」
陣「へっ?ゴハン粒?どこだべ?こっち?」
凍「違う、左だ。」
陣「こっち?」
凍「そうではなくて俺から見て・・・いいからじっとしてろ。取ってやるから。」
陣「サンキューだべvvあっ、凍矢もケチャップついてるだ。取ってやるべ。(ぺろっ)」
凍「こら、顔なめるな。」
鈴木「コラそこ!!私の前でイチャイチャするな!うらやましいだろうが!!」
死「何だそんな事か。俺もお前の顔の汚れを拭いて(ふいて)やる。顔貸せ。」
鈴木「えっ?そんなvv」
死「ほら、いいから。」
鈴木「死々若もたまには優しいなぁvv」
死「なーに・・・ちゃんと洗顔料付けて・・(ゴシゴシ)」
鈴木「うーん、きれいさっぱり!これで顔のカビも・・・ってこれカビキラーではないか!!」
(よい子の皆さんは絶対マネをしてはいけませんからね?by蔵馬)
死「嫌ってほど落ちるだろ。」
鈴木「こんな顔ではもうお嫁に行けないではないか!!」
鈴駒「誰に嫁ぐ気だよ!?」
鈴木「もうこんな勝負してられん!!メンズエステに行って来る!!」
凍「行ってしまったな・・・・」
酎「だな。」
鈴駒「オイラ達いる意味なかったね。」
酎「まぁ、そのうちまた勝負しようや。おみやげにそっから好きなモン持ってけ。」
陣「いいだか?」
酎「俺は酒以外に興味ねぇからな。」
死「それではガバッと持って行かせてもらうぞ。」
酎「おう、遠慮すんな。どんどん持ってけ。」
凍「何て気のいい鬼だ・・・」
陣「なんかわりぃだな〜。」
酎「いいんだって。もともと俺のじゃねぇし。」
黄「あの宝物すごいな。まるで本物だ。」
蔵(本物なんですよ・・・くすっ)
死「じゃ遠慮なくもらっていく。俺の親も喜ぶ。」
陣「あんがとな〜。」
凍「あんまり暴れていかんぞ。」
鈴駒「じゃーねー。」
蔵『何だかよく分かりませんが平和的な解決が実現しました。』
死「ただいま。」
躯「おう、帰ったか。鬼退治はどうだった?」
死「コレと言って戦いはなかったがみやげはたくさんもらった。」
躯「そうか。ずいぶんいい宝を・・・ん?・・・・(クスっ・・・)」
死「あと・・・」
飛「何だ?」
陣・凍・鈴駒「「「お世話になりまーす!!」」」
死「道中知り合った奴らだ。ここに置こうと思うんだが。」
躯「キジは食えるかな・・・」
凍「俺達は食料になりに来たんじゃない・・・」
蔵『こうして桃若丸は見事鬼退治を成し遂げ、しっかり宝をGETし、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし♪』
幽「またもや俺の知ってる話とは北半球と南半球ぐらい違うな。」
修「人間界の話っておもしろいね〜。」
黄「いい加減本当の話をしてもらわないとな。」
後日・・・・・
妖「黄泉様大変です!!」
黄「何事だ妖駄。」
妖「それが、宝物庫にあった宝が無くなっております!」
黄「何!?そんな馬鹿な!あそこは厳重警戒の上に俺しかパスワード知らないのだぞ!」
妖「ですが扉を壊した形跡も無く、パスワードを使って入ったとしか・・・」
蔵「何事です?」
黄「蔵馬、宝物庫から宝が盗まれたのだ!!」
蔵「へぇ・・・あっ、そうそう躯からの伝言です。」
黄「躯から?」
蔵「『宝物どうもありがとう。たいそう高価な物を頂いて感謝する。』だそうです。」
黄「それはどういう・・・まっまさか、お前劇で使った宝って・・・!!」
蔵「何のことです?(ニヤリ)俺もこれから躯の宴会に呼ばれてますから。みんな集まってるし、黄泉もどうです?」
黄「躯おおおおおおお!!」
おしまい♪
はい、童話シリーズ第五弾でした。相変わらず本物とは全然違う話ですね・・・この小説ははねね様に捧げます!
リクエストありがとうございました!!