陣「ほえ〜・・・」
死「どうした?陣、テレビにかじりついて。」
凍「テレビの中の物はかじりついたって食えないからな。」
陣「なんかおもしろうまそうなコトやってるだ!!」
鈴駒「ああ、夏祭りね。陣行ったこと無いんだ?」
陣「あぅ〜・・・なんかいっぱい食い物があるだ・・・」
酎「夏祭りはいいぞ〜。ビールにイカ焼きにビールにおでん、ビールに焼きそば!!」
鈴駒「間にビールが多いよ!ビアガーデンじゃないんだから・・・」」
陣「なぁなぁ、コレ行くべコレ!!」
凍「陣、少し落ち着け。」
鈴木「何!?夏祭りだと!?それは聞き捨てならん!!」
死「怪しいビーカーひっさげてこっち来るな!!」
陣「みんなで行くべ!なつまつりっ!!」
鈴駒「いいね、たまには。」
死「そうだな。」
陣「んじゃ早くいこいこ!!」
鈴木「待て皆の衆!!夏祭りには長年培われてきた決まりがあるのだ!!」
凍「決まり?」
酎「決まりって何だよ?」
鈴木「決まっているだろう!!夏祭りには浴衣を着用しなければいかんのだ!!」
死「別に決まっていないだろう。」
鈴木「何を言う!その場にはその場に合った服を着るのが常識ではないか!
お前は夏の海水浴に行ってウェディングドレスを着て泳ぐか!?泳がんだろう?」
鈴駒「鈴木ならやりかねない気がする・・・」
凍「全くだ。」
鈴木「海には海パン!理科室には白衣!!夏祭りには浴衣だ!!!」
死「くっ・・・微妙に合っている・・・」
陣「なぁなぁ、浴衣ってなんだべ?」
鈴木「浴衣は日本8大納涼アイテムの一つだ!」
鈴駒「8って中途半端!!」
酎「ホレ、テレビでみんないろんな色や柄の着てるだろ?」
陣「ほぇー、きれいだべ〜。」
鈴木「ん?私のことを呼んだか?」
死「心配するな。誰も呼んでない。」
鈴駒「ちなみに他の7つは何なのさ?」
鈴木「花火・うちわ・かき氷・扇風機・怪談・蚊取り線香・美しい私だ!!」
鈴駒「最後の一つ全っ然納涼じゃないよ!!」
凍「むしろ暑苦しい・・・」
死「ある意味寒いがな。」
鈴木「と言うわけで、浴衣着ろ浴衣。」
陣「鈴木もしかしてゆかた作っただか?」
鈴木「もちろん!こんなこともあろうかと作っておいたのだ!!さぁみんな着替えたまえ!!」
鈴駒「へぇー、なかなかいいじゃない。」
酎「サイズピッタリだぜ。」
鈴木「そうだろそうだろ。」
凍・死「・・・・・」
鈴木「どうした?凍矢も死々若も。」
凍「コレ・・・女物の浴衣じゃないのか・・・?」
鈴木「それがどうかしたか?」
死「ふざけるな・・・こんなの着て外歩けるか・・・」
鈴木「何を言う!!みんな喜びHAPPYうれぴーvvに決まっているだろうが!!お前達の女装を応援する声は多いんだぞ!!」
死「誰だ・・そんなふざけたコト考えるヤツは・・・」
鈴木「福岡市の斎藤さん!釧路市の高橋さん!西表島の工藤さんだ!」
鈴駒「妙にリアルだけど誰!?」
陣「2人とも似合ってるだよ?凍矢の浴衣紺色で柄が花火みたいでキレイだし、死々若も髪あげてかわいいだ!!」
死「そういう問題じゃないだろ・・・」
酎「2人とも似合ってんだからいいじゃねぇか。」
鈴木「そうとも!!うなじがセクスィーだぞ!!」
鈴駒「今回ばかりは似合ってるとしか言えないね。」
凍「こんなの着て行けるか!俺は行かん!」
陣「え〜?凍矢行かないだか!?そんな〜・・・」
鈴木「こらっ!陣にこんな悲しそうな顔させて平気なのか!?」
陣「う〜・・・」
凍・死「ぐっ・・・」
陣「オラ凍矢と死々若も行かなきゃやだべ!」
鈴木「言うコト聞かないと酎にバニーガールのかっこさせるぞ!!」
鈴駒「ぐはっ!!きもっ!!見たくないよってか見てらんないよ!」
酎「ひっでぇーな。意外と似合うかもしんねぇじゃねぇか。ねぇ〜?鈴木さん?」
鈴木「どうだ?コレでもイヤと言えるか?」
陣「なぁ、一緒に行くべ〜。」
凍「分かった・・・だから泣くな陣・・・」
陣「ほんとだべか!?やったべ〜。死々若もvv」
死「酎のバニーガール姿なんて世界が滅びたって見たくない・・・」
陣「ところで何でオラだけ半ズボンみたいなヤツなんだ?」
鈴木「ああ、それはじんべえというものだ。陣はじんだからじんべえだ。」
陣「ふ〜ん、おもしろい名前だな。」
鈴木「それでは皆の衆!いざ出陣だー!!」
鈴駒「うわ〜、にぎわってるね〜。」
陣「オラ全部の食い物屋こんぷりーとするだ!」
鈴駒「オイラは射的とか金魚すくいやりたいな。」
凍「俺は花火が見たいな。」
酎「俺はビール♪」
鈴木「なら私は1000人にこの浴衣姿を美しいと言わせよう!!」
死「俺はコイツの暴走を止める。」
陣「あっ!フランクフルト!!オラ買ってくるだ!!」
鈴駒「オイラも〜。」
凍「店ごと買うんじゃないぞ。」
死「しかし人がいっぱいで暑いな。こういうのより陣の着てるような方が涼しそうだな。」
鈴木「いや!汗で少々しっとりしてる肌も良いぞ!!」
死「鈴木、そこの鉄板に顔押し付けてこげめ付けるぞ・・・?」
陣「ほいっ、凍矢と死々若にも!」
凍「何だ俺達の分も買ってくれたのか?」
陣「ん〜ん、店のあんちゃんが凍矢と死々若美人だからサービスだって。よかっただな♪」
凍「ぐっ・・・」
鈴駒「まぁいじゃない、おまけしてもらえたんだから♪」
酎「そうそう。」
鈴木「ああ、死々若うまそうだな。私にも一口くれvv」
死「断固拒否。」
鈴木「一口ぐらい良いではないか!!私のはしゃぶってもくれないくせに!!私はダメでフランクフルトは良いのか!?」
死「何の話だ!それにフランクフルトは食べるものなんだから口に入れて当然だろ!!お前は足の裏からでも食うのか!?」
鈴木「くすん・・・ならば凍矢私に一口・・」
凍「もう食べてしまった。」
酎「俺のやろうか?マスタード当社比5倍だけどな。」
鈴木「お前のはいい・・・」
陣「さ〜て次は何食うだかな☆」
酎「やっぱビールにはイカ焼きだよな。焼き鳥もくわねーと。」
陣「う〜、ヨダレが出るだ。」
凍「陣、あまりちょろちょろするなよ?はぐれたら・・・」
陣「おっちゃん焼きそば特大大盛り一丁!!」
鈴木「店主!麺はかため!!青のりと紅しょうが忘れるな!!!」
酎「オヤジソースたっぷり頼むぜ!!」
鈴駒「おっちゃん!かつおぶしもたっぷりね!!」
死「まったく聞いてないな。」
凍「・・・・・」
鈴駒「ねぇねぇ、金魚すくいしよv」
鈴木「任せろ。昔は美しい金魚キラー高橋と呼ばれていたモノだ。」
死「金魚は見てて気持ちいいがお前は納涼の「の」の字の一画目にも値しない。」
鈴駒「つまり100%美しくないと・・・」
酎「よっしゃ!いっちょやってみっか!」
凍「むっ・・これは・・なかなか難しいな。」
鈴木「ふふっ・・・いくら私が美しすぎるからと言ってそんな体を赤らめることはないぞ金魚たちよ。」
死「元から赤いだろうが。」
凍「どうだ?陣はとれたか?」
陣「へっ?」
鈴駒「ダメだよ陣!水槽の中に入ってとっちゃ!!それじゃどじょうすくいだよ!!」
酎「陣、すくうヤツどーしたよ?」
陣「すくうやつ?モナカならくっちった。」
凍「食うな!!」
鈴駒「よっと、また2匹とったよ〜ん。」
死「すごいな鈴駒は。もう10匹もとってるな。」
凍「さすが手先が器用だな。」
鈴木「私だって器用だぞ?いろんな薬作れるしな。」
死「そんなのは器用でなくていい。むしろ捨てろ。」
凍「結局20匹もとったな。」
鈴駒「うん、幻海おばーちゃんの家の池に放すんだ。」
陣「祭って楽しいだな。オラまた来たいだ!!」
凍「陣は出店の食べ物が目当てなんだろ?」
陣「もっちろんだべ!でも凍矢のこーゆうカッコも見れて嬉しいだよ?」
凍「(///)」
酎「おっ?凍矢顔赤いぜ?照れてんのか?」
凍「ちっ、違う!ちょっと人に酔っただけだ!!」
鈴駒「そうなの?今度のお祭りは2人っきりで行かせてあげようか?(ニヤニヤ)」
鈴木「なら死々若、今度は2人っきりで行こうではないか!ラブラブにな!」
死「絶対お断り。」
陣「あっ、凍矢と死々若リンゴ飴とイチゴ飴食ってる!いいな〜・・・」
凍「お前ら散々食っただろうが。」
鈴木「ふっふっふ、お前ら飴のせいで唇が口紅を塗ったようになってるぞ?」
鈴駒「あっホント。お似合いだね〜。」
死「し、仕方ないだろう!着色料なんだから・・・」
凍「どうせもうこんなに暗いんだ。他の奴らには見えんだろ。」
鈴木「じゃあこんなコトしても分からないよな?」
死「?何言って・・・」
鈴木「(ぺろっ)・・・う〜ん、甘〜いイチゴ味vvv」
死「き、貴様あああ!!」
酎「あ〜ら鈴木さんたら大胆♪」
鈴駒「子供の前なのに〜♪」
死「(///)あのな〜・・・!!」
鈴木「陣、凍矢はきっとリンゴ味だぞ?」
陣「おうっ!凍矢〜vv(ぺろっ)」
凍「な・・・やめろ陣!残りの飴やるから!!」
陣「オラこっちのがいい♪リンゴリンゴ〜。」
凍・死「・・・・・どうやら死にたいようだな・・・」
鈴駒「あっ、2人ともオニの形相!!」
酎「こーいう時は?」
鈴木「三十六計に逃げるにしかず!!」
陣「んじゃ家まで競走な!」
凍・死「逃がすかあああ!!」
ドーン!!!
鈴駒「あっ、花火!!」
鈴木「うむ!私の様に美しい!!」
酎「たまや〜!!」
陣「なぁなぁ凍矢ー!!」
凍「何だ?今更謝っても許さんぞ!!!?」
陣「・・・・・・・・・・!!」
ドーン!!!
陣「・・・だよー?」
凍「何だって?花火の音で聞こえなかったぞ!」
酎「俺にはバッチリ聞こえたぜ?」
鈴駒「オイラもオイラも♪」
鈴木「私もだ。」
凍「陣、なんて言ったんだー?」
陣「ん〜?内緒だべ〜。」
死「凍矢、今はそれよりあいつらを捕まえる方が先だろ?」
凍「そうだった。しかしこんなカッコでは走りにくいな。」
死「ならあいつらを氷付けにするというのはどうだ?」
凍「いいな。それ。」
酎「げっ!あいつら本気だ!」
鈴駒「にっげろー!!」
鈴木「待て!美しい私をおいていくな!!」
陣「オラも!!」
凍・死「ふん、逃がしはせん!!」
こうして六人は花火の余韻にひたることなく家まで走って帰ったのだった・・・
そしてあの時陣が言ったのは・・・
凍矢は花火よりきれいだよ?
おしまい♪
北海様より『夏祭りに行く話がいいです!! もちろん、凍矢と若は女装で(笑)話に女装のこと、いれてほしいですvv』
というリクエスト頂きました〜。時期が時期なのでちょうど良いお話でした。
私は浴衣も着ないし祭にも行かない人間なのですが彼らに行かせるのは楽しかったですね。
リクエストありがとうございました!!この小説は北海様に捧げます。 殿