〜『眠りすぎる森のBI☆JO』後編〜
蔵『はい、最初の方で黄泉がしぶるから結局前後編になっちゃいました。ごめんなさいね、黄泉のせいで。
えー、と言うわけでこちらに100年が経った国を用意しておきました。』
黄「次のページにクリックさせるのまで私の責任にするな!長編が好きな人だっているだろ!!」
鈴駒「ってか用意しておきましたって料理番組じゃないんだから・・・」
死「相変わらずめちゃくちゃだな・・・」
蔵『イバラで囲まれたこの国はすっかり観光名所になっていました。そこへ百足に乗った王子様がやって来ました。』
躯「『このイバラで囲まれた国の中に眠り姫がいます。その姫を見つけた方には賞金を贈呈します。大人¥1000・子供¥500
探索機能の付いた機械等の持ち込みはご遠慮下さい。』何だこれは。」
蔵『13番目の魔法使いは図々しくも人の国を観光地にしていました。しかも姫を観光スポット扱いです。』
黄「来たか!せっかく観光名所になったこの場所を、もとい、寝てるだけでギャラのいらぬ眠り姫を手放してなるものか!」
躯「せこい商売しやがって。どうせならイチゴとかリンゴとか桃とか梨とかにすればいいものを。家族連れに人気だろうが。」
黄「随分フルーティな要求だな。核果類と仁果類の違いを知っての物言いだろうな。」
蔵『核果類はさくらんぼ、桃など、子房壁が発達して身になったもの、仁果類は花床と言う花柄の先端にある部分が発達して
果実になったものです。』
黄「ナレーターが劇に混じるんじゃない!!さぁ!どこからでも掛かってくるがいい!!」
躯「まったく・・・手の掛かる魔法使いだ。修羅、ちょっとこっちに来い。」
修「なーに?ポップコーン食べる?」
躯「あっ、もらう。と言うわけでお前の息子は預かった。無事に帰して欲しくば大人しくこの場から消え失せろ。」
黄「客席から人の息子を人質にするな!!観客まで舞台に引きずり込むんじゃない!!」
蔵『いいんじゃないですか?アットホームな感じで。』
黄「『アットホーム』じゃなくて『あっと、ホーム間違えた♪』だろうが!!貴様も人質取って恥ずかしくないのか!?」
躯「確かに格好悪いな・・・別に人質取らなくても勝てる相手に人質取って戦うなんざ。」
黄「お前一回滝に打たれて悟りでも開いてこい・・・」
躯「羨ましいな、オレは人質を取ると格好悪くなるが、お前は人質を取ろうが取るまいが格好悪いから変化無しだ。」
黄「500年+100年変らず小癪な奴だ!息子は取り返す!姫の眠りも覚まさせん!!」
躯「こちとら一万年と二千年前からこうだ。悪が栄えるのは一時のみだぜ?」
蔵『いよいよ魔法使いと王子様の一騎打ちと言うあの12番目の魔法を授けた魔法使いが助太刀に来てくれました。』
幽「どっちかって言うと黄泉の方が助太刀必要なんじゃねぇの?」
死「王子、この剣を使え。」
躯「素手で充分だ。奴倒すのに素手でも釣りが来てポイントが2倍だ。」
鈴木「死々若ー!!さぁ、あっちにキュートでビューティでベッドを用意したからねんねしなさい!!」
斬!!
死「ちっ・・・この忙しいのに退治しなきゃならん輩を増やすな。」
躯「良く人間界では『正義が勝つ』と言うそうだが魔界では違う。勝つのはオレだ。」
黄「煙鬼に負けたくせに・・・!」
躯「お前は四回戦で負けたろうが。オレは準々決勝、相手はトーナメント優勝者だった。」
黄「ええい!過去の栄光にすがりおって・・・」
躯「貴様をボコボコにしないと次のシーンに進めないだろうが。空気読めよ。KYかお前。」
黄「何がKYだ!空気は読むモノではなく吸うものだ!KとYなら『カッコイイ黄泉様v』でもOKだろうが!」
蔵『いえ、でしたら『カッコよすぎる妖狐』の方が。』
幽「だったら『カッコいい幽助☆』も・・・」
凍「キリが無いだろ・・・」
死「空気読むより鏡を見てこい・・・」
黄「お前等まとめてKYだ!今クライマックスなんだか黙ってろ!!」
修「パパー、ポップコーン食べたらノド渇いちゃった。ジュース買ってきてー。」
黄「修羅、パパこれから悪い王子と戦うんだから我慢しなさい。」
修「じゃあ今日もパパとお風呂入らないからね。」
黄「ぐっ・・・!」
躯「飲み物の一本や二本ぽーんと買ってやればいいのに。そうすりゃ親子一緒に風呂上がりの牛乳が飲めるぜ?」
黄「うっ・・・!ウチの子に限って反抗期なんて来ないんだからなー!!」
酎「つーか親父の方がグレかかってるな。」
鈴駒「反抗期も成長への第一歩だよ。」
蔵『こうして王子様はあっという間に悪い魔法使いをやっつけ王子様は眠り姫を探しました。』
黄「倒されたんじゃない!飲み物を買いに行くだけだ!!修羅の好きなのがある自販機が見つからないだけだあああ!!」
躯「イバラだらけで探しにくいな・・・こんな時飛影がいたら邪眼で飛影を見つけ・・・あれ?この台詞前に誰かが言ってたような・・・」
蔵『飛影姫は木の上で寝るのが好きなのです。飛影姫はすぐそこでどんちゃん騒ぎがあった事にもお構いなしに
すやすやと眠っていました。王子様がその可愛らしい寝顔をそっとのぞき込みました。』
躯「・・・普段はあんなに無愛想で無表情でいかつくて憎たらしい顔してるのに
何で寝顔だけはこんなに可愛いんだろうな・・・このほっぺとかつんつんしたら面白いだろうな・・・」
飛「・・・・・」
躯「何か寝言言わないかな・・・」
飛「・・・・・」
躯「『寝る子は育つ』ってやっぱり迷信なのか・・・100年寝てても小さいし・・・でもオレよりでかい飛影ってのもな・・・」
飛「・・・・・」
躯「実は邪眼だけ開いてたりして・・・」
飛「・・・・・」
躯「もし飛影が眼鏡かける事になったらどういう眼鏡に・・・邪眼用とかってあるのかな・・・」
飛「・・・・・」
躯「千里眼って言うからにはやっぱり千里以上先は見えないのかな・・・」
飛「・・・・・」
躯「そういやこの前テレビでどこかのサービスエリアにバラソフトがあるって言ってたな・・・百足にETC搭載して行ってみるか・・・
高速道路料金が安くなったらしいし・・・」
飛「・・・・・」
躯「そういやETCって何の略だったか・・・『行こうぜ・東名高速・チェケラッ!!』・・・じゃねぇよな・・」
飛「・・・・・」
躯「道路で思い出したがそろそろ百足も車検の時期だな・・・」
飛「・・・・・」
躯「バンビって」
飛「起こすか寝かせるかはっきりしろ!!」
躯「何だよ、勝手に起きるなよ。これじゃなかなか起きてこない息子を起こしに来たお母さん的な図になるぞ?」
飛「寝てる時に横でごちゃごちゃ言われてみろ。どんな世代も反抗期に入るぞ。」
躯「だいたいキスでスッと起きられるなら世の中に
奇淋『うわーっ!!何で起こしてくれ無かったんだよ!」遅刻だよ遅刻!』
時雨『ちゃんと時間通り起こしたわよ。』
奇淋『俺が起きあがって初めて"起こした"って言う事象に変るんだよ!』
躯「・・・と言うやりとりなんて無くなるぞ?」
飛「何やってるんだお前等・・・」
躯「とにかく起きたなら行くぞ。」
飛「行くってどこに・・・」
躯「結婚式と黄泉を血祭りを挙げに。」
飛「・・・俺は寝る。」
躯「いや、今の今まで寝てただろ。もう気が済んだだろ。」
幽「監督ー!飛影はちゃんとキスしてくれないと起きないと言ってまーす!」
飛「黙れ外野・・・!!」
鈴木「死々若ー!!イバラのつるに巻かれた私って美しいと思わんかー!?オスカルチックで!!」
死「ああ、美しいな。そしてこの有刺鉄線を巻くともっと美しさに磨きが掛かるぞ?」
鈴駒「死々若の毒っぷりに拍車が掛かったー!!」
飛「とにかく!俺が起きるまで起こすな!いいな!?」
躯「一体どうしろと言うんだ。」
鈴駒「頭痛を頭突きで治せくらい無茶言ってるんだけど。」
躯「やれやれ、わがままなお姫様だ・・・」
飛「や、やるならさっさとしろ・・・!」
蔵『さんざん回りくどくごまかしてきましたが、王子は姫の唇にキスを・・・』
むぎゅ
飛「・・・・・はんはほれは?(訳:何だコレは?)」
躯「キッシュ。」
飛「・・・・・は?」
躯「だからキッシュ。」
飛「なんはほれは・・・(訳:何だそれは・・・)」
躯「卵とクリームを使って作るフランス、アルザス・ロレーヌ地方の郷土料理。」
飛「いや、そう言う事では無くて・・・・」
躯「"キス"と"キッシュ"を掛けたらしい。何か似てるだろ?語感が。」
飛「何でまた・・・」
躯「実は100年前に気紛れに料理がしてみたくなって作ったまま冷凍していたのをすっかり忘れていたんだが、
冷凍してあるから大丈夫だろ。多分きっとおそらくもしかして。」
飛「期待・信頼共に出来ん!」
躯「100年思いを込めて作ったオレ特製キッシュだ。とくと味わってくれ。」
飛「・・・いや、寝起きでまだ食欲が・・・」
躯「そうか?ならさっさと行こうぜ?オレがわざわざ起こしに来てやったんだ。オレの妻になるのか?ならないのか?」
飛「・・・いきなり言われても・・・」
躯「心配するな。ご両親の承諾は得ている。」
飛「は・・・?」
陣「飛影ー!幸せになるだぞー!」
凍「盆と正月には帰省するんだぞ。」
飛「お前等・・・100年間寝てて起きた瞬間に言う事がそれか・・・」
蔵『こうして、姫はあっさり嫁入りを認められ、王子のキッシュによってイバラで囲まれた国は100年の眠りから覚めたのです。
そして国を挙げて二人の結婚を祝いました。もちろん姫の嫁入り道具はキングサイズベッドです。』
躯「あっ、飛影小さいからクイーンでいい。」
飛「余計なお世話だ!!」
幽「王様ー、飛影ちゃんが(寝相が)激しいのでキングじゃないと落っこちるそうでーす!」
鈴木「だからベッドじゃなくて布団にしろと言ったのだ!私はどっちかと言うとベッド派だが死々若に合わせて布団に鞍替えしたのだ!」
斬!!!
死「お前も100年眠れ・・・100年経っても起こさないがな・・・」
幽「そうか、布団なら落ちる心配無いな!でもいくら畳だからって寝技しすぎるなよっ☆」
飛「・・・炎殺・・・黒龍波ー!!」
幽「ぎゃあああ!!思いやりで言ったのにいいい!!」
飛「今度は貴様が100年眠れ・・・!!そして貴様の幼馴染みに起こしてもらうシーンを魔界全土で放送してやる・・・!」
蔵「そういえば幽助も螢子ちゃんのキスで起きたんでしたね。」
飛「なっ・・・!今回のは劇にしなくても良かったんじゃ・・・!」
蔵「そっちはそっち、こっちはこっちです。」
飛「く・・・っ・・・ら・・・ま・・・・!!」(パタッ)
躯「あーあ、また眠っちまったな。やれやれ手の掛かるお姫様で。まぁいい、オレも疲れたし寝るとするか。」
蔵『と言うわけで飛影姫と王子は早速新婚睡眠に入り、悪い魔法使いはこれに懲りて二度と悪さをしなくなり、これからも童話シリーズに
惜しみなく資金を投じてくれると言ってくれました。王子様とお姫様の影響で国民は不眠という言葉とは無縁に幸せに
暮らしましたとさ。めでたしめでたし♪』
黄「言っとらんわ!!」
鈴木「次回の童話シリーズは○○○だ!!」
蔵「と言うわけで今から予算会議です。皆様、ご機嫌よう♪」
黄「ふー・・・今回いつも通りハチャメチャパラダイスだったが今回はあまり暴れるシーンが無くて被害額が少なくて済んだ・・・」
修「パパー、何か台所から変なにおいがするよ?」
黄「台所?はて?何か料理に失敗・・・ぎゃあああ!!この間買ったばかりの最新式電子レンジが!!」
修「あっ、何か手紙があるよ。『最近の電子レンジは色々出来るんだな でも壊れるんだな 躯』」
黄「お前が何かすれば壊れるに決まってるだろうが!あんな電子レンジを電子レンジでチンしそうな奴に・・・!!
鍋焼きパスタとか作る奴に・・・!!コロッケの中に肉団子詰めるような奴に・・・!!ぐはっ!!」
修「あっ、パパ眠っちゃった。」
蔵「仕方ないですね、黄泉にキスしてくれそうな人を探しに行きますか。100年以上掛かりそうだけど♪」
Fin♪