3200Hit 湯煙の向こうにナニを見る!?  第五話




陣「ほえ〜、ここがこの旅館で一番の部屋だべか〜。」

凍「ああ、二人で使うには少し広すぎるな。」

陣「凍矢、部屋の中に風呂があるってすごいだな!凍矢入るべ!」

凍「ああ・・・」





陣「う〜、あったかいだべ〜。かき氷(なのか?)食ったから体冷えてたべ。」

凍「冷たいのは平気だがわさび入りとかはしんどいぞ・・・というかあれは黄泉の躯に対する嫌がらせでしかないと

思うのだが・・・陣?」

陣「「ん?何だべ?」

凍「二人っきりなのに何故こんな寄り添って入る必要がある?」

陣「むー。二人っきりだからくっついてるんだべ。凍矢みんなの前でべたべたすると怒るだからな。」

凍「当たり前だ・・・見境なくなったら鈴木みたいになるぞ・・・」

陣「凍矢の肌白いだな〜。雪みたいできれいだべ・・・」

凍「生まれつきだ・・・こんなの・・・」

陣「なめたらおいしそうだな・・・」

凍「・・・!!・・・陣、首筋に顔近づけるな!!んっ・・・」

陣「ん・・・」

凍「陣、いい加減離れろ!」

陣「やーだ。こっちも触りてぇだ・・・」

凍(こ、このシチューションは・・・ああ・・・今夜とうとう一線を越えてしまうのか・・・

そうか・・・陣もそいう年になったのか・・・体だけは成長してもいつまでも子供だと思っていたのに

ちゃんとそっちも成長していたんだな・・・)

陣「凍矢・・・」

凍「陣・・・」

陣「凍矢ホントにくすぐり弱いだな!」

凍「・・・は?」

陣「だってちょっと触っただけでくすぐったそうにするだからな〜。くすぐりがいがあるだな。」

凍「・・・・(やはりお子様のままだったか・・・)」

陣「凍矢?何そんながっかりしてるだ?もっとこちょこちょしてほしいだか?」

凍「いや、何でも・・・」




ウキッ・・・ウキキ




陣「なんか聞こえるだな?」

凍「これは猿の鳴き声だな。近くにいるみたいだな。」

陣「猿?何でこんな所にいるだ?」

凍「よく猿は温泉につかると聞く。きっと温泉が好きなんだろう。」

ウキキ・・・

陣「あっ、こっち来たたべ。一緒に入るだ。」

凍「似合ってるぞ陣。」




ぐるるる・・・




陣「またなんか聞こえるだべ。なんかぐるるるって・・・」

凍「この鳴き声は・・・というかうなり声は・・・」

陣「あっ!!熊だべ!熊も温泉に入りたいだか?」

凍「いやむしろ俺達を食べたいのだろう・・・」

陣「熊だって浸かりたいときもあるんじゃねぇべか?」

凍「違うだろ!陣、怪我しない程度に熊をあっちの山まで飛ばせ!!」

陣「ほえ?一緒に入っちゃダメだべか?」

凍「お前は平気だが人間達を襲ったらどうする?!鈴木が実験台にしたらどうする!?

酎が酒のつまみにしたらどうする!?旅館壊されて弁償させられたらどうする?!」

陣「そっか・・・それじゃあ仕方ないだべ。んしょっと!!戻したべ。」

凍「それでいい。今度は人のいない温泉で一緒に汗を流そう。」

陣「おう!またこんなふうにみんなで来れたらいいだな♪」

凍「そうだな・・・みんなでな・・・」

陣「そろそろあがるべ。いっぱい遊んで食って騒いだから眠くなってきただ。」

凍「ああ・・・」







凍「やはり二人で寝るには広すぎるな。」

陣「凍矢、一緒の布団で寝ていいだべか?」

凍「何子供みたいなこと言って・・・」

陣「凍矢が湯冷めしないようにあっためてやるだ。」

凍「ったく・・・いつまでも変わらないな・・・お前は・・・」

陣「ぶー。これでも少しは大人になっただ。」

凍「なら夜中の二時に起きても一人でトイレ行けよ?今日たくさんジュース飲んだしな。」

陣「あぅ・・・ついてきてほしいだべ〜。」







お前はそのままでいい・・・




そのままで・・・




凍「おやすみ、陣。」

陣「おやすみだべ。なぁ、絶対またみんなで来ような?」

凍「ああ・・・また福引きでも当ててな・・・」










凍矢・・・




ホントにいっぱい笑うようになっただな・・・




昔はあんまり笑ってくれなかったけど・・・




凍矢が笑ったら絶対きれいだと思ってただよ?




オラ、凍矢が笑ってると嬉しいだ・・・




こんなふうに、凍矢の寝顔見れるのも・・・




おやすみ・・・凍矢・・・













そして一行は朝食の卵焼き争奪戦を繰り広げ、温泉を後にしましたとさ・・・








まずあとがきの前に一言・・・長くなりすぎて申し訳ありません!!彪様、ならびにこの話を

一話からこつこつ読んで下さってる方々に土下座します。自分でもこんなに長くなるなんて・・・

しかも99,95%ギャグ!!ボケては突っ込み、突っ込んではボケ・・・

初の絡みありかと思ったらないしね(笑)こんな小説でもおもしろいと言ってくださる方もいて殿は幸せ者です・・・

この小説は彪様に捧げます。リクエストありがとうございました!!   殿