チヒロ様リクエスト小説『ぺたぺたペアvv』  



ここはとある場所にある鈴木の研究所・・・(庭先の物置小屋:さび・雨漏り有り)




ゴボっ・・・ボコっ・・・ちょぴーん・・・


ふっふっふ・・・性懲りもなく・・・いや、あきらめず作り続けた甲斐があった・・・この薬があれば・・・





陣「ただいま〜!!ふぇ〜、9月になっても暑いだな〜。」

凍「早く買ってきた夕食の食材を冷蔵庫に入れないと痛んでしまう。」

酎「いや〜、こう暑くっちゃ酒はまだまだ減らせね〜。」

鈴駒「産まれた瞬間から飲んでるくせに減らす時期なんてないだろ?」

鈴木「お・か・え・り〜!!夕食の買い物ご苦労さんだな!ホラ、ジュース冷やしといだぞ!」

凍「廃棄だ!」

鈴駒「然るべき処置を施してゴミ捨て場においてきてよ!」

鈴木「いきなり黄金伝説・・・じゃなかった、いきなり捨てろとは酷いではないか!

このジュースがお前達に何をした!?」

酎「これからすんだろうが!!」

鈴木「何を言う!作りたてで新鮮そのものなんだぞ!」

陣「う〜ん、でもうまそうだよ?このジュース。」

鈴木「そうだろそうだろ。全く、お前達少しは陣のこの純粋さを見習ったらどうだ?

お前達も失ったピュアな心を取り戻せ!!」

死「お前が失わせたんだろうが!!」

鈴木「分かった。そこまで言うのなら私も飲もう!それなら文句ないだろ!!」

凍「待て、このコップはシャッフルして鈴木は最後に選べ。いいな?」

鈴木「ああ、構わないとも。気の済むまで混ぜるがいい。」


どうせどれを飲んでも同じなのだから・・・ふっふっふ・・・


シャッフル中


凍「よし、このくらいでいいだろ。」

陣「じゃあオラこの一番多い奴!」

鈴駒「チャレンジャーだね、陣。ならオイラはコレにするよ。」

酎「俺はコレ。」

凍「じゃあ俺はコレを・・・」

死「決まったな。鈴木先制を切って飲んで安全性を表示しろ。」

鈴木「全く疑り深い奴め。しかと見ておけ。私の美しい飲みっぷりを!!んぐんぐ!!」

死「ジュース飲むだけなんだからいちいち”風呂上がりの一杯”を演出しなくていい!!」

凍「バスタオル一丁で腰に手を当てて飲んでる姿のどこが美しいんだか・・・」

鈴駒「オヤジじゃん・・・」

陣「何ともなさげだべな。」

凍「いや、即効性ではないかもしれん。」

鈴木「ぷはーっ!ほら何ともないだろ?」

死「鈴木にだけ効かない薬かもしれん。」

鈴木「そこまで器用なコトができるか!ほら、これでいいだろ!」

酎「じゃあ信用して飲んでやるか。」

陣「ん〜vv喉越しすっきり〜vv」

凍「何故コップ一杯のジュースを飲むのにこんなに警戒しなければならないんだ・・・」

死「全くだ・・・」

鈴駒「今度から鈴木に試飲させてから口にしようね。」


そろそろ効き始める頃かな・・・


凍「さて、買ってきた物をしまって夕食の下ごしらえするか。」

陣「オラも手伝うだ♪」

死「鈴木、お前は”邪魔をしない”という手伝いをしろ。」

鈴駒「すんごいお手伝いだね・・・」



凍「とりあえず飲んでみたがなんか不安だな・・・」

陣「味はよかっただよ?」

凍「いっそまずい方が安心という気もするがな。」

陣「なぁなぁ、今日の晩ご飯なんだべ?」

凍「今日はハンバーグだ。」

陣「ハンバーグvv!!オラハンバーグ大好きだべvv」

凍「陣、今コレこねてるから、そこの棚から皿を取ってくれ。」

陣「おぅっ!え〜と、これだな。(つるっ)って・・・うわ!?」

凍「陣!!」




どすーん!!がっちゃーん・・・パリーン・・・




死「陣!凍矢!どうした!?」

鈴駒「食器割ったの!?」

陣「いっててて・・・バナナの皮で滑っただ〜・・・」

酎「べただな陣。」

死「とにかく二人とも怪我ないか?」

凍「ああ、平気だ。」

陣「凍矢悪かっただな〜。んしょっと・・・ん?」

凍「何だ?」

陣「なんかオラの右手と凍矢の左手がなんかくっついて離れねぇだ。」

凍「何か接着剤でくっついたみたいだ・・・」

酎「んなバカな。引っ張ってみっか。(ぐいっ!)」

陣「いででで!!痛いだべ酎!!」

凍「無理矢理引っ張るな!」

死「・・・こんなマネをするのはあいつしかいない!鈴木!」

鈴木「はっはっはー!!大成功だ!!」

凍「やはし貴様か・・・」

陣「でもオラ達接着剤なんか塗られてないだよ?」

鈴駒「そうだよね。酎にも塗られてないみたいだし。(酎の背中をさわさわ)」

酎「だよな。」

鈴木「ふっ!さっき飲んだジュースの中に仕込ませていた薬がうまく行ったようだ!

あのジュースを飲むと飲んだ後最初に触った人物とくっつく化学反応を引き起こすのだ!!ちなみに一回くっつくと

それ以上は誰かにくっついたりしないのだ!どーだすごいだろ!!」

鈴駒「と言うことはオイラ達も・・・!」

死「・・・っな!」

鈴木「くすっ。せっかく二人ずつセットになってるんだ。なぁ?し・し・わ・か?」

凍「死々若!逃げろっ!!」

鈴木「はっはっは!一歩遅かったな!!(死々若の背中にガバッと抱きつく)」

死「ちっ・・・油断した・・・」

鈴木「たまには触れ合いも必要だと思って作ったのだ。現代人は触れ合いが足りん!」

凍「お前のカッコは完璧変質者が女子高生に抱きついているみたいだぞ!!」

死「凍矢・・・誰が女子高生だ・・・」

凍「すまん・・・」

鈴駒「オイラなんて酎の背中に”反省”スタイルだよ・・・」

鈴木「この際だから何か懺悔(ざんげ)しとけ。」

鈴駒「三日前の酎のビールを振って泡ふかせたのはオイラです・・・」

酎「アレおめぇの仕業か!!」

陣「まずいだべ・・・」

凍「陣!珍しく事の重大さに気付いてくれたか!!」

陣「これじゃあ凍矢ハンバーグ作れねぇべ!!」

鈴駒「そこじゃないでしょ・・・問題は・・・」

凍「おい、この薬はどの位効果が続くんだ?」

鈴木「私はこのままくっついたままでも構わんぞvv」

死「陣、空いた手で俺の刀でコイツを引き剥がしてくれ。」

陣「オラ切り分けなんてできないだよ〜。」

死「何、細かいトコは後でそぎ落とす。」

鈴木「まぁ人生マジックテープの気分を味わうのも悪くないだろ。」

死「そんなものになりたいとミジンコほども思ったコトも無いわ!!」

凍「とりあえず何とか夕食の準備をしよう。」

陣「オラもがんばるだ!!」

死「はぁ・・・汗かいた・・・」

鈴木「なら風呂に入ろうではないかvv」

死「断る!何故貴様なんかと入らねばならん!!」

鈴木「そんなコト言ったって入りたければ私と入るしかないのだぞvv」

死「・・・・・」

凍「死々若、いざとなったら呼べ。すぐ駆けつける。」

死「そのまま湯船に沈めてくれる・・・」

鈴木「ようやく観念したか。男同士何を隠す必要がある。もっとオープンに行こうではないか。

それとも何か見せられないモノでもついてるのか?」

死「生物学的に貴様と同じモノが同じ場所についてるだけだろ!!(怒)」







凍「あの二人大丈夫だろうか・・・」

鈴駒「湯船が鈴木の血で染まってたらやだよね・・・」







in 風呂場



死「鈴木!余計なトコ触るな!!」

鈴木「だったらおとなしく私に洗われていろ!!まぁおとなしくしてても触るがな!!

美しい私に洗ってもらえることに感謝しろ!!」

死「するか!!肌スリ寄せて気色悪い!!イソギンチャクと入った方がマシだ!!」







in 台所




陣「なんか風呂場騒がしいだな。」

凍「静かになったら鈴木が湯船に沈められた証拠だ。」

陣「こうやって料理するのも楽しいだなvv」

凍「あのなぁ、このまましばらくくっついたままだったらどうする?」

陣「オラ凍矢とずっと一緒にいたいからこのままでもいいだvv」

凍「・・・(///)・・・!!」

陣「ん?凍矢?顔赤いだよ?熱あるだか?」

凍「いや・・・」

(まったく・・・さりなげなく言うから困る・・・本人は深い意味では言ってないだろうがな・・・)




in 居間




鈴駒「はぁ・・・何でよりによってこんな格好で・・・」

酎「あの四人よりはマシだろ。それよりそのままマッサージしてくれいvv」

鈴駒「どーせなら流石ちゃんとこーなりたかったよ・・・なんでこんな毛深さだけが

取り柄みたいなむっさいおっさんと・・・」

酎「俺だって棗さんとがよかったよ!」




死「はぁ・・・」

凍「上がったか。大丈夫か?」

死「なんか入る前より疲労感が満タンなんだが・・・」

陣「死々若〜、見て見て〜、星形ハンバーグvv」

鈴木「ほう、なかなかいいできではないか。」

凍「風呂の中で何かされなかったか?」

死「されないと思うか?」

凍「ははっ・・・ちょうど出来たから食べようじゃないか。」

陣「めしだめしだ〜vv」




鈴駒「うわ〜、美味しそうだね。」

陣「凍矢と二人で作っただ。」

鈴駒「でもどうやって食べよう・・・片手しか使えないよ・・・」

凍「今日はとりあえずスプーンで食べよう。これなら片手で食べられる。」

陣「凍矢〜、スプーンでも左手じゃうまく食えないだべ〜。」

凍「まったく、仕方がないな。今日は食べさせてやる。ほら。」

陣「さんきゅーだべvvあーんvvう〜ん、おいしいだ!」

鈴木「あー!!ずるいぞ陣!!」

陣「だって右手使えないだべ。」

鈴木「死々若!私達も”あ〜んvv”をしようではないか!!あの二人に遅れを取ってはならん!!」

死「あ〜ん?!(超不機嫌に)」

鈴駒「それガンタレだよ・・・」

鈴木「その”あ〜ん”じゃない!私もハンバーグが食いたい!!」

死「お前のせいでこうなったんだからな。自業自得だ。」

凍「死々若、うるさいから食べさせてやってくれ。」

死「かすみでも食ってればいいのに・・・ホラ。」

鈴木「う〜んvvデリシャスデンジャラス!!陣と凍矢の愛が隠し味になっていて旨い!」

死「もっと旨い隠し味を教えてやろうか?」

酎「何だよ?」」

死「鈴木に対する溢れんばかりの殺意だ。」

鈴駒「究極の隠し味だね・・・」






in 陣&凍矢のお部屋

凍「はぁ・・・あいつのせいで散々な一日だった・・・」

陣「でも結構楽しかったべ。今夜もこうしてくっついて寝られるしvv」

凍「しかし不便な事には変わりないだろ。」

陣「えへへ。凍矢。」

凍「何だ?もう寝るぞ陣。」

陣「オラずっと凍矢の手離さないだよ?ずーっと一緒だから。」

凍「なっ(///)・・・!!」

陣「凍矢の手しゃっこいからこうしてればあったかいべ?」

凍「・・・・・・下らないこと言ってないでさっさと寝ろ!!」

陣「凍矢〜、何で怒るだ〜?オラ何か悪いコト言っただか〜。」

凍「いいから寝ろ。もう九時半だ。」

陣「ぶー・・・いいだよー!絶対離れないもーん!」

凍「こら!そんなにくっつな!」

陣「やーだ。(さらにぎゅっ)」

凍「・・・・・」


まぁ・・・たまにはこうやって寝るのも悪くないか・・・

あったかいし・・・







in 死々若&鈴木のスィートルーム

死「おい、この薬いつになったら切れるんだ?」

鈴木「さ〜てね♪」

死「・・・・・先に俺がキレてもいいか・・・?」

鈴木「物騒なことを・・・そんなに早く効果が消えて欲しいんだったらいい方法がある。」

死「何だ?」

鈴木「私とあつ〜いヴェーゼをかませばたちまち離れるぞぃ。」

死「何だ。やっぱり俺がキレた方が早いじゃないか。」

鈴木「何を言う!お前が早く離れたいと言うから教えたのに!!」

死「お前なんかと接吻(せっぷん・キスのこと)かましたら俺の一生に汚点が付いて離れなくなるだろうが!!」

鈴木「何を言う!素敵なメモリーに刻まれるに決まっているだろ!!離れたら私の日記に綴ってやるのだから感謝しろ!!」

死「俺の人生の汚点を証拠として後世に残すんじゃない!!」

鈴木「たまには私の願いを聞いてくれてたっていいだろ!いいではないか!

キスの一つや二つくらいどうってこと無いだろ!!」

死「聞くかそんなん!!お前とするよりだったらナマズとの方がマシだ!」

鈴木「私はナマズ以下か!?」

死「自分をそんなに評価するな!未満に決まっているだろ!!」







in 酎&鈴駒の部屋

酎「あ〜、寝にくいぜまったく。」

鈴駒「あんま動かないでよ。寝づらいだろ。」

ぷー

酎「あっ、わりぃ。屁こいちまったわ。」

鈴駒「ちょっと!!オナラでオイラを殺す気?!」

酎「あーん?屁嗅いだくらいで死にやしねぇよ。」

鈴駒「酎のオナラならオゾン層破壊だっていけるよ!!」

酎「今日は餃子とか食ってねぇから香ばしいだろうが。俺だってこきたくてこいたわけじゃねぇよ。

文句ならケツに言えケツに。」

鈴駒「ケツに言ったって通じるワケないだろ!!」

酎「分かった分かった。今度はすかしっ屁にすっからよ。」

鈴駒「何細菌テロの予告してんだよ!!」









そんなこんなでくっついたままの夜は更けていくのでした・・・










薬シリーズ第二弾ですな。珍しくノートとかに書かないで直接パソコンに打ち込みましたね。

最近ちょっとスランプ気味なんで笑えるかどうかは分かりませんが感想頂けたら嬉しいです。

うーむ・・・またギャグの修行の旅に出なければいけませんな!!とぅっ!!(どこに行くんだどこに・・・)

この小説はチヒロ様に捧げます!!