死々若の『鈴木飼育日記』




高橋月山本日(月)天気 晴れたらいいな

「日記シリーズのトリです。」と蔵馬に言われたが、何で俺がこんなものを書かなければ

ならないんだ。そもそも日記と言うものは人に見せたり見られたりするものではない。

安心しろ鈴木、間違ってもお前に対する秘めた恋心なんて綴らん。

ここに書くのはお前の罪と罰だけだ。




今日は俺が入浴剤を決める番だ。俺は檜の湯とか登別とかが好きだ。

ちなみに陣の入った後はアヒルが湯船に浮かんでいる。

凍矢の後は何だか水風呂みたいになっている。

酎の後はかなりお湯が減ってるし汚いから入りたくない。

つまり鈴駒の後が一番安全である。

して、この前は湯布院だったし・・・今日は指宿に、いや、山代にするか・・・

風呂は日々鈴木に疲れた体と心をほんの少しだけ癒せる数少ない時間だ。

立ち上る湯気、しっとり汗ばむ肌、ねっとりした視線・・・

「・・・・・貴様・・・何を覗いてる?」

「覗いてるとは失敬な!コレは観察だ!!お前がどこから洗うのかとかどれくらい成長したかを

これこの通りビデオに収めているだけだ!!」

「思いっきり盗撮だろうが!!」

「違う!観察だと言っているだろう!ホラ!今回のテープで10巻目の大台に・・・!!」

斬!

こうして、今日も湯船が血に染まる・・・










加藤月佐々木日(火)天気 晴れだったらしい

また今日も鈴木について書かなければならんのか・・・

夏休みの宿題の朝顔の観察日記より面倒だ。

いっそ上手く育てられなかった朝顔みたいに枯れてしまえばいいものを。



今日はどうも空気が乾燥している様だ。

「今日は空気が乾燥しているから火もとに気を付けろ。」

「今日は空気が乾燥してるみたいだから加湿器付けようか。」

「今日は空気が乾燥してるから腹減ったべ〜。」

「今日は空気が乾燥してるからビール10本追加な。」

・・・空気の乾燥と胃の消化具合が密接な関係があるかどうかは謎だが

とにかく今日は空気が乾燥している。

「ああ、今日は空気が乾燥しているから私のモチモチの美白肌が乾いてしまう。」

「いっそ全身干からびてしまえばいいのに。」

「こんな時は肌の手入れとかが大変なんだぞ?唇もカサカサになるし、リップクリームの消費量も

半端じゃない。」

「知るか。」

「カサカサ用のリップクリーム、紫外線防止用のリップクリーム、薬用リップクリームに、

死々若とキスする前に付ける用のリップクリームと、こんなに付けねばならんのだよ。」

「最後のは必要ない。貴重な給料を無駄遣いするな。」

「死々若がキスしてくれればリップクリームいらないのにvv」

「・・・・・つまり唇が無ければ荒れる事もないんだな・・・?」

「ダメだ!唇が無いとお前とキス出来んではないか!!」

「貴様に唇が1000個あろうと無かろうとせんものはせん!!」

本当に・・・梅雨時の湿気よりうっとしい奴だ・・・










木村月長谷川日(水)天気 晴れ時々鈴木の血が降る確率50%

今日は朝からとてもいい天気だ。

こんな麗らかな午後は愛刀の手入れと

「しっしわかー!!今日はいい天気だからデートしよう!!」

斬!!

試し斬りに限る。

ちなみに降水確率0%だろうと台風が来ようとハリケーンが来ようとサイクロンが来ようと

日本晴れになろうと地球が滅びようと隕石が鈴木に衝突しようと

俺は鈴木と逢い引きなんかせん。

せっかくの麗らかな午後もこうやってぶち壊されていくのであった・・・










近藤月三浦日(木)天気 癌陀羅に超大型の台風死々若24号が接近中

諸君、今日は死々若に成り代わって私が書かせていただく!!

今日のお題はズバリ!

死々若の前髪について!!

私もいろいろ死々若について研究しているのだが、あの前髪は特に気になる疑問の一つだ。

ちなみに他の『特に気になる疑問』は全部128個ほどある!!

私はいろいろな角度から死々若について検証してみた。

背後から真上から真横から真下から脱衣所から風呂場から布団の中から。

それはもういろんな角度に視点を移して見たさ!!

結果!

アレは鬼太郎が妖気をキャッチすると反応するセンサーと同じ構造をしているのだよ!!

私を感じるとあの前髪が立つのだよ!つまり私を愛しいと常に思っている故死々若の前髪は

あの様にピーンと・・・

斬!!!!!

「貴様・・・人の日記に何罪を自白している・・・」

「ぐっ・・・いいじゃないか!飛行機をジャックする事に比べたら日記をジャックする事なんて

白ヤギさんが黒ヤギさんからのお手紙を食べちゃう程度のものだ!!」

「人の前髪の角度を知るのに風呂場まで覗く必要があるのか・・・?」

「違う!先日も言ったがコレは覗きでは無く観察であってだな、決してやましい好奇心からでは無くてだな・・・」

「そうか、そんなにこの前髪の秘密が知りたいか。」

「えっ・・・出来れば・・・」

「お前の推察もあながち間違いでは無いな・・・」

「えっ?vvそう?」

「この前髪はな、お前に対する殺意の現れだ!!」

「ぎゃあああああ!!!!」







やはり鍵付きの日記帳ぐらいではダメか・・・

明日から有刺鉄線でも付けておくか・・・










工藤月渡辺日(金)天気 曇りのち所により血の雨

いきなり蔵馬に言われたのだが

「今日は『長い物には巻かれろディ』と言う事で、何か長く巻いた物でお祝いしてください。」

と言われた。

何でも今日は蔵馬が癌陀羅の軍事参謀総長になった日なんだとか・・・

「じゃあ今日の晩ご飯は手巻き寿司だべーvvデザートはロールケーキvv」

「オイラは春巻きもいいなーvv」

「巻くと言ったらロールキャベツか・・・」

・・・お前等、そんな不可思議な記念日に何の疑問も抱かないのか?

「いいじゃねぇか、一年のどっかにこんなワケのわかんねぇ記念日があってもよ。」

・・・そうか?

「さぁ!死々若コレに着替えろ!!」

「何だこれは。」

「『お代官様あ〜れ〜』セットだ!コレを着て私とお代官様あ〜れ〜vvをしようではないか!!」

斬!!!!!

「セクハラ代官めが・・・」

「何かそれ面白そうだべ。死々若回してくれだべvv」

「着るな!!」

みんなにちゃんと祝えと言われたから俺もちゃんと祝ってやったぞ?

鈴木をすまきにしてな・・・










伊藤月佐藤日(土)天気 鈴木の涙の雨沿岸に死々若の雷警報発令

今日は陣から

「何で鈴木と死々若ってそんなに仲悪いだ?」

と聞かれた。

何でと言われてもな、いきなり四方八方から抱きつかれて喜ぶ奴がいるか?

えっ・・・いや、凍矢、お前等は別だ。

「ノンノン。陣、私達は仲が悪いのでは無く、死々若がちょっと照れ屋だから私がちょっと

じゃれつくと反発するのだよ♪」

「『夜道でいきなり抱きつく』のをおめぇの脳内では『じゃれる』って事になんのか。」

「『ちょっと照れてる』で毎回切り刻まれるアンタもすごいっちゃすごいけど。」

「当たり前だ。私以外の奴が死々若に抱きついたら警察沙汰だぞ。」

「いや、お前だからこそ警察沙汰なんだと思うが・・・」

「お前と一緒に暮らしてやってるんだからノーベル平和賞もらってもいいくらいなんだぞ。」

大体、あんな奴の何処を好きになれると言うんだ。

「でも欲を言えばもう少し素直になってくれてもいいと思うのだがな。」

誰がなるか。オロナミンCがリポビタンDになったって俺は性格を直す気は無い。

「まぁ、魔界のアジアンビューティのカップルの私達だ。お前達が羨ましがるのは分からんでもない。」

「アジアンビューティ?」

「世界が嫉妬すると言う意味だ!!」

「スキンシップを図る度に斬る斬り刻まれる関係のカップルはいかがかと・・・」

「何を言う鈴駒!人をマゾヒストみたいに!!死々若に斬られるのが快感なのであってそれ以外は苦痛でしか無い!!」

「完璧なマゾじゃん!!」

「凍矢ー、マゾヒストって何だべ?」

「・・・・・生涯をかけてアマゾンを探求する者の事だ。」←言うまでもなく大嘘

「でも死々若ちっちゃいバージョンの時はよく鈴木にくっついてるよね。」

・・・ぎく・・・

「そういやそうだべな。」

「・・・別に理由なんか無い。『鈴木』だから木で枝代わりにしてるだけだ。」

「苦しいね。その言い訳。」

「何だかんだで私の肩が一番心地いいんだろvv」

・・・・・・・斬!!!!!!

余計な事を言うとこうなるぞ・・・










鈴木月田中日(日)天気 晴れ所により落雷

ものすごく珍しく鈴木が縁側で昼寝をしていた。

いつもなら絶対にベッドでパジャマを着てナイトキャップまでかぶって昼寝するのに。





・・・黙っていれば端正な顔立ちだと思うし、黙っていれば思慮深く見えると思う。

要は黙っていればいいのだと。





「ん・・・し・・・しわ・・・か・・・」

・・・勝手にお前の夢に出演させるな。

まったく、暖かくなって来たとは言え、何も掛けずに寝るにはまだ早い。

仕方ないから毛布を掛けてやった。

勘違いするなよ?お前が風邪引いて看病してくれだの何だの言われるのが

面倒なだけだからな。

・・・まぁコイツが人並みの風邪をひくとは思えんがな。

「ん・・・ふ・・・ふふvv・・・・」

寝ながら笑うな。ただでさえ不気味なんだからな。

どんな夢見てるんだか・・・どうせろくでもないモノだろうがな。



ふん・・・幸せそうな顔して・・・





「し・・・しわか・・・次は・・・この浴衣に・・・」

斬!!!!!!!

永久に眠らせようか・・・

「死々若!昼寝中の無防備で甘美な人間を斬るとは何事だ!!」

「貴様が夢で俺にろくでもない事をしてるからだ。」

「現実で叶わない事を夢で叶えたって罪にはならんだろ!!」

「俺裁判で懲役確定だ。」

「あーあ、夢の中のお前は素直で可愛いのに・・・」

「知るか。」

「でも・・・」

「何だ。」

「やはり恋愛と言うモノはすんなりと上手く行き過ぎるのは面白くない。」

「は?何言って・・・んっ!・・・」










「・・・シナリオ通りの恋愛なぞセオリー過ぎて物足りない。」

「貴様・・・本気で殺すぞ・・・」

「お前にだったら本望だよ。」

「だったら今すぐ叶えてやろうか?」

「うーむ、まだ研究したい事もあるし、今はゴメンだな。それよりどうだ?一緒に昼寝の続きしないか?」

「何で貴様と・・・」

「一緒に寝てくれないと僕眠れないの〜。」

「年上のくせに何を言っている・・・ふん・・・」

「死々若、ちっちゃいバージョンでも腹の上で寝られると苦しいぞ・・・」

「うるさい。寝ろ。」

「死々若・・・」

「何だ。」

「顔赤いぞ?」

「五月蠅い!!息の根止めるぞ!!」

「ならキスで頼むvv」

「鈴木ー!!」

「はいはい、いい子だから寝ましょうねーvv」

「・・・・・ふん!」






俺も寝た。

寝れば鈴木の顔なんか見なくて済むからな。









ふん・・・書く価値も見る価値も無い日記だな。

以上 報告 死々若丸







日記編最後は死々若でしたー!!死々若ど疲れさん!そして鈴木、ど突かれさん!!

各々日記最終日は甘く行こうと言うコンセプトを勝手に決めて四人の日記を書かせていただきましたが

こういう時だけ鈴木は死々若より上手なんですねー、私が書くと。

最後何をしたかはご想像に委ねます。(笑)

本当は四人分とももっと短く書くはずだったのに一つ一つが普通の短編並に長くなっております。

このネタをリクエストした方の意図は存じ上げておりませんが、うちのサイトのCP傾向から見ると

受けなんだけど相手をリード(?)する立場の面々なワケです。

機会があったら今度はこの四名に対抗して飛影・陣・黄泉・鈴木の日記を書いてみたいですね。

飛影と陣ねぇ・・・(飛影は日記なんて絶対書かないだろうな・・・)