蔵「さてと・・・仕込みはコレくらいでいいかな?」
躯「いいのか?あいつらに黙って・・・」
蔵「最初から種明かししたらつまらないでしょ?」
躯「それもそうだな。それオレに少しくれ。」
蔵「いいですけど・・・何企んでるんです?」
躯「オレはオレなりの楽しみ方をするだけさ。」
鈴駒「いきなりで何だから説明するけど、『学校の七不思議を用意したから是非見学して来い』って校長が。」
凍「・・・七不思議って用意するものか・・・?」
死「こういうのは人から人へ伝わったり伝えたりして自然と出来上がっていく物だと俺は思っていたがな。」
陣「七不思議ってどんな不思議だべ?」
幽「まぁスタンダードな所だと、音楽室・体育館・トイレ・教室・給食室・廊下・理科室とかに何かあるな。
学校によって全然違うけど。」
蔵「鏡ってのもありますね。あと時間合わせとか。」
飛「くだらん。所詮下校時間が過ぎても帰らん生徒を家に追い返すために流した噂だろ。」
蔵「だからこれからそれを調べに行くんじゃないですか。デマかホントかそれ以上の事があるのか。」
鈴駒「この小説でもし酎と同級生だったらタイムスリップよりミステリーアワーだったね。」
死「鈴木と同居してる事の方が超常現象だ。」
鈴木「私の美しさはまさに謎のベールに隠された神秘の境地・・・!!」
鈴駒「ねぇ、何かワケ分からない人がワケ分かんない事言ってるんだけど?」
蔵「まぁ俺の聡明さは未知の領域と言う事で、早速行きましょうか。何かスタンプラリーみたいな台紙ももらってますし。」
陣「全部集めたら何かもらえるだかな?」
凍「と言うか・・・本当にコレ確かめに行くのか・・・?」
鈴木「何だ凍矢怖いのか?怖いんだったら遠慮無く手繋いだり抱きついてきたり接吻してきたりしていいんだからな!」
斬!!!
死「凍矢、鈴木に何かされたら遠慮無く斬って斬って斬りまくれ。」
蔵「あらら。当校の七不思議に『放課後セクハラまがいな事すると美形のお兄さんに斬られる』と言うのが追加されちゃいましたね。」
鈴駒「やだよそんな七不思議の一部・・・」
死「第一セクハラまがいでは無くセクハラそのものだ。」
凍「なぁ、やっぱり止めないか?」
陣「凍矢マジで怖いだか?」
凍「いや・・・絶対くだらないオチが待っている気がして・・・」
飛「俺もそう思う。今までまともなオチだった例しが無い。」
死「どう転んでもな。」
蔵「まぁそういう小説ですから。結論だけ言っちゃうとそうなんですけど。」
幽「言うなって。」
鈴木「いいからさくさく行こうでは無いか。あまり夜遅いと肌に良くない。」
蔵「大丈夫ですよ。あなた出血多量で顔若干蒼白いから。えっと、もらったパンフレットによると・・・」
凍「パンフレットまで・・・」
陣「至れり尽くせりだべ。」
蔵「ウチの学校の七不思議の舞台は音楽室・プール・美術室・体育館・保健室・トイレ、あと一つは自力で探して味噌カツ』だそうです。」
鈴駒「ホントにその語尾『味噌カツ』って書いてんの?」
蔵「いえ別に。何となく付けてみました。お茶目でしょ?」
凍「お茶目ってお前・・・」
陣「なぁなぁ、どっから行くだ?」
鈴木「私はプールから見てみたいぞ。」
幽「何でだよ?」
鈴木「死々若の水着姿が見たいからだ!」
死「泳ぎに行くんじゃない。お前を沈めに行くのは構わんがな。」
凍「まぁ、ここの正面玄関からは一番近いからな。」
陣「何が起こるだべな?」
蔵「それは行ってみてのお楽しみでしょう。」
蔵「ふふ・・・いってらっしゃーい。」-七不思議in プール-
鈴駒「えー、活字だけの世界なのでよく分からないと思いますが、今だいたい夜の10時位です。」
蔵「夜の10時位は暗い・・・なんちゃって。」
幽「えっ・・・?」
飛「それで、ここは何が不思議なんだ?」
躯「お前がこの時間に起きてる事自体不思議なんだが、何でも夜にこのプールの第四コースで泳いでいると引っ張られるそうだ。」
鈴駒「ここの七不思議の元凶になった奴がプールの中に作った異次元とかに!?」
躯「いや、水泳パンツを引っ張るそうだ。」
ドテッ
鈴駒「何でそんなもんひっぱんの!?」
躯「何でもとある教師が好きな教え子に相手にされなくての仕業だとか何とか。」
飛「くだらん・・・!!くだらんにも程がある・・・!!」
幽「しょっぱなからコレかよ・・・」
死「俺は最後までこうだと思う。」
陣「何だ、じゃあここは怖くない七不思議なんだべ。」
凍「不思議と言うより迷惑に分類されると思うがな。」
鈴木「全く、何と美しくない七不思議なんだ。これではミステリアスとは呼べんぞ。」
鈴駒「誰だよこんなアホらしい噂流したの・・・」
幽「でもよ、その七不思議と呼べるレベルかどうかは微妙なそれさ、今まで全然聞いた事無かったぜ?」
飛「あまりにくだらない内容だから聞いた奴もあきれて流す気が失せたんだろ。」
陣「あっ、せっかくだから少し泳ぐべ。今なら泳ぎたい放題だべ♪」
凍「何を言って・・・ん?そういえば・・・この前の体育は水泳だったよな?」
死「ああ、それがどうかし・・・ん?」
鈴駒「そう言えばあの時死々若四コースで泳いでなかったっけ?」
死「そう言えば・・・」
鈴木「何!?死々若!お前どこの誰かも分からない男にパンツを引っ張られてあまつさえお前の可憐な尻を
みすみす私以外の誰かに見られたのでは無かろうな!?」
死「そう言えば・・・あの時お前によく似た男にパンツ引っ張られたな・・・」
鈴木「え?」
斬!!!
死「良かったな。とりあえずコレで一つはまともな七不思議が入る加入出来る枠だけは出来た。」
鈴駒「あー・・・プールの水が血に染まって赤い・・・」
蔵「コレだと七不思議っぽいんですけどね。『○○時になるとプールの水が血染めになる』って感じで。」
躯「確かにな。」
陣「あっ、今思い出したけど、オラこのプールであった怖い話し聞いただな。」
幽「おっ、何だちゃんと怪談らしい怪談もあんのか?」
陣「どっかのクラスの子が泳いでる時足つって溺れかけたそうだべ。んで、その時声が聞こえたんだって・・・」
鈴駒「声ってどんな?」
陣「『溺れたら俺の熱い人工呼吸が待ってるぜ』って・・・」
鈴駒「酎じゃんよ、それ。」
蔵「確かにある意味最強の七不思議ですね。」
死「不思議じゃなくて恐怖・・・いや、絶望と言った方が正しいかもしれんな・・・」
凍「その溺れかけた奴は・・・どうなったんだ?」
陣「その声が聞こえた後腕の力だけで泳ぎきって無事だったけど、頑張ったご褒美だって言って結局ブッチュされたとか。」
死「哀れな・・・」
凍「むごい・・・」
幽「・・・そういやぁ、これってスタンプラリーなんだよな?スタンプってどこにあんだよ?」
鈴駒「プールの中かな?」
死「更衣室か?」
酎「おっ?何だ?お前等こんな時間に。」
鈴駒「お前人の事言えないだろ。丁度いいや。スタンプってどこにあんの?」
酎「スタンプ?」
陣「スタンプ集めたら何かもらえるみたいなんだべ。」
酎「ああ、そういや校長にここに誰か来たらスタンプ押してやれって言われてたな。
何でもコンプリートした奴に修学旅行先の決定権を与えるとか何とか。」
陣「修学旅行だべか。オラ北海道行って海の幸堪能したいだなv」
凍「いや、ここはやはり歴史情緒あふれる千年の都京都だろ。」
幽「やー、やっぱり日本を飛び出して海外っしょ。」
酎「校長が言うには太平洋かチョモランマだってよ。」
鈴駒「果てしなく極端な選択ね。」
飛「どうでもいいが持っているんだったらさっさと押せ。俺はこんな下らない事はさっさと終わらせて寝たいんだ。」
躯「ダメだぜ飛影。ウチの校長の命令は絶対だからな。」
幽「てかウチの校長って誰?」
躯「オレ。」
死「・・・そうだったか?」
躯「世の中日進月歩。校長だって日替わりさ。毎日同じだと思ってると痛い目見るぜ?」
鈴駒「食堂のメニューじゃないんだから・・・」
凍「痛い目かどうかは分からないがろくな目には遭わない・・・」
酎「で?スタンプはどこに押すんだ?」
死「ああ、この台紙に押せ。」
酎「おめぇ、一応教師と生徒って設定なんだからもう少し礼儀正しくしろよな。ほれ、ぽちっとな。」
蔵「じゃあ次行ってみましょう。」
陣「次どこへ行くだ?」
凍「ここから一番近いのは美術室だな。」
幽「よーし、んじゃそこ行ってみるべぃ。」
幽「にしても、夜中の学校ってのは廊下歩くだけでも何か感じが違うよな。」
飛「昼間と違って騒がしくなくていい。寝るにはもってこいだ。」
蔵「あなたはどんな状況下でも寝られるでしょ。」
飛「ふん。」
蔵「うーん・・・この怪談は恐怖感にいまいち欠けるな・・・もうちょっと濃度あげないと・・・」
躯「と言うかあのプール酒臭かったが酒を入れたのか?」
蔵「酎が『酒風呂があんなら酒プールがあったっていいじゃねぇか』とか言ってましたね。」
躯「ある意味アルコール消毒だな。」
蔵「どっちかと言うとアルコール中毒?」
-七不思議in美術室-
鈴駒「今更なんだけどさ、オイラ達普通に妖怪なんだよね。」
酎「それを言っちゃあおしめーよ。羊はメェ〜。」
死「それで?ここではどんなくだらないオチが用意されてるんだ?」
蔵「まぁまぁ、まだどんな不思議かも分からないのにはなっからあきれちゃダメですよ。」
鈴駒「でもくだらないんでしょ・・・」
幽「美術室っつったらやっぱ絵画か?」
蔵「何でもここに飾ってある絵の一枚がどうもいわくつきらしいですよ。」
陣「うー、夜の絵って何か不気味だべ・・・」
凍「ああ・・・何だか今にも動き出しそうだからな。」
酎「んで?その問題のピクチャーはどれよ?」
蔵「確か東側の壁の右から三番目の二段目の絵です。」
鈴駒「えっと、三番・・・二段・・・あ、あれ?」
陣「うー、見るのちょっとこえぇだな。」
飛「これか・・・」
幽「コレ黄泉が描いた自画像じゃん。」
躯「あれは『不思議』じゃなくて『不気味』だな。」
死「そもそもあんな絵は『絵画』では無く『怪画』だ。」
蔵「本人の画力の問題かモデルそのものの問題かはあえて問いませんけどね。」
陣「これなら怖くないだな。あっ、スタンプ見っけ♪ぽちっとな。」
うぅ・・・う・・・
この後、この絵の事について話しているとどこからともなくすすり泣きが聞こえてくる様になったと言う・・・
蔵「うわー、皆さん本人がいないからって言いたい放題言いまくってますね。」
躯「仕方ないだろ。言いたい放題言いたくなる所満載の絵なんだから。」
蔵「にしても・・ホントに下手ですね。」
躯「まぁ、あれはあれで似てると思うがな。」
蔵「写真みたいですね。おっと・・・次の撮影ポイントに行かなくては・・・」
蔵「二弾目もこれと言ってインパクトがありませんでしたね。次に期待して体育館行ってみましょ。」
鈴駒「あの絵はある意味セカンドインパクトを感じたけどね。」
飛「ちっ・・・こんなくだらん事に付き合ってられるか。俺は保健室で寝てくる。終わったら起こしに来い。」
陣「行っちゃったべ。」
鈴木「相変わらず協調性の無い奴だ。」
鈴駒「アンタだって常識無いでしょ。」
蔵「俺も協調は苦手ではありませんがどっちかと言うと調教が得意です。」
死「怪しすぎる薬草と鞭でな・・・」
鈴木「むー、でも保健室も悪くないな。」
死「何がだ?」
鈴木「ほら、保健室ならベッドも包帯もあるし。」
死「だから何がだ。」
鈴木「死々若ってばー、分かってるくせにそこまで私に言わせたいのかvv」
死「・・・今ここでお前を描いてやろうか?そのまま遺影にしてやる。」
陣「んじゃ体育館にレッツゴー!」
蔵「おっ。動きましたね。じゃあ俺体育館担当しますのでそっちはよろしく。」
躯「ああ、任せておけ。」
−七不思議in体育館−
死「で?ここは何がどうしたい所なんだ?」
蔵「何でも入ったら最後、シュート二万本決めるまで出られないだの、白鯨極めるまで帰れないだの、その他にも色々諸々。」
鈴駒「達成型七不思議なの!?」
幽「ダンジョンじゃあるめーし・・・」
躯「いいじゃないか。運動不足の解消にはもってこいの七不思議だ。」
蔵「えっと、クリア条件のスポーツは選択可で、制限人数は二人だそうです。」
陣「はーい!じゃあオラやるだ!凍矢一緒にやるべvv」
凍「ああ。」
蔵「じゃあここは任せましたよ。」
鈴駒「頑張ってねー。」
鈴木「よし、ならば美しい私達は音楽室へ行ってみよう。」
死「何で貴様なんかと行かねばならん。」
幽「じゃあ俺達は所在不明な所探すとすっか。」
鈴駒「だね。」
蔵「えっ?探すんですか?」
幽「だってこのパンフに載ってねーし。」
鈴駒「蔵馬知ってるの?」
蔵「知ってると言うか・・・探す必要は無いんじゃないかなーと。」
幽「一つだけ判明してないってのも気分が悪いぜ。」
蔵「さて、小手調べはここまでにしてっと。そろそろ本領発揮と行きますか。」
躯「じゃあオレは保健室行ってくるから。」
飛「・・・・・・」
躯「あーあ・・・また可愛い寝顔ひっさげてよく眠ってやがる・・・これじゃあ襲い甲斐が無いな・・・」
飛「・・・・・・」
躯「これじゃあお休みのキスにしかならんが・・・まぁ、いいか。」
飛「ん・・・・・・」
躯「・・・・・普通は逆だぜ?飛影・・・」
-七不思議in保健室-
飛「くだらん・・・いつまでやっているんだあいつら・・・」
躯「まぁ、そう言うなよ。夜の校舎ってのも結構乙なモンだぜ?」
飛「躯っ・・・!お前いつの間に・・・」
躯「いつも何も今来たんじゃないか。何を驚く事がある?」
飛「あいつらと一緒だっただろうが。」
躯「ああ、ちょっとお前と二人きりになりたくてさ。」
飛「他の連中はどうした?」
躯「ん?ああ、あいつらは今体育館でシュート二万本中やら何やらさ。
まぁ、そんな事はどうでもいい。さ、あいつらが来る前に済ませようぜ?」
飛「済ませる?何をだ?」
躯「ふっ・・・お前も野暮な事を聞くな?人気のない保健室でする事なんて一つしかないだろ・・・?」
飛「貴様っ何を・・・!人の服に手を掛けるな!」
躯「脱がなきゃ出来ないだろ?オレに脱がされたくなかったら自分でさっさと脱ぎな。」
飛(こっ、このサイトは確か全年齢対応型ではなかったのか!?様々な過激発言は飛び交ってはいるが(主に鈴木)
しかしそれ以上の事は展開されなかったはず・・・!こ、これは転機なのか!?1192来航大化の改新なのか!?
管理人のギャグのネタが万策尽きて方向転換を図ろうというのか!?
※飛影大混乱中
躯「ほら、まずは身長測ってやるから。」
飛「は?」
躯「は?じゃねぇよ。せっかくだから身長測って行こうぜ?少しは伸びてるといいな。」
飛「・・・身長?」
躯「あいつらがいたら素直に測ろうとしないだろ?だから今のうちに測っておこうと思ってさ。」
飛「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
躯「お前、何をすると思ってたんだ?」
飛「身体計測なら身体計測と先に言え!」
躯「だから何をすると思ってたんだ?」
飛「・・・」
躯「ん?顔が赤いな。熱でもあるのか?身体計測より先に検温だな。」
飛「べ、別に熱などない!俺に構うな!」
躯「何どもってるんだよ?別に熱を出す事はおかしい事でも悪い事でもないぜ?まぁ、お前にしては珍しいがな。」
飛「貴様がおかしいんだろ!」
躯「いいからおとなしくしてろよ。風邪は引き始めが肝心、人間は諦めが肝心と言うだろ?」
飛「俺達は妖怪だろうが・・・」
躯「屁理屈が言えるならたいした事ないんだろうが、お前から風邪をもらって手厚く看病してもらうのも悪くはないな・・・」
飛「お前・・・いい加減に・・・!」
躯「熱は発散させたほうが早いし・・・なぁ?」
飛「貴様校長だろ!だったら校長室で仕事してろ!」
躯「今だけは保健医。お前専属のな。」
飛「なっ・・・!」
躯「今楽にしてやるよ・・・」
躯「おやおや・・・寝てる時の方が目まぐるしく表情が変わってるな。
もうちょっと見ていたい気もするが・・・あんまりからかっても可哀想だしな・・・
仕方ない・・・そろそろ起こすとするか。」
トントン
飛「はっ・・・!!夢か・・・ちっ・・・何だってこんな夢を・・・」
躯「夢ってどんな夢だったんだ?」
飛「何でも無い・・・・・・・って、何故貴様ここに!?」
躯「起こしに来てやったんだろ?それより、こんな汗びっしょりかいて・・・早く脱いで乾かさないと風邪ひくぜ?」
飛「・・・」
躯「あっ、タオルがあった。これで体ふけよ。」
飛「・・・」
躯「しかし、お前がそれだけ寝汗かくくらいだからよっぽど嫌な夢を見たんだな。」
飛「・・・・・だった。」
躯「ん?」
飛「いい・・・夢だった・・・正夢になったらいいと思うくらいな・・・」
躯「ふーん・・・そりゃ良かったな。じゃあ次の七不思議に行こうぜ。スタンプも見つけたしな。」
飛「ああ・・・」
躯「一体どんな夢見てたんだか・・・夢の中でも寝てる気がしないでもないがな。 まっ、帰ってからのお楽しみだな・・・」