−七不思議in体育館−
陣「ふぇー、やっぱ夜の体育館はシーンとしてるだな。声がよく響くだな。あー!」
凍「当たり前だろ。あまり大声出すな。さて、早くシュート済ませてあいつらと合流だ。ボール取ってくる。」
凍「バスケットボールは・・・こっちには無いな・・・隣の用具室か・・・?ん?何だ・・・この感覚は・・・」
陣「凍矢ー、何してるだ?」
凍「ああ、すまん。今ボール持っていく。」
陣「凍矢そっちじゃないだよ?こっちだべこっち。」
凍「別に引っ張らなくても・・・そっちって・・・そっちはクッションしかないって・・・おいっ!?」
陣「へへー、このクッション結構気持ちいいべ?オラたまにここでお昼寝してるんだべv」
凍「何を・・・俺達は昼寝をしにきたのでは無いだろ?ふざけてないでさっさとどけ・・・」
陣「床の上じゃ痛いだべ?このクッションなかなかの寝心地なんだべ。」
凍「寝心地も何も俺達はシュートを・・・」
陣「オレ、バスケットより凍矢としたいだな・・・」
凍「したいって・・・」
陣「オレさっき言ったべ?凍矢としたいって。」
凍「あれは・・・!」
陣「男に二言はダメだべ・・・」
凍「陣!いい加減に・・・!!」
陣「心配いらねーべ。体育館は響くけど、こっちは響かないだから。
それに凍矢我慢強いからあんま声出そうとしないし・・・素直に出せばいいのにさ・・・」
凍「お前・・・!ここは何する所だと思って・・・!!」
陣「体育館は汗かく所だべ?]
凍「お前・・・俺の冷や汗が見えないのか?」
陣「凍矢は本当に心配性だな。濡れちゃえば一緒だべv」
凍「ここは体育をする場所だ!陣、お前一体どうしたんだ!?」
陣「保健も体育のうちだべv」
凍「何鈴木みたいな事言って・・・んっ・・・」
陣「早くしないと誰か来ちまうだからな・・・」
凍「陣!冗談も大概にしろ!」
陣「冗談なんかじゃないべ。本気に決まってるべ・・・?」
凍「陣・・・・・」
陣「凍矢・・・オレの事・・・嫌い?」
凍「そんな事・・・お前を嫌いになる理由なんて俺には思い浮かばん・・・」
陣「凍矢・・・オレ凍矢の事大好きだべ・・・」
凍「んっ・・・陣・・・俺もっ・・・」
陣「凍矢・・・凍矢・・・凍矢!!」
凍「うっ・・・何だ・・・?夢・・・か?」
陣「凍矢どうしただ?ボール取りに行ったきり戻って来ないから、様子見に来たらマットの上で寝てるし。」
凍「そういえば・・・用具室に入ったら頭がクラクラして・・・」
陣「凍矢、何でこんな所で寝てるだ?風邪ひくだよ?」
凍「・・・大丈夫だ、何ともない・・・はず・・・」
陣「そっか?ならいいんだけど。あっ、あったべ、バスケットボール。」
凍「・・・・・」
陣「ん?凍矢なんかぐったりだな?具合悪いだか?」
凍「いや・・・そんな事は・・・お前は平気か?」
陣「ん?ああ、オラさっき蔵馬から栄養ドリンクとのど飴もらっただ。コレ飲んだら元気モリモリだべ!」
凍「・・・なるほど・・・(蔵馬の奴・・・)」
陣「でもコレ飲んだら急に眠くなってきてオラもちょっとここで寝ちゃっただv」
凍「そうか・・・」
陣「なーんか夢見てた気もするんだけど・・・何かいい夢だった気がするべv」
凍「まさか・・・!」
陣「凍矢も飲むだか?結構うまいだよ?それとも飴にするだか?」
凍「絶対飲まん食わん!!」
躯「普通に見てる分には何が起こってるかさっぱりなんだが、首尾はどうだ?」
蔵「上々ですよvふふ・・・コレはいい絵が撮れましたね・・・」
躯「祭りってのは金がかかるからな・・・」
−七不思議in音楽室−
鈴木「いやー、こんな夜中のスクールで二人っきりなんてドキドキしてムラムラくるな。」
死「俺はイライラしてムカムカくるがな。」
鈴木「にしても、夜中の音楽室は昼間とは全然雰囲気が違うな。」
死「暗いだけだ。それ以外は同じだ。」
鈴木「せっかく音楽室に来たんだ。デュエットしないか?」
死「音楽室はカラオケルームじゃない。」
鈴木「ほら、マイクもあるし。のど飴もある。」
死「何故・・・」
鈴木「発声の基本は腹式呼吸!さぁ、一緒にやるぞ死々若!」
死「誰がやるか。」
鈴木「じゃあ人工呼吸をしてやろう!」
死「俺を殺す気か!?」
鈴木「死ぬ時は一緒だ!」
死「下らない事言ってる暇があったらさっさとスタンプ探せ!俺はさっさと帰りたいんだ!」
鈴木「全く、せっかく誰もいないんだから好きに音楽を楽しもうじゃないか。月も丸いし。」
死「月が三角だろうと四角だろうと俺はさっさと帰る!」
鈴木「なら合奏でも良いぞ?私がピアノを弾くからお前は歌えv」
死「一人で『鈴木踏んじゃった』でも弾いてろ。」
鈴木「そんなつれない事を言うなよ。」
死「夜更かしすると肌が荒れると言ったのは貴様だろ。叫びすぎて喉が痛くなった、のど飴よこせ。」
鈴木「私特製ののど飴と陣にもらったのど飴どっちがいい?」
死「陣のに決まっているだろ。あとは一人でピアノでもギターでも好きに演奏してろ。」
鈴木「ふーん・・・じゃあ今夜はお前という楽器を奏でようか?」
死「お前・・・自分で言ってて恥ずかしくないのか?そんな歯の浮くような台詞・・・」
鈴木「楽器も人もある意味同じだな。吹奏楽器は唇や舌の動きが重要だし、弦楽器は弾き方や強さ、指使いが重要だしな・・・」
死「は?」
鈴木「さしずめお前の着てる着物は楽器ケースと言ったところか?」
死「何馬鹿な事を言って・・・!人の着物に手を入れるな!」
鈴木「ケースから出さねば楽器は弾けまい?」
死「ふざけるな・・・!」
鈴木「音楽室は押し倒す場所が無くて残念だな。保健室は飛影に、体育館は陣に取られたしな。」
死「貴様・・・寝惚けるのは寝てからにしろ・・・」
鈴木「ふふっ・・・楽器は手なずけるのがまた一興・・・吹奏楽器と弦楽器どっちが好きだ?やはり和風に琴がいいか?」
死「貴様・・・冗談じゃすまさせんぞ!・・・あっ・・・!!」
鈴木「本物と違って弦が二つしか無いがそれでもいい声、もとい音を出すな・・・
だが鼓動は若干乱れているな・・・左の方をはじいた時の方が少々テンポが速い。」
死「あっ・・・!鈴木、いい加減にせんと容赦せんぞ・・・!!」
鈴木「これはほんの序章に決まっているだろ?いや、リハーサルと言った方がベターか?」
死「貴様っ・・・!」
鈴木「好きに奏でていいんだぞ?コレは楽譜のない音楽なんだからな・・・」
死「くっ・・・あっ・・・鈴木いい加減に・・・!!」
鈴木「死々若ー、何そんな誘うような声を出して寝ている?」
斬!
死「うなされてたんだよ!!」
鈴木「うなされていたと言うより喘いでいた感があったが?」
斬!!
死「どうでもいいが・・・何故俺の着物がこんなに乱れているのだ・・・?」
鈴木「お前がやたら寝返りを打ちながら寝ていたからだろ?」
死「・・・じゃあこの顔に残る不快感は何だ・・・?」
鈴木「お前が急に眠りこけるから添い寝したついでに寝顔にキスの10個や20個したって良いではないか!」
斬♪斬♯斬♭
死「俺からお前に捧げる葬送曲だ。」
鈴木「わ、私にラブソングを・・・」
死「いいからさっさと出るぞ!スタンプをさっさと探せこのセクハラ道化師が!!」
鈴木「死々若!何て事を言うんだ!!」
死「事実だろうが!!」
蔵「いやー、よくもまぁあんなポンポンと恥ずかしい事が言えますね。」
躯「お前だってじゃらじゃら出せそうじゃないか。飛影には絶対無理だがな。」
蔵「いくら俺だってあそこまでは出ませんよ。ちなみにあの飴陣経由で俺が渡したんですけど。」←警戒されるから
躯「どうだか・・・」
蔵「黄泉に言われたら鳥肌立ちそうですね。」
躯「飛影に言ったらどんな反応するかな・・・(今度やってみようかな?)」
−七不思議inおトイレ−
鈴駒「あっ、陣と凍矢だ。おっかえり〜。」
陣「シュート二万本決めてきただ!オラバスケットって初めてやっただよ!二万本入れたらスタンプが上から落ちてきたべ。」
幽「ようお疲れ。おー、汗びっしょりじゃん。二人とも。」
蔵「たまにはこういう汗のかき方もいいでしょ?」
凍「俺の汗は運動だけの汗ではないがな・・・」
陣「へ?」
鈴駒「じゃあコレで3個スタンプGETだね。」
陣「そういやまだ分かってない七不思議見つけただか?」
鈴駒「全然。思いつくトコは探したんだけどスタンプが無くて。」
幽「はじめから無かったりして。七つ目。」
蔵「それだけは無いと思いますよ?」
幽「あん?」
陣「あっ、いっぱい運動したらションベンしてきたくなったべ。」
幽「あっ、そういや俺も。」
蔵「じゃあそこの廊下の突き当たりのトイレに行きましょう。」
陣「そういやここのトイレって花子さんの噂がある・・・」
蔵「そう言えば・・・でも普通は女子トイレの方でしょ。」
幽「何が花子さんだ。螢子さんの方が一兆倍怖いっての。」
蔵「その台詞螢子ちゃんに聞かれたら打ち首モンですよ?」
幽「何言ってんだ。ここ男子トイレだし、あいつは家に帰ったし。」
螢「聞こえてるわよ・・・」
幽「えっ。」
陣「今何か聞こえなかっただか?」
幽「・・・聞こえなかった事にしたい・・・」
飛「ふん・・・軟弱な奴だ。」
幽「お前だって躯に頭上がらないくせに・・・って!?飛影いつの間に来たんだよ!?」
飛「今来たばかりだ。ほら、保健室のスタンプ。」
蔵「飛影黒ずくめだから夜の学校ではホントに目立ちませんね。」
幽「ちっちゃいから昼でも目立たないけどな。」
飛「便器に首から突っ込んでやろうか?」
鈴木「はっはっは!私達も音楽室でスタンプを見つけてきた!コレで5つ目だろ!」
鈴駒「あっ、トイレの手洗い場にスタンプ発見。コレで6つ目。」
幽「いよいよあと一つだな。」
鈴木「にしても、もっとこうこの学校オリジナルの七不思議は無いものか。」
陣「オリジナルって?」
鈴木「例えば落っこちたら女になったりパンダになったり子豚になったり猫になったりする泉とか
現代と平安時代をつなぐロードとかは無いものかな。」
鈴駒「ここ中国じゃないから。呪泉郷無いから。」
死「お前の体なら1/2にしてやるが?」
陣「マグロの解体みたいだべ。」
幽「でも最後のあと一つって何なんだ?」
鈴駒「家庭科室にも理科室にもグラウンドにも無かったし・・・」
鈴木「他に不思議がありそうな場所と言えば・・・」
陣「言えば?」
鈴木「死々若の下着の下かな?」
斬!!!
鈴駒「あ〜あ、また廊下が血だらけだよ・・・」
凍「仕方ない・・・こうなったらみんなで手分けして校内をくまなく探すしか・・・」
鈴駒「えー、また同じトコ探すの?」
鈴木「ここまで来たらコンプしようではないか。」
蔵「ふ・・・」
陣「蔵馬どっか思いついただか?」
蔵「・・・いえね、不思議なんて言う物はね、意外と結構身近にあったりするんです。そう・・・例えば・・・普段何気なく隣にいる人とか・・・
後ろを歩く人とか・・・何も知らないフリをしている人とか・・・ね?」
凍「蔵馬?」
蔵「例えば・・・俺は本当に蔵馬なのか・・・とか?」
幽「蔵馬?何言って・・・何だ・・・急に・・・眠く・・・」
陣「何か・・・変な匂いするだ・・・」
凍「コレは・・・」
死「意識が・・・」
鈴木「眠れる学校の美男・・・な・・・わ・た・し・・・」
蔵「皆さんおやすみなさい・・・そしてご苦労様・・・でも・・・まだ終わりじゃないですよ・・・」
七不思議の怖さの醍醐味は・・・七個目の不思議を知った時・・・ですからね・・・
陣「んっ・・・・あれ?ここどこ・・・だべ?」
鈴駒「あー・・・なーんか頭がボーっとする・・・」
飛「ちっ・・・一体何だったんだ・・・」
死「夢・・・では無いな・・・嫌って程さっきの事が頭をよぎってる・・・」
凍「さっきまで集めてたスタンプもある・・・」
幽「何だってんだよ・・・蔵馬いねーし。」
凍「どうやら・・・まんまと踊らされたらしいな・・・俺達・・・」
陣「踊らされたって誰に?」
死「奴しかいないだろ・・・」
鈴木「むっ、生徒会室に明かりが・・・」
凍「行くぞ・・・!」
蔵「なーんてね・・・ほら・・・鬼太郎の歌の歌詞にもあるでしょう?言うこと聞かない悪い子は・・・
夜中迎えに来るんだよ・・・って・・・」
躯「なぁ・・・」