『中学生日誌〜学生はつらいよ〜』 三時間目


☆この小説を読んでいただくにあたって★

この小説にはグロテスクな表現等は全く含まれてはおりませんが、今回の授業は数学です。

管理人の殿さんは大変数学が苦手でございます。

『だって文系なんだもん』と言っている割には英語も弱い殿さんが、

『だって数学から離れて3年経ってるもん』と言っている割には現役の時も酷かった殿さんがお送りする数学ですので、

文章中の式・計算等が間違っていると思われる場合は見逃してやってください。

そしてそっと正しい計算式を教えてやって下さい。





カランコロンカランカランコロン




鈴駒「ちょっと!!チャイム鬼太郎のゲタの音になってるよ!?」

死「進化し続けるチャイムだな・・・」

凍「気を付け!礼!鈴木着弾!!」

ドゴーン!

死「ちっ・・・もう帰って来たか・・・」

鈴駒「除夜の鐘ちゃんとついてきた?」

鈴木「そんな事出来るか。代わりに私の美声で年越しソングを歌ってきたぞvv」

死「良かったな、そのおかげで今年の破魔矢は大売れだ。」

蔵「はーいvv三時間目は教科のアイドル数学です。みんな宿題はやってきたかなー?

まさか二年近く休み時間があったんですから出来てないわけありませんよね〜?」

陣「はーい!!ちゃんと写しただ!」

蔵「はい、潔く(いさぎよく)ていいですね。後で職員室にいらっしゃいvv」

凍「陣、バラすんじゃない・・・」

鈴駒「と言うより休み時間が二年って・・・」

鈴木「ギネス狙えるな!」

蔵「ギネスブックに載る前に文部科学省から厳重注意を受けますよ。」

幽「蔵馬ー、俺聞きたい事があんだけど。」

蔵「幽助君、仮にも俺は今教師ですから、蔵馬先生、もしくは南野先生と呼んで下さいね。で、何でしょう?」

幽「今更だけど今日は一体何時間授業なんだよ。」

鈴駒「そもそも時間割もらってないしね。」

死「その前に時間割が存在するのか?」

蔵「いいですか?人というのは涙の数だけ強くなれたり、優しくなれるんです・・・同じく、

授業もネタの数だけ時間割が増えるんです。」

凍「同じとは思えないが・・・」

死「つまりネタが尽きない限り授業は終わらないと・・・」

鈴木「それは困る!放課後は死々若とデートする予定があるのだ。」

「無い。あり得ない。」

蔵「それじゃさくさく行きましょう。では第一問、

『南野秀一君は朝毎分200mの速さで学校に行きました。南野君が家から600mの所にいる時、

忘れ物に気付いた母親が分速300mで追いかけてきました。

さぁ、この二人が出会うのは何分後でしょうか?』」

修「うぇ〜、僕数学嫌い〜。」

蔵「パパとどっちが嫌い?」

「人の息子にそんな事聞くな!!大体聞くまでも無く数学に決まっているだろ!!」

躯「は?お前だろ?」

修「パパ授業の邪魔だよー。」

『ガーン!!』

陣「えっと・・・蔵馬が200・・・母ちゃんが400・・・」

凍「そんなに難しい事じゃないぞ陣。答えは6分後だ。」

陣「ふぇー、凍矢計算早いだなー。」

蔵「ぶぶー、残念ながらはずれです。答えは0分後です。」

凍「どうしてだ?」

鈴駒「だって6分後にいる地点は南野君は200m×6分+最初の距離の600mで1800m、

お母さんも300m×6分で1800mで同じ場所にいる事になるよ?」

蔵「俺が忘れ物するわけないじゃないですか。だから母親が追ってくる必要はありません。」

幽「んなのありかよ・・・」

蔵「じゃあ頭の準備体操も終わったことですし、真面目にいきましょうか。」

飛「何を今更・・・」

蔵「じゃあ今のと同じ形式で。今度はちゃんとした答えでOKです。」

死「『ちゃんとした』って何だ・・・」

蔵「『修羅が黄泉におつかいを頼まれてスーパーに向かいました。』」

躯「息子に行かせてないで黄泉が自分で行けばいいだろ。」

飛「そりゃそうだ。」

黄「おつかいは大切な社会勉強の一つだ。人の子供の教育に口を出さんでもらおう。」

蔵「どうでもいいですが人の授業を邪魔しないでくださいね。

修羅は分速5kmの速さで近所のスーパーへ行きました。ですが肝心のおつかいメモを黄泉が渡し忘れてしまいました。

修羅に罪はありません。全ては父親である黄泉の責任です。全く困ったパパさんです。おつかいメモが無くてどうしておつかいが

成り立ちましょうか?ああ・・・修羅は初めてのおつかいに夢と希望と情熱を持って臨もうとしているのに・・・』

「要点をしぼらんか!!要点を!!」

蔵『修羅が家から60km離れた地点にいる所でおつかいメモを渡し忘れた事にようやく気付いた黄泉は、

分速20Kmで修羅を追いかけました。さて、この二人が出会うのは何分後でしょうか?』

躯「出会わないんじゃないのか?後ろから猛スピードで子供を追い回したら現行犯逮捕だぜ?」

鈴駒「修羅も全力で逃げそうだしね。」

「自分の子供を追いかける事のどこが犯罪だ!?」

幽「そもそもこの手の問題はおかしいんだよ。んなぴったりにずっと同じ速度で歩いたり走ったり出来るとは

かぎらねーし、信号につかまったりするかもしんねーじゃん。」

陣「そうだべ、誰かに道を聞かれたりするかもしれねーべ。」

鈴木「そうだそうだ。私に見とれて立ち止まってしまうしな。」

「それは無い。」

蔵「俺に言わせてもらえばあなた達を生徒に受け持った事がアクシデントですよ。」

黄「仕方なかろう。教師の数が足りんのだから。」

蔵「黄泉が同僚って言うのも俺にとってはアクシデントですけどね。」

「え。」

蔵「あなた達の考え方が予想外の動きですが、この手の問題においては何が何でも同じ速度で移動、

道を尋ねられてもスルー、信号もスルー、ドライブスルーもスルーと言う前提でお願いします。

あっ、でもそれ以外の時はちゃんと道も教えて、信号も守ってくださいねvv」

幽「んーっと、修羅が分速5Kmで動いて、黄泉が分速20Kmで修羅をストーカーして・・・」

「自分の息子をストーカーする父親がどこにいる!?」

躯・鈴駒・死々若「「「ここ。」」」

黄「・・・・・・」

凍「反論しないのか?」

躯「出来ないんだろ。親バカだから。」

蔵「さぁ、誰か分かった人はいませんか?」

陣「凍矢はもう分かったんじゃねぇべか?」

凍「数学的な答えは出たがそれが正解かどうかは分からないな・・・」

飛「ふん・・・簡単な事だ。」

蔵「おや、起きてる時間より居眠りしてる方が圧倒的に多い飛影君、分かりましたか?」

幽「すげぇじゃん飛影、睡眠学習ばっかなのによ。」

飛「ふん・・・おおかたメモを忘れて届けに行ったはいいが、追いかけてる途中に金も渡し忘れた事に気付いて引き返したが

あいにく家にも持ち合わせが無く近所のATMに走るが肝心の通帳を忘れてまた取りに戻ったらATMは長蛇の列が出来ており

やっと自分の番になったと思ったら機械のメンテナンスが始まりもう一件の銀行の銀行か郵便局まで走って

操作ミスを三回ほど繰り返してようやく引き出した金を持って追いかけたとするならざっと見積もって23分後と行った所だろ。」

「設定を増やすな!!」

鈴木「いや、ここは街頭アンケートにつかまって5分ロスと言う事も含めた方が・・・」

蔵「ちょっとちょっと、誰か一人くらいまともな答えを出してくれる人はいないんですか?

修「うーん、僕分かんない。実際パパが追いかけてきたら魔円狡かますけど。」

黄「修羅!何て事を言うんだ!!」

躯「修羅、何て良い事を言うんだ。」

凍「答えは4分だ・・・」

陣「凍矢は社会も国語も数学もすごいだなvv」

蔵「そうですよ、陣。皆さんも凍矢を見習いましょうねー。」

「いくら生徒が模範生を見習ったって教師がこれじゃあな・・・」

蔵「何か仰いました?」(鞭シャキーン)

「教室に鞭を持ってくるな!!」

蔵「コレは俺の教鞭です。教鞭は教師の必需品です。」

鈴駒「うわー、教鞭トゲトゲだよ。」

蔵「それじゃあ次の問題行きましょうか。おや、たった二問だけで授業終わっちゃいそうですね。」

凍「そんな事を言われてもな・・・」

死「俺達のせいではない。」

鈴木「まともま問題を出さない貴様がいかんのだ。」

蔵「問題を拗らせて捻らせて歪ませたあなた達の責任でしょうが。」

幽「拡大解釈って奴?」

蔵「拡大しすぎですよ。」

飛「二問もやれば十分だろ。」

躯「そうか?」

蔵「こんなスピードでいつ教科書が終わるか定かではありませんが、じゃあ問題行きますよ。今度は食塩水の問題です。」

幽「げぇー、俺その手の問題嫌いなんだよなー。」

飛「嫌いなんじゃなくて解けないんだろ。」

幽「おめぇだって解けねーべさ。」

蔵「と言うか解ける単元があるんですか?あるんだったらそこからやってもいいんですけど?」

幽「あるワケないじゃんよ。」

飛「魔界に数学なんかいらん。」

蔵「・・・・・では問題、『200gの水に食塩50gを溶かしました。さて、濃度はどのくらいでしょうか?』

はい、コレはとてつもなく簡単ですね、陣君どうぞ。」

陣「ちょっとしょっぱいと思うべ!」

幽「いや、俺はかなりしょっぱいと思うな。少し水を足した方がいいな。」

「味の問題じゃなくて。」

凍「陣らしい答えと言えば陣らしいな・・・」

死「浦飯もらしいと言えばらしいか・・・」

飛「そもそも200gの水に塩を50g溶かしたから何だと言うんだ。」

蔵「何だと言われても・・・濃度を求める事以外にあまり意義は・・・」

鈴木「いーや、薬を司る私としては聞き捨てならん発言だな。薬を作る時に一番大事なのは配合する薬品等の

分量が左右すると言っても過言ではない。」

鈴駒「まぁ、そうね。多すぎてもダメだし少なくてもダメだろうし。」

凍「料理も調味料の分量一つ間違うだけで全然違う味になってしまうからな。」

陣「凍矢の調味料計算は完璧だべv」

死「貴様にしてはなかなかまともな事を言うじゃないか。」

鈴木「そりゃそうだ。現にここにあるこの惚れ薬はちょっと配合を間違えただけで死々若が私に全然惚れなくなっちゃうのだよ。」

斬!!!!

死「学校に変な薬を持ち込むな・・・」

鈴駒「と言うより不審者が生徒として同じ教室にいる時点で疑問だけどね。」

蔵「あっ、そう言えば次の授業化学でしたね。どうしましょう?次の担当鈴木だったんですけど。」

陣「鈴木は生徒だべ?」

蔵「いやー、教師役の数が合わなくて。何なら俺の数学もう一時間やります?理科でいいなら植物教えますけど。

魔界の植物いろいろ紹介してあげますよ?」

「どっちも嫌だよ。」

修「僕体育がいい!」

陣「オラも!座学だけじゃ退屈だべ!」

凍「陣・・・教科書も開いてなければ一文字すらノート取ってないだろ・・・」

幽「俺も体動かしてーな。」

蔵「そうですね、確か酎が体育教師と言う設定だった気がします。」

「オラー!!てめーらさっさとグラウンドに来い!!俺ぁ二年も出番無いんだぞ!!」

鈴駒「そう言いながらどうせ裏方で酒飲んでたんじゃないの?」

酎「何言ってやがる!いくら小説上の教師役だからって授業中に酒なんて飲むわけヒック!無いだろ!ヒック!!うぃ〜・・・」

鈴駒「ばっちし飲んでんじゃん!!」

酎「細かい事突っ込んでねーでさっさと着替えてグラウンドに集合!!」

陣「体育何やるだ?」

酎「それは始まってからのお楽しみだ。」

修「僕楽しいのがいいな〜。」

鈴駒「外体育の定番と言えばマラソンかサッカーか・・・」

鈴木「酎!私は柔道か水泳がいいぞ!柔道なら死々若を寝技に持ち込めるし水泳なら死々若のセミヌードが拝める!!」

斬!!!!

死「誰かコイツを校庭の地中深くに埋めてくれ。タイムカプセル代わりだ。」

鈴駒「きっと誰も掘り出しに来ないね。」

躯「何なら黄泉を付けて。」

「付けるな!!」



四時間目に続く・・・




陣「あれ?そういやさっきの問題の答えって何だったんだべ?やっぱりちょっと濃かったんだべか?」

凍「20%だよ・・・陣・・・」





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