『七夕ドッタバッタバッタリ伝説』






蔵「・・・・・でね、牽牛と織り姫は7月7日の一日だけ会える・・・切ないでしょ?コレが七夕伝説です。」

修「一年に一日しか会えないなんて・・・さみしいね・・・」

鈴木「七夕・・・う〜ん、なんて私に似合うロマンティックなストーリーなんだ・・・」

死「俺は出来ればコイツと一日たりとも目を合わせたくない。」

凍「そのまま天の川を流れてろ。」

鈴駒「むしろ三途の川でしょ。」

幽「でも、働かない二人なんて、躯と飛影そっくりだな♪」





「へっくし!」

「はぁーくしょん!!大魔王・・・」←出ません

躯「何だ?風邪でも引いたか?あんなに睡眠取ってるお前が。」

飛「ふん・・・貴様こそ風邪を引くようなタマか?」

躯「お前こそ、毎日毎日腹出して寝てるぞ。毎晩服直してやってんのに・・・」

飛「俺だってお前の毛布かけ直してやってるんだぞ。寝相の悪さも魔界一だな。」

躯「そんなに寝てるのに成長しない所を見ると『寝る子は育つ』なんて嘘だな。迷信だ迷信。」

飛「貴様だって俺とたいして身長違わないだろうが。それにただでかいだけで能がないは嫌だ。」

躯「ま、オレとしてはこれくらいの身長が可愛くていいと思うがな。」

飛「頭撫でるな!!」




修「ねーねー、僕七夕した〜い。やってみた〜い。」

蔵「おや?修羅、何かお願いしたいことあるんですか?」

修「うん!いっぱいあるよ!あしたのおやつはケーキがいいとか、ごはんはハンバーグがいいとかvv」

蔵「ふふ、可愛いお願いですね。誰かさんと違って。」

黄「その誰かさんとは私か?」

蔵「別に名指ししてませんよ?ただ上に『よ』がついて下に『み』って付く人の事を言ったんですよ。」

黄「ジャストミートで私じゃないか・・・」

修「ねーねー、蔵馬笹出して〜。」

蔵「そうですね、じゃあみんなを誘って来ましょう。」

幽「じゃあ俺んちでやろうぜ。酒用意して待ってっからよ。」

酎「浦飯ー、酒の醸造元ごと買って来いよー!」

凍「飲み過ぎだ酎!!」

鈴駒「いやそれ以前の問題でしょ!?」







蔵「と言うわけでかくかくしかじかで七夕をします。お二人も是非参加してください。」

飛「くだらん。」

蔵「一体貴方は何を素晴らしいと感じる人なんです?」

躯「面白そうじゃないか。願いって叶うのか?」

蔵「そこまでは。でも、叶わないとも言い切れません。願いによりけりですよ。」

躯「これも日本の伝統文化の勉強だ。」

飛「何だかんだ言って結局仕事をさぼりたいだけだろ。」

躯「じゃあお前は真面目に仕事したいのか?オレは構わんぜ?」

飛「・・・・・行く・・・」







螢「と言うわけで、」

一同「お邪魔しますー!!」

死「一部本当に邪魔だがな。」

鈴木「死々若!人様のうちで毒を吐くな!!」

温「あ〜ら、いっぱい来たわね螢子ちゃん。あっ、飛影君だ。躯ちゃんもお久し振り〜vv」

躯「どうも、相変わらずなテンションだな。」

幽「おらおらおら、そんなトコ突っ立ってねぇで早くあがれよ。」

蔵「幽助、黄泉が床を踏んだらファブリーズした方が床のためですよ?」

黄「お前も毒を吐くな!!」

蔵「あなたこそ悪臭を充満させないように。」

死「ゴキブリほいほいにも何か掛かるはずだ。」

修「わぁー、この人が幽助のお母さん?美人だねーvv」

温「あら可愛い子vv蔵馬君の子?」

蔵「それ俺が父親って事ですか?それとも俺が生んだのかって聞いてるんですか?」

温「だって妖怪っていろんなこと出来るみたいだから分身ーって感じもありじゃない?」

蔵(この人魔界で君臨出来るだろうな・・・)

黄「こら、ちゃんとご挨拶しなさい。」

修「こんばんわ。僕修羅って言います。」

温「あらおりこうさんvv今日はゆっくりしていってね。子供用にカクテルもあるからvv」

鈴駒「あかんて奥さん!!」※20歳未満の方は飲んだらあかん!

陣「おー、今日は晴れてるだからお星様キレイに見えるべ。」

鈴木「ふっ・・・だがあの満天の星々よりも綺麗な私の前ではどんな一等星もかすんでしまう・・・」

死「彗星になって大気圏に突入してしまえ。」

幽「七夕なんて久し振りだなー。」

螢「昔はよくやったねー。」

温「この子達自分の短冊をもっと高いトコに飾るってよくケンカしてたわ。」

陣「短冊は高いトコに飾った方がいいんだべか?」

蔵「その方が天に近いからじゃないですかね。」

温「んで、あんまり上の方のてっぺんに飾ろうとしたんで幽助窓から転落してったわ♪きゃははは!!」

凍「きゃはははってあんた・・・」

幽「うちのおふくろ核戦争に勝ちそうなタイプだから。」

蔵「勝つんじゃないですか?確実に。」

躯「相手が黄泉じゃなくてこの人だったら覇権争い負けそうだ・・・」

螢「えーと、これが短冊でこっちがペンよ。好きに使ってね。」

修「はーい。えーっとね・・・」

螢「わぁ、修羅君もう字が書けるんだー。」

蔵「俺が時々家庭教師してるんですよ。」

凍「だが字が逆だぞ?しは右にはねるんだ。」

修「あそっか。間違えちゃった。」

黄「はっはっは。修羅もまだまだだな。」

死「お前の息子と言う事を考慮すればこんなに優秀なのはあり得ないと思うがな。」

躯「お前は黙って配膳やってろ。字は達筆だが書く願い事は3歳児以下の男。」

黄「・・・そういう貴様は何を頼むと言うんだ?」

躯「オレはそうだな・・・まずはコレだ。『修羅が黄泉の遺伝子を一切受け継がず明朗快活・

天真爛漫・質実堅剛・な子になる事』。」

修「うわ〜、難しい字いっぱい書いてる。躯すご〜い。」

飛(どんなに願っても育てるのが黄泉で知識を植え込むのが蔵馬じゃな・・・)

鈴駒「えっと、酎の酒の量がぐーーーーーーーーーんと激減しますように。」

酎「酒がぐーーーーーーーーーんとおもいっきし飲めますように。」

陣「ごはんがもーっといっぱい食えますように!」

凍「陣の胃袋が今の10分の1になりますように・・・」

鈴木「私と死々若が言うまでもないが両思いになれますようにvv」

死「絶対ありえないが鈴木と両思いになりませんように。」

蔵「黄泉からのボーナスが2倍になりますように。」

黄「蔵馬初め部下の諸君が給料を欲しがりません様に。」

躯「飛影のひねくれがもう少し改善されます様に。」

飛「躯のからかい癖が無くなれ。」

幽「螢子がもう少し何とかなりますように。」

螢「幽助はもうどうしようもないですね。」

修「それお願いじゃないんじゃ・・・」

温「あんた達願い事がラリーになってるわよ。」

酎「結構笹に短冊がたわわに実ってきたな。ん?」

(凍矢の奴・・・実りますようにって書いてる・・・やっぱり・・・vv)

『庭に植えたトマトとミニトマトときゅうりとなすと人参が無事に・・何とぞ無事に実りますように・・・』

「・・・・・」

修「パパは何て書いたの?」

黄「うん?はっはっは。内緒だ。」

躯「『家庭内平和』。こんな事位自力で何とかしろ。人に頼むな。」

「おい!人のプライバシーだぞ!!」

鈴駒「ある意味世界平和より実現難しいよね。」

死「陣、あまり食べ物の短冊ばかり書くな。定食屋のお品書きみたいになってるぞ。」

鈴木「ああ・・・困った。短冊に書く願い事が決まらない・・・」

酎「多すぎてか?」

鈴駒「公衆の面前では言えないようなのだから?」

鈴木「ああ・・・もっと美しくなりたい・・・だが私はこの世の美の最終形態!!これ以上の美しさなどあり得ない・・・」

鈴駒「ああ言うのを幸せな人って言うんだろうね。」

鈴木「私は千の姿と技と持つ美しき者!願いも千なければな。」

鈴駒「あと千の前科もあるでしょアンタ。」

酎「だから千も顔があんだろ。」

死「金に困った時の最後の手段に鈴木は取っておく。もしもの時は警察にコイツを突き出す。」

酎「コイツに懸賞金出してくれる奴いるのか?」

陣「死々若は何て書いただ?」

死「『鈴木の願いが叶いません様に』」

鈴駒「ひねくれMAXなお願いだね。」

躯「「おい、お前達の主婦的存在の奴が何かに取り憑かれたように一心不乱に短冊書いてるぞ。」

陣「と、凍矢?」

凍「毎日が火曜日になりますように・・・」

鈴駒(火曜市狙い!?)

凍「毎日が二十日になりますように・・・」

鈴駒(二十日はジャスコ!?)

凍「早くBSE問題を解決しろ・・・」

鈴駒(高いモンね・・・国産黒毛和牛・・・)

凍「毎日特売しろ・・・」

鈴駒(全国の主婦の皆様に成り代わってお願いしちゃった!)

凍「これ以上消費税を上げるな・・・消費税を無に返せ・・・」

鈴駒(命令しちゃった!!お願いのステップ無視して命令しちゃった!!)

陣「凍矢・・・日に日に立派な奥さんになってくだな・・・」

温「認定ものね。」

幽「よぉ、飛影ちゃんと書いてっか?ってか字書けっか?」

飛「うるさい。字くらい書ける。」

幽「で?何て書いたんだよ?」(躯と恋人になれますようにとか素直に書いてたりして)

飛「ふん。これだ。『俺の願いを叶えろ』」

「いやだから願いを書けって!!」

蔵「叶える方だって何を叶えたらいいか混乱しますよ。」

躯「そんな恥ずかしい事じゃないって。背を伸ばして欲しいって事は。」

飛「そんな事頼まん!!俺は新陳代謝を促進したいだけだ!」

幽「いつからそんな健康思考になったんだよ!!」

飛「現代人として当然だ!!」

躯「飛影も微妙な流行の最先端行ってるな。」

鈴木「新陳代謝にはビタミンミネラル亜鉛が大事!!」

蔵(もう一生分の睡眠を取ってそうなのに成長ホルモン分泌しないんですかね・・・)

陣「短冊っておもしろいだべv」

凍「みりんが切れていたな・・・『みりんが欲しい』、あとしょう油も・・・」

鈴駒「凍矢!?お願いだからもう少しロマン感じるお願いをして!!」

死「ある意味叶いやすい願いと言えば叶いやすいな。」

幽「にしてもまとな願い事あんまねーな。」

酎「書いてるメンバーがメンバーだからな。」

鈴駒「オイラが神様ならどれ一つ叶えたくないね。」

温「○○と両思いになりたいとかないのかねー?君たちは。」

躯「飛影、ちょっと。」

飛「何だ?」

躯「いいから動くなって。よっと・・・」

飛「おい、短冊は笹に飾るんだぞ?何故俺の首にくくり付ける。」

躯「そうなんだけどさ、この願いはお前に吊した(つるした)方が効くんじゃないかってな。」

飛「俺は笹じゃないぞ。」

躯「別に邪魔じゃないだろ。今夜ぐらい吊しててくれよ。」

飛「・・・・・・」













螢「あれがわし座 の1等星アルタイル・彦星で、あっちがこと座 の1等星べガ・織姫よ。8月9月頃にだんだん

高く見える様になるんだけど。」

躯「ほぉ、綺麗なものだな。普段夜空なんて見上げないからな。」←寝てるもんね

螢「やっぱり・・・一年に一回しか会えないって辛いよね・・・」

躯「何だ?浦飯がこっち(魔界)にいた時は会いたくて仕方がなかったか?(笑)」

螢「そ、そんなじゃないわよっ。ただ、殴る相手がいないとストレス溜まっちゃって・・・」

躯(あいつはサンドバックか・・・いや起きあがりこぼしか?)

躯「まぁ、一年に一回しか会えないってのも辛いが、オレなんかもっと辛いぜ?」

螢「えっ?」

躯「オレは何年も何十年も何百年も会えなかったんだからな。」

螢「それって・・・」













なぁ?飛影・・・・・







螢「ねぇ、躯さん、さっき飛影君に付けてた短冊、何て書いたの?」

躯「んー?」




それは・・・





躯「螢子こそ、どんな願い事したんだ?」

螢「みんなに見られると困るから本命は書かない。」

躯「ああ、浦飯と結婚したいって?」

螢「違うもん!!そんなんじゃないもん!!」

躯「ならオレが代わりに書いてやろうか?えーと、浦飯と螢子が結婚しますようにと・・・」

螢「ああ!!躯さんの意地悪!じゃああたしも書いちゃうもんね!躯さんと飛影君が結婚しますようにっと!」

躯「残念だがオレは神だろうが何だろうが言う事聞かないぜ?」

螢「じゃあ誰の言う事なら聞くの?」

躯「ん?そうだな・・・」

修「おーい、えんかいだよえんかいvv」

酎「おら〜、者共どんちゃんやりやがれ!!」

鈴駒「ちょっと!メンツだけで十分やかましいから抑えろって!!」

螢「あんまり騒ぐと下の階に、って言うか3個向こうの町内までご迷惑よ?」

幽「ああ、陣と凍矢と死々若が先に騒ぐって断りに行ってるから。」

躯「あのトリオが行って納得しないワケないか・・・」

蔵「あと俺の植物で音をいくばくか吸い取ってますよ。」

修「ねぇねぇ、あの笹って七夕が終わるとどうなるの?」

蔵「川に流すと言う風習もありますが、黄泉が全部叶えてくれるまでうちに飾っておきましょvv」

「そんな事できるか!!」

躯「何だよ、三竦みともあろう者が、ましてや父親とあろうものがこれしきの願い達を叶えられないわけないよな?」

飛「なら、もう2,30個願いを書くか・・・」

死「そうだな。じゃあ俺は新しい着物をっと・・・」

陣「オラは世界一周グルメツアーに行きたいだ!」

凍「仙豆が本当に出来ますように・・・」

温「もうみんなお願いって言うより欲望丸出しね。ちったぁ隠しなさいよ。」

幽「そう良いながら宝くじと万馬券が当たりますようにって書いたこの短冊は誰んだ?」

飛「おい・・・」

躯「何だ?」

飛「これのどこが伝統文化なんだ?」

躯「祭って言うのは騒ぐものだろ?これが正しい姿だ。いわゆるジャパニーズアメリカンと言うものだ。」

飛「勝手に新しい言葉を作るな・・・」

幽「はーい!飛影ちゃんかたい事言ってないでお酒飲んでふやふやになりましょうーvv」

飛「ぐっ・・・ゆうす・・いき・・・んぐ!!」

躯「飲め飲め飛影。」

螢「ダメよ!未成年に飲ませちゃ!!」

幽「大丈夫大丈夫!飛影の炎でアルコール飛ぶから!」

螢「あんたも一応未成年でしょ!」

躯「やれやれ・・・・」