〜『死々魚姫』〜





蔵「はい、てなワケで、前回の予告通り、童話シリーズの新作発表でーす・・・と行きたいところなんですが。」

死「行かんでいい。」

凍「頼むからもう終演にしてくれ・・・それが叶えられないなら監督を代えてくれ・・・」

蔵「たまには皆さんからリクエスト聞いて参考にしようと思ってるんですけど。」

鈴駒「見事に上の懇願をスルーしたね。」

黄「奴は都合の悪い事には聞こえないフリをするからな。タチが悪いったら無いな・・・

蔵「黄泉ー、ばっちり聞こえてますよ。」

黄「そして自分に対する小言は絶対聞き逃さない・・・」

蔵「黄泉も変わってませんねー、こそっと人の影口たたいて・・・少しは俺みたいに純粋になりませんかね?」

「お前は一万年と二千年前から変わってないだろ。」

鈴木「私は死々若と合体したい!!」

斬!!!

鈴駒「鈴木、あんまセクハラな発言すると合体どころがバラバラに解体されるよ?」

鈴木「なんのなんの・・・どんな事も接合すると言うのは一筋縄ではいかないものさ。会社も市町村もな。」

陣「オラこの間テレビで見ただ!ロボットがいっぱいくっついて合体してたべ!鈴木も合体出来るだか!?」

鈴木「もちろんだ!お前だって凍矢と合体すればいい!」

凍「永久凍土と合体したくなければ口を閉じろ・・・」

鈴駒「とまぁ話を戻したくないけど戻して、『美女と野獣』なんてどう?」

蔵「いいですね、役が調達しやすくて。死々若を美女にして鈴木と酎が野獣なので簡単ですね♪」

陣「なぁなぁ、凍矢が美女役はダメだべかー?」

蔵「凍矢は『美女』って言うより『美少女』ですから。それに凍矢が演技とは言え鈴木や酎にベタベタされていいんですか?」

陣「むー、それは何かやだべ・・・」

「俺はいいのか。」

鈴木「自然じゃないかvなぁ死々若v」

幽「珍しいな、黄泉を入れねーなんて。」

躯「あいつは獣じゃなくてケダモノだから。」

蔵「同感です。」

死「右に同じ。」

黄「貴様等なんぞ鬼畜生だろうが!端正な顔立ちで紳士な私がたとえ最終的に美男になる設定でも野獣の役などやりたくない。」

蔵「えっ?女装が趣味なんですか?」

「何故そうなる。」

酎「おいおい、ちょっと待てよ。俺はワイルドな美男子だけど野獣ってワケじゃないぜ?少なくとも鈴木よりは。」

死「いつから魔界に鏡が無くなったんだ?」

鈴木「確かに夜は男の血が騒いで獣の様に激しくなるが貴様のようなゲテモノが私の美に意見するなど断じて許さんぞ!」

酎「大体オメェ自称で美しいなんて言ってるだけだろ!自称で良いなら世の男は全員美男宣言するっつーの!!」

鈴木「何を!!私の美しさが理解出来ないとは美的センスの欠片もないケダモノだな!」

酎「オメェだって死々若に夜這いかけて失敗して何度斬られても復活するじゃねぇか!ゾンビだゾンビ!!」

鈴木「貴様だって何度も棗さんにフラれてるだろうが!むしろフラない方がどうかしている!」

酎「俺のモットーは酒飲んでネバーギブアップなんだよ!諦めたらそこで試合終了なんだよ!」

鈴木「何がネバーギブアップだ!貴様なぞネバネバしててゲップするだけだろ!」

黄「まぁまぁ、そんな醜い争いをするな。ここは平等にじゃんけんで決めるといい。どっちに決まっても適役だからな。」

酎「何言ってんだ!てめぇだってケダモノ王選手権にエントリーされてんだよ!」

鈴木「しかも優勝候補だ!」

黄「勝手に参戦させるな!お前等の様な若輩者に私の渋さあふれるダンディな男の魅力など分かって堪るか!」

鈴駒「目くそ鼻くその戦いに耳くそまで参入しないでよ。」

蔵「スミマセン。何千年と生きてきましたが黄泉の魅力とやらは俺には理解不能です。」

躯「オレもさっぱり分からん。」

幽「オヤジにも分からねぇだろうな。」

飛「俺の邪眼にもそんな物は映らない。」

黄「ちゃんと見ろちゃんと!!」」

死「どこから見ても無駄だ。」

蔵「と言うわけで今回は『人魚姫』で行きます。」

鈴駒「ちょっと!リクエスト聞くんじゃなかったの!?話し合いした意味は何だったの!?」

躯「時間が無駄に過ぎただけだったな。」

飛「そもそもこのシリーズを続ける事自体が無駄なんじゃないのか?」

幽「つーか蔵馬に意見するだけ無駄だって。」

陣「オラは面白ければ何でもいいだ♪」

蔵「ですよねvでは↓が今回の配役になります♪」




人魚姫(死々魚姫):死々若丸

死々魚姫の姉妹:酎・陣・凍矢・鈴駒

魔法使い:鈴木

王子:天変地異が起きたので黄泉


黄「役名と役者の名前だけ言えばいいだろうが!」

鈴木「また私の名前に『美しい』の三文字が入っていないではないか!」

死「容量の無駄だ。」

鈴駒「今回の30kb行ってるしね。」

黄「貴様等全員無駄に喋りすぎなんだよ。」

躯「一番無駄にしてるのはお前だろ。」

黄「役が無いんだったら引っ込んでろ!!」

陣「てか『魔闘家』は抜いてもいいんだか?」

死「いっそ鈴木も抜けばいい。」

蔵「ではそんなこんなでクランクイン!!」

凍「はぁ・・・また悲劇が始まるのか・・・」

飛「言うな・・・」






蔵『むかーし昔、ある国の王子様の船上パーティ(屋形船)が盛大かつ地味に催されていました。』


黄「いやー、今日はパーティよりまともな役が来た事が嬉しいな。」

飛「最初で最後なんだろ。」

幽「いや、最後には全然違う役になってるんだぜきっと。」

「言うな。」

飛「別に貴様の誕生日はめでたくないが誕生日のケーキだ。食え。」


蔵『正直もう何度目の誕生日か分かりませんがそろそろケーキって歳でも無いですね・・・』


黄「うるさいぞナレーター。何だ・・・この百物語りが10数回出来そうな不吉さがたっぷりデコレーションされたケーキは・・・」

飛「誕生日ケーキと言うのは歳の数だけろうそくを食べるのだろ。」

黄「節分とごっちゃになっているぞ・・・確かに誕生日のケーキは歳の数分ろうそくを立てるが・・・」

飛「ろうそくを数えるのも火を付けるのも面倒だったんだぞ。いっその事炎殺拳で焼こうかと思ったぞ。有り難く受け取れ。」

黄「ケーキの二度焼きなんて聞いた事が無いぞ・・・まぁ、ありがたくもらおっておこう。」

飛「値段はケーキに刺さってるろうそくの数だけ0が付くので支払いよろしく。」

「どんなケーキだ!?」

幽「何てたって蔵馬の特注品だからな。」


蔵『ローンも可。』


黄「ローン組んでケーキ買う奴見た事無いぞ!?」

鈴駒「蔵馬だからね・・・」






蔵『同じ頃、海の中で15歳になる死々魚姫の誕生パーティも開かれていました。』

陣「おめでとうだべ死々魚姫!」

凍「おめでとう、死々魚姫。」

鈴駒「ハッピバースディ〜v」

酎「死々魚姫もやっと15歳か!今日から酒解禁だなv」

死「あと5年ある。あとお前の酒はいらない。」

凍「すまんな、今日はせっかくのお前の誕生日なのにあまりいいものが用意できなくて。」

酎「最近不景気だからあんま豪華客船とか来ねーからな。仕事無くて暇だぜ。」

鈴駒「うちら海賊?」

陣「いいだなー、船上パーティってごちそういっぱいなんだべな。オラローストビーフとかって食ってみたいだ。」

鈴駒「ウチなんかローストビーフじゃなくてロストビーフだもんね。食卓から失われし牛肉だよ。」

酎「もう牛肉とは何年も会ってねぇからな。」

死「と言うか仮にも俺達今魚介だろ?精肉の事を話してどうする。」

陣「はぁ・・・いいだな・・・ステーキに寿司にフカヒレ・・・」

凍「陣、縁のないごちそうを想像しても空しいだけだぞ・・・」

ゴゴゴゴゴ・・・

鈴駒「あれ?何か上やけに騒がしくない?」

陣「んー?マグロかカツオの大群でも通過中だべか?」

凍「なら捕りに行かなくては・・・!!」

酎「あっ、そういや今日嵐だってよ。」

鈴駒「この時期台風が多いからねー。」

死「ま、上が嵐でも海底には影響は無いさ。」

鈴駒「この嵐なら大音響でカラオケしてても大丈夫だね。」

酎「そういうこった。よっしゃ、次死々若歌えー。」

死「その前にお前は服を着ろ。見るに耐えん。」

酎「いいじゃねぇか、一つ歳食ってキレイになったお前を祝して裸踊りだ♪」

鈴駒「それ祝ってるんじゃなくて呪ってるって言うんだよ。」



蔵『その頃、海上では突然の嵐にてんてこ舞いになっていました。流石は雨男の王子様です。

と言うわけで王子様、責任取って川の中に落ちてください。貴方さえ落ちればいいんです。そして海までノンストップで流れてください。』


「何の責任だ!お前のそのぐちゃぐちゃな脚本を無にするためにも私は絶対落ちん!!」

蔵『いい歳して駄々こねないでください。川に落ちるか地獄に墜ちるか二つに一つです。』

黄「何故雨降らせたくらいで地獄に堕ちなければならんのだ!」

蔵『あー、もう、そんなにしがみついて・・・飛影、たたき落としてください。』

「邪王炎殺黒龍波あああ!!」

黄「貴様、こんな事で奥義を使うな!邪王炎殺拳の使い手としてのプライドは無いのか!?」

飛「ギャラが掛かっていてな。」

黄「甘いわっ!普段は思慮深そうなフリをしているが実際は『鍋焼きうどんがあるのに鍋焼きそばって聞かないな』とか

考えてる貴様如きに私を倒せると思っているのか!貴様の黒龍波なぞ私の煉波反衝壁で取り込んでくれよう!」

躯「ならオレが落としてやる。」

「貴様どこからわいた!?」

躯「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃん。よっ。」

ドボンっ

「どわああああ!!」


蔵『黄泉王子はバランスを崩して川にドボンしちゃいました。』


黄「突き落としたんだろうが!」

躯「ちなみに三日前の飛影の寝言は『にらレバとレバにらがあるのに何故ニラ玉があって玉ニラが無い・・・』だ。」

黄「どうでもいいわ!!」

幽「黄泉ー!川はいつか海になるんだぜー!!」

飛「達者でな。」

躯「出来れば鮎とか獲りながら海まで行ってくれ。」

「やかましい!!」


蔵『こうして、王子はどんぶらこーどんぶらこーと川を流れていきました。めでたしめでたし♪』


黄「こんな物語があるか!!」






なんて冗談はさておいて後編へどうぞv