〜『舌切りスズキ』〜
死「むかーし昔、鈴木は俺に舌と全身斬られましたとさ。めでたしめでたし。」 −終劇− 鈴木「早っ!!」 酎「『あっ!』と言う間も無かったな。ビールで例えると100ml缶だな。」 鈴駒「今までの小説の最短記録達成だね。」 死『迅速』かつ『簡潔』と言う点に重きを置いてみた。」 鈴木「こんな重すぎる終わり方でしかもたった一行で片付けるな!今回は私がきらめいて皆をときめかせる主役なんだぞ!!」 死「昔話に付き物の『むかーし、昔』と『〜とさ』と『めでたしめでたし』が入ってる。これで十分だろ。何が足りないと言うんだ?」 鈴木「夢とか希望が現代人の食物繊維量位足りんわ!不十分極まりないしちっともめでたくないではないか!」 死「お前が斬られて終わればここでは大団円だろ。ダラダラと長いのは嫌いだしな。『終わりよければ全て良し』だ。」 鈴木「どこも良くないではないか!これは終劇じゃなくて襲撃!」 蔵「コレ下にまだ続いてる事に気づいてもらえなかったら見に来てくれたお客様がこれだけかよってお怒りになりますよ。」 幽「久し振りの新作小説だしな。」 飛「知り合いが他人になる位の久し振りさだがな。」 死「サイト打ち切りものの遅さだったな。」 凍「まぁ確かにファイル容量と言う一点に置いては軽くていいんだがな。」 鈴駒「大団円って言うよりは証拠隠滅って感じだけどね。」 陣「それにしても短すぎるべよ。オラ達出番全くないだべ。」 凍「それはそれでいいんだがな・・・」 蔵「死々若に珍しく脚本書きたいって言われて任せてみたらこうなってまして。」 飛「結末的には誰が書いても同じなんじゃないのか・・・?」 幽「だから最初にオチを言うなって。」 蔵「嫌だなー、俺こう見えてもハッピーエンド主義ですよ?黄泉の口座残高は『THE END』ですけど。」 黄「嫌がらせが『END LESS』・・・」 蔵「歴史は繰り返すモンです。」 黄「お前が巻き戻しボタン連打してるんだろ。第一こんなに遅くなったのはお前の・・・」 蔵「あなたが予算渋るからでしょ。やっぱり台本が俺が書かないとダメですね。」 飛(流し素麺ばりにスルーしたな・・・) 蔵「ところでこのシリーズもずいぶん長い事やってますけどちゃんとお話の意図把握してます?」 一同(己が把握してねぇ!!) 蔵「おや、何か無言の熱い意志が感じられましたねー。皆さんその初心の気持ちを忘れずにvでは配役をどうぞv」 鈴駒「初心も何も初めからこのノリじゃんよ・・・」 死「言うな・・・」 スズメのおちょん:鈴木 おじいさん:陣 おばあさん:死々若 スズメのお宿の女将さん:躯様 蔵『むかーし昔、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。』 陣「ただいまー。」 死「前振り無く帰ってきたがお帰り。ん・・・?何だ?その背中にへばりついてるのは。」
陣「ん?ああ、スズメがさ、怪我しておっこちてたから手当てしてやろうと思って。」 死「ちょっと待て、陣、台詞が違うぞ。」 陣「へっ?えっと・・・あっ、『スズメがおっこちて怪我した』だか?」 死「違う。」 陣「んー?怪我しておっこちてたのはスズメ・・・?怪我しておっこちるとスズメに・・・?」 死「そうじゃない。正しくは今日の『おかず獲ってきた』だろ?台本のト書きもちゃんと読め。」 陣「あ、そっか。うっかりしてただ。」 鈴木「うっかりじゃないだろ!私が優雅に空を飛んでるトコにコイツがぶつかってきて落下させて私に怪我を負わせたのだぞ!」 死「そうだぞ陣。『うっかり』ぶつかるんじゃなくて『しっかり』ぶつからなくては駄目じゃないか。」 陣「急いでたから飛ばしすぎてごっつんこしちまったべよ。」 鈴木「正面衝突をごっつんこなんて言葉で表現しないでもらいたい!」 死「で、そのオーパーツみたいな物体は一体何なんだ?どこで出土した?」 陣「おパンツ?」 鈴駒「オーパーツ!」 鈴木「愛くるしく空を舞っていたスズメだと冒頭から言ってるだろうが!」 陣「ん?でっかくて派手だけどスズメだって。」 死「スズメだと?活字だけの世界だからどんな姿をしているのかは見せられないが到底スズメには見えんぞ。」 修「今が年末ならそのまま紅白出られそうな衣装だよね。」 幽「いや、警官に職務質問される格好だろ。」 鈴駒「まぁ私服でも連行されるんだけどね。」 蔵『死々若、あまり見た目にこだわらないで下さい。大事なのは見て見ぬ振りする寛容さです。』 飛「寛容さの見せ所が間違ってる・・・」 死「全く、いつも口をすっぱくして言ってるだろ?知らない奴に声をかけられても付いていくなって。」 鈴木「はっ!死々若の口はレモン味!?」 斬!! 蔵『おばあさんはスズメに辛く当たりました。』 鈴駒「辛く当たるって言うか貫きかけてるけどね。」 修「やきとりになるね。」 酎「あんなのがやきとりになったらビールも麦に戻っちまうぜ。」 陣「でも今回はオラが連れてきたんだべ。こういうのも駄目だべか?」 死「なら注意書きに『知りたくもない奴を連れてくるな』も加えておけ。」 鈴木「これは申し遅れた。私は美しい魔鳥家鈴木だ。フレンドリーにおちょんと呼んでくれ。」 死「貴様の名前など聞いてないし今後聞くつもりもないから勝手に名乗るな。」 陣「まちょーかだかアチョーだかよく分かんねーけどスズメだって。」 鈴木「失敬な。私は美鳥コンテストで優勝した事もあるのだぞ。」 死「お前が勝手に開催してお前以外参加しなかったんだろ。と、言うわけで。喜べ陣。今日の晩飯は鶏五目だ。」 鈴木「いきなり主役からメインディッシュにするな!」 陣「童話からとなりの晩ご飯に番組替えたべか?」 蔵『いえいえ。』 死「何を言う。貴様の主役抜擢と前途を祝してやろうと言うに。」 鈴木「炊かれたら前途が無いでは無いか!通行止めだ!」 陣「お祝いって言ったらやっぱ赤飯だべ。」 死「それもそうだな。じゃあコイツの生き血で・・・」 鈴木「どれだけ料理下手の奥さんだ!?米を洗剤で洗うレベルとはワケが違うぞ!」 死「赤飯は血で炊くのだろう?だから『赤』飯なんだろ?」 鈴駒「そんな物騒なご飯嫌だよ。」 修「まっずそー。」 蔵「黄泉が作ったのとどっちがまずいですかね?」 躯「黄泉そのものが不味いだろ。」 黄「貴様の料理に言われたくない!と言うか貴様のは料理ですらない!!」 躯「捌くのは大得意なんだがな・・・」(右手シャキーン) 陣「オラケチャップライスの方がいいだな。」 死「この時代にはケチャップは無いぞ。」 鈴駒「何でもありな世界でケチャップが無いんだね。」 蔵『予算が無いんですよ。』 黄「お前には思いやりが無い・・・(ボソッ)」 蔵「・・・・・何ならあなたも五目の中の一目に入ります・・・?」 黄「いっちぬけた♪」 陣「でも怪我してるのに鶏五目にするのはかわいそうだべ。」 幽「怪我してなかったら可哀想じゃないのか?」 陣「怪我させちまったのはオラのせいだしさ。」 死「お前がそう言うなら・・・分かった、鶏五目は中止にする。」 鈴木「死々若・・・v」 死「五目チャーハンにしよう。」 鈴木「日本!ここむかーし昔の日本!」 陣「昔話にチャーハンはまだ早いべよ。」 死「そうか?時代を先取りするのもたまには良かろう?」 鈴木「フライング禁止を要求する!」 死「分かったよ。じゃあ棒々鶏に・・・」 鈴木「日本だって言ってるだろうが!」 死「そうだ、たまには新しい料理に挑戦してみると言う意味でパエリアなんてどうだ?」 鈴木「鶏肉入ってないわ!」 死「確かに日本のは魚介類が入ったのが多いがバレンシア風パエリアには入って・・・」 鈴木「何故赤飯の作り方は知らないくせにパエリアには詳しいのだ!」 死「情熱的なのが好きだろうと思って・・・」 陣「さりげない優しさだべ。」 鈴木「そんな優しさ欲しくないわ!オ・レ!!」 陣「カフェ・オ・レ!!」 鈴木「カフェ・ラテとカフェ・オレの違いが分からない奴は黙ってろ!」 死「失敬な。俺は違いの分かる男だし食べ物には敬意を払う主義だぞ。」 鈴木「私を食糧と言うジャンルから外せと言うに!」 死「スズメが京都の伏見稲荷大社の前では名物として売られているそうだな。」 鈴木「ここは『ある所』!!京都とは限らない!!」 陣「でも京都じゃないとは言い切れないんじゃ・・・」 鈴木「ここは『ある所』だから!ぶっちゃけ日本の中じゃなくても良いんだ!」 死「勝手に国替えをするな。あっ、お前がごちゃごちゃ五月蠅いから夜になってしまったでは無いか。」 蔵『ながーい晩ご飯トークを経て二人と一羽は本題に入りました。』 鈴木「実は私は『雀のお宿』と言う旅館で働いていてな。客集めのために美しく羽ばたける私が客集めに抜擢されたのだ。」 死「それはその旅館の経営者がお前にそのまま飛び去って行って欲しいと言う願いなんじゃないのか?」 鈴木「何を言う。ウチの旅館は温泉もあるし、ディナーショーでは可愛い私の可愛い踊りが見られるんだぞ。」 死「お前のどこに可愛さを見出せと言うんだ。お前が客引きなら客はドン引きだぞ。」 鈴木「全身愛くるしさで満ちあふれているではないか。」 死「見苦しいだけだろうが。」 陣「なぁなぁ、怪我が治るまでここにおいていいだべ?オラちゃんと世話するから。」 死「世話じゃなくて処理だろ?」 鈴木「引っ張るのも大概にして貰いたい!!」 死「分かったよ。じゃあ風呂にでも入れてやる。じい様、風呂の油加減見てきてくれ。」 鈴木「おっvではサービスで背中も流しておくれv」 死「ちゃんと170℃に温めるんだぞ。」 鈴木「カラッと揚げる気か!?」 死「だから油(ゆ)加減って言っただろうが。」 陣「まぁ、冗談はこれくらいにしてさ、ちょんも今日から我が家の一員だべv」 死「お前がそう言うなら・・・」 鈴木「そうだ。責任取って添い寝してくれれば良い。」 斬!! 蔵『軽傷が瀕死に変わりそうな気がしますが、陣おじいさんの優しさと死々若おばあさんの日本男児の忍耐の心でスズメを 置いてあげる事にしました。』 鈴駒「今一部に違和感を感じる表現があった気が・・・」 修「そう?」 凍「この世界で一体何が違和感なのかもう謎だ・・・」